末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年4月1日)

令和4年4月1日(金曜日)
教育、スポーツ、その他

キーワード

東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣の兼務について、特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議のとりまとめ、教科書検定の結果について、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律、北海道国立大学機構、改正民法による成年年齢の引き下げ

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年4月1日(金曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年4月1日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年4月1日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私からは、冒頭、2件ございます。
 まず1件目でありますけれども、本日付けで、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣を兼務することとなりました。先ほど、総理からの、担当大臣ということで指名を頂戴いたしました。東京大会を契機に創出されました、共生社会の実現、また、日本文化の発信、健康増進など、有形・無形のレガシーを国内外に広く発信してまいりたいと、そのように考えてございます。パンフレットもこのような形になっておりますので、これに沿って進めていきたいと思います。
 2件目でございます。2件目は、「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議」のとりまとめを公表しましたのでご報告申し上げます。本報告は、大学における養成段階から管理職の専門性向上まで、教師のキャリアパス全体を見通しまして、国、教育委員会、大学、学校等の様々な関係者が取り組むべき方向性を幅広く示しております。例えば、通常学級にも障害のある子供が多く在籍している状況も踏まえまして、学校全体で教育の質を担保しつつ、特別支援教育に係る経験を有する教師を増やしていくため、すべての新規採用教員が概ね10年目までに、特別支援学級や特別支援学校を複数年経験することとなる、そういう状態を目指したいと思います。本報告に盛り込まれました具体的な改善の方向性が、各関係者におきまして着実に実施され、特別支援教育の更なる進展につながるよう、施策の更なる充実を図ってまいりたいと、そのように考えているところでございます。以上、私から2件でございました。

記者)
 まず、幹事社から2点質問いたします。1点目は、先日公表された教科書検定の結果への受け止めです。新学習指導要領に基づき、新科目などの教科書が登場しましたが、国語では論理と文学に分けたことで現場から戸惑いの声も聞かれます。新しい教科書をどのように定着させていくのか、全体の検定結果の受け止めとともにお聞かせください。2点目は、教員による児童生徒性暴力防止法です。本日施行されましたが、児童生徒への性暴力根絶に向け、今後の取組や決意をお聞かせください。以上です。

大臣)
 今、質問を頂戴しまして、新聞にもいろいろと書かれておられました。昨日(注)でしたね、掲載されていました。ご質問の件なんですけれども、今回の学習指導要領改訂では、高等学校の国語におきまして、教材の読み取り等が中心になりがちでして、主体的な表現等が重視された授業を、十分に行われていないといった課題を踏まえまして、科目構成を見直しました。ある面では、長い間の問題であったんですけれども、解決を図るべく見直したところでございます。具体的には、生徒が生涯にわたって社会生活に必要な国語の資質や能力をバランスよく身につけることを目指しまして、「現代の国語」と「言語文化」、これを必履修科目とした上で、「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の4科目を選択科目としてございます。皆さんもご承知の通りだと思います。このうち、「論理国語」につきましては、実社会において必要となる、論理的に書いたり批判的に読んだりする力の育成を重視をする科目として、また、「文学国語」は、深く共感したり豊かに想像したりして、書いたり読んだりする、その力の育成というものを目指す科目として設定をされたものでございます。いずれにしましても、新学習指導要領の趣旨、そして、内容の周知につきましては、これまで様々な手段によりまして徹底を図ってきたところでございます。ただ、文部科学省としては、どの教科書が使用されるにしましても、今般の学習指導要領改訂の趣旨や各科目の特質を踏まえました適切な指導が行われるように、引き続き、必要な指導と助言は行ってまいりたいと、そのように考えます。それと、わいせつ教員のことですね。本日、「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が施行をされました。令和元年度、この問題についての懲戒処分等を受けた件数273人ということで、過去2番目に多いという数字を示していたかと記憶しています。この法律に関しましては、先日の3月18日、同法に定める施策を総合的かつ効果的に推進するために基本方針を策定したところでございます。今後は、未然防止のための取組や免許状失効者に関するデータベースの構築、予算も当然付けておりますし、交付の日から2年目に必ずデータベースを構築しろということになっていますので、こうしたことや、基本指針に基づく取組をしっかり進めてまいりたいと思います。言うまでもなく、子供を守り育てる立場にある教員が子供に性暴力等を行うことは断じてあってはならんことであります。引き続き、児童生徒等を、教育職員等による性暴力等の犠牲者とさせないという断固たる決意で、わいせつ教員の根絶に向けた取組に全力で取り組んでいきたいと、そのように考えております。今のが、記者さんに対してのお答えでございます。

