末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年3月15日)

令和4年3月15日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

北京2022冬季パラリンピック競技大会、「戦略的創造研究推進事業」等の令和4年度戦略目標、GIGAスクール特別講座~宇宙をのぞいて、世界を知ろう~、学校における新型コロナウイルス感染対策について、H3ロケット開発の今後の見通し

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年3月15日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年3月15日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年3月15日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から3件でございます。
 まず1件目です。一昨日13日に閉幕しました北京パラリンピックにおきまして、日本代表選手団は、金メダルを4個を含む計7個のメダルを獲得されました。選手の皆さんが自身の限界に挑戦する姿は、多くの国民に勇気と感動を与えていただきました。本当に感謝を申し上げます。また、選手それぞれが個性を生かしながらプレーをする姿は、多様性を認め合う共生社会のあるべき姿を示してくれたと思ってございます。コロナ禍、そして、ロシアによるウクライナ侵略という緊迫した状況下での大会となりましたが、全力を尽くした選手の皆さん、選手をサポートいただきましたすべてのスタッフの皆様方に、心より敬意を表したいと存じます。文部科学省といたしましては、引き続き、我が国の国際競技力の向上に向けまして全力で取り組んでいくとともに、障害の有無に関わらず、国民の誰もがスポーツに親しめる社会の実現に向けた取組を推進してまいりたく存じます。
 2件目です。イノベーションを生み出す基礎研究を戦略的に推進するため、文部科学省では、毎年、科学的価値や経済・社会的インパクト等に関する議論を踏まえた戦略目標を定めまして、当該目標に基づきまして、JST(科学技術振興機構)の「戦略的創造研究推進事業」等を推進をいたしてございます。このため、令和4年度の戦略目標として、3つの政策の柱をもとに、6つの目標を決定いたしましたのでご報告いたします。3つの政策をもとに6つの目標です。その目標でありますけれども、具体的には、1つ目は、計測・解析技術の革新などによります研究基盤の強化、2つ目は、物質循環を可能とする資源化技術など、「総合知」の活用による社会課題の解決、3つ目は、老化の原理解明など、将来の健康長寿社会の形成といった内容を設定いたしてございます。本年4月以降、これらの戦略目標に基づきまして、JST等において公募が開始される予定であります。幅広い分野の研究者の皆様の結集と融合によりまして、イノベーションの源となる研究成果が創出されるよう、多くの方々から意欲的な提案を期待をいたしてございます。詳細につきましては、また、担当課にお問い合わせいただけたらと存じます。
 3点目でございます。GIGAスクールです。3件目は、GIGAスクール特別講座についてです。これまで、「宇宙」「南極」「深海」などをテーマに実施をいたしてまいりましたが、今回、第4弾として「天文」をテーマに実施をすることといたしましたのでお知らせ申し上げます。具体的には、5月24日(火曜日)15時から、「GIGAスクール特別講座~宇宙をのぞいて、世界を知ろう~」、これを実施をいたします。参加者には、ハワイ島にあります国立天文台のすばる望遠鏡が捉えた天体やハワイの星空を、GIGA端末を通じて教室からオンラインで鑑賞いただく予定です。世界最先端の大型望遠鏡とリアルタイムでつながることができまして、またとない機会となりますので、全国の子供たちにぜひ参加をいただきたいというように強く願っております。本講座を通じまして、子供たちに宇宙の魅力を感じてもらうとともに、自分たちが暮らす地球が宇宙においてどのような存在なのか、視野を広げていっていただきたいなと、見つめ直してほしいなという、そういう思いでございます。文部科学省としては、1人1台端末の活用を通じて、子供たちの可能性を広げていくという点で大変重要だと思ってございます。今後もこのような機会の充実に努めていきたいと思います。以上で、3件の冒頭発言、ここで終わります。

記者)
 1つお尋ねします。新型コロナの関係です。11日に、政府のコロナ対策分科会が開かれまして、基本的対処方針の見直しについて、政府からいくつか提示がありました。文科省に関連するものですと、学校の休校は感染状況が極めて厳しい場合に限るという要件の大幅緩和があったようですが、これを踏まえて、今後、現在文科省で定めている休校とか学級閉鎖のガイドラインについて、何らかの見直しをしていくのかどうか、基本的なお考えを伺います。

大臣)
 11日、先週金曜日でございますけれども、極端な大きな変化はないと私なりには理解しておりますが、先週11日(金曜日)に、新型コロナ対策分科会で、今後の第6波対策が議論をされる中で、学校の休校等は、社会経済の負担の観点だけでなく、子供の学びの保障や心身の健康の観点からも、感染状況が極めて厳しくなった場合に限定すべきとの認識が共有されたとの報告は受けてはございます。そして、こうした認識というのは、2月4日のコロナ分科会の提言とか、あるいは、それを踏まえた政府の基本的対処方針において既に示されているところでありまして、文部科学省としては、衛生管理マニュアル等で周知をしているものでございます。従来からの認識には大きな変更ないように承知をいたしております。このためですね、臨時休業につきましては、引き続き、各学校の設置者において、文部科学省から示しているガイドライン等を参考に、必要な範囲、そして期間で機動的に実施をしていただきたいというふうに思ってございます。大きな変化というのは、変更というのは、私は、直接は汲み取ってはいないんですけれども。
 担当者はよろしいですか。

事務方)
 補足します。今、臨時休業の考え方については、分科会の議論と文科省の対応は、今、大臣がご説明させていただいた通りでございます。活動の緩和ということにも、お尋ねかと思いますけれども、政府全体の検討を踏まえて学校でどのような対応がされるのか、引き続き、検討してまいりたいと思っております。

記者)
 宇宙関連で、ちょっと1点、お伺いしたいんですけれども。先日、一部報道で、JAXAが今開発中のH3ロケットに関して、政府の宇宙政策委員が設計の見直しをJAXAに求めたというニュースがありました。それに対して、大臣の受け止めと、文科省として今後どういう対応をしていくか、そして今後の見通しなどありましたら教えてください。

大臣)
 新聞社の1社の方が取り上げられたことは聞いておりますんですけれど。3月6日の新聞のことですね、H3ロケットのことですね。あの、2月15日にですね、開催された、内閣府の宇宙政策委員会におきまして、H3ロケットの開発状況について文部科学省から報告を行い、今後の開発方針に関する議論が行われたことは聞いてございます。その際、委員から、H3ロケットの技術的課題への対応について、当初予定をしておりました開発方針に加え、設計変更も含めた、バックアップの対応策について並行して検討すべきとの指摘があったとの報告を事務方から受けました。加えて、委員からは、宇宙政策委員会においてですね、このH3ロケットの開発状況を今後しっかりとフォローしていくとの旨の発言があったことも承知をいたしております。H3ロケットは、我が国の宇宙活動の自立性確保及び国際競争力強化を実現する上で極めて重要なロケットであります。文部科学省としましては、JAXAとも連携し、宇宙政策委員会の議論を踏まえながら、その開発にしっかりと取り組んでいきたいと、そういうことが私の回答でございます。そうですね、補足としては、回答は、私、今のお考えを申し上げさせていただきました。

記者)
 課長からちょっとお話があったんですけれども、新型コロナの関係で、まん延防止等重点措置が、多くは、次回の期限で解除されるというような見方も出ていると思うんですけれども、そうした場合に、学校で、今、感染レベルに関わらず、リスクの高い合