記者)
 検定制度について、1つお尋ねいたします。今回、中学校の社会科教科書で、1点、不合格図書が出ました。当該出版社ですけれども、これまでも同様に不合格になっておりまして、その不合格となった書籍を不合格教科書と称して市販しています。言ってみれば、検定制度を逆手に取ったビジネスをしているようにも思えますが、こうしたやり方は、検定制度の本来の主旨、目的から逸脱しているのではないかという印象を受けますが、大臣のご見解を伺います。

大臣)
 今、ご質問があったんですけれども、今回、申請がありました令和書籍の申請図書につきましては、教科用図書検定調査審議会の答申を受けて、検定審査の不合格が行われました。ご指摘のような受け止めがあることは承知をいたしておりますが、民間の出版社が発行する一般図書に関することでありますので、文部科学省として、これについてコメントをするということは差し控えたいと思うんです。私も、割合、分厚い本で売っていましたので拝見をしましたけども、漫画が入ったりいろいろしておりましたけれども、このことについては、現状、コメントは控えるべしとそのように考えてございます。お心の通りかなと思います。

記者)
 本日、帯広畜産大学と小樽商科大学、北見工業大学の三大学が経営統合して、北海道国立大学機構が発足しました。異なるジャンルの参加大学が3つ統合されるということは初めてということですが、大臣の、研究だったり教育に関してのご期待をお聞かせ願えないでしょうか。

大臣)
 それはもう、大いに期待はいたしております。お話の通り、小樽商科大学、北見工業大学、帯広畜産大学、この各法人が一法人の複数大学制度を活用して統合されまして、本日から国立大学法人北海道国立大学機構となります。それで、北海道の国立大学機構では、「商学」「農学」「工学」の実学を担う三大学が、遠隔教育システムを活用しまして、相互利用科目の実施であるとか、あるいは開発、そして異分野の知識・技術等を修得できる副専攻型プログラムの提供によりまして、分野融合的な人材を育成していくものと承知をいたしてございます。また、企業などの社会のニーズに直結する分野横断型の共同研究等の実施を通しまして、北海道経済や産業の発展に貢献することを目指していると、そのようにお聞きをしております。北海道国立大学機構には、大学創設以来培ってきましたブランド力であるとか、あるいは特色を元にしまして、各大学が持つリソースの共有とか、あるいは相互利用によるスケールメリットを生かした教育基盤及び管理運営の基盤の強化を通しまして、社会変革や地域の問題解決を目指して、主導的に動いていくということ、そのことを大いに期待をいたしております。まずはやっぱり、オンラインでそれぞれがそれぞれを求める科目に対して勉強するというような機会も出てくるでしょうし、まず、その辺りから、実際入っていくことは事実だと思うんです。徐々に、交流と言うんでしょうか、この意義が深まっていくと、私は思います。一気にこうというわけにはいかない面もあるんだと思うんです。そういうように、担当の課長ともよく話をいたしております。

記者)
 今日、4月1日ということで、改正民法の施行になると思うんですけれども、成人年齢が18歳になって、文科省が、高校生で18歳の成人の生徒さんが出るということになると思うんですけれども、で、そうすると、消費者犯罪被害ですとか、退学届を自分の判断で出せたりとか、いろいろ変化があるのかなと思うんですが、18歳の高校生の成人に対するメッセージであったりとか、文科省のそういった懸念に対する対応のご予定があれば可能な範囲でお答えお願いいたします。

大臣)
 これについては、私自身は思っておるということ、当然18歳からの、成年年齢引き下げになりますので、私は、大きくは、様々な社会のことについて理解を深めなきゃならないということを思っています。一番の、やはり責任というのは、当然、契約は自分でできるということになってまいりますから、契約そのもの、契約を結ぶということはどういうことかということも考えなきゃいけませんでしょうし、当然、損害賠償の責任云々ということも出てくるといった話も、これも考えていかなければいけないという、あらゆる面で、そういう金融のことであるとかですね、あるいは、私は、近い将来には年金のような問題についても、要は、ある種18歳からにしたということは、主権者教育的な意味合いにおいても、自分と社会の関わり合いというものを深く考えていただきたいということ、そのことを私は強く求めるところでございます。多くを語ったら裾野が広がる話でございますので、そのように考えております。きちんと、自分の、18歳から投票できますから、投票権は行使して、社会をよく考えていただきたいという、その願いでございます。

(注)「昨日」と発言しましたが、正しくは「一昨日」です。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室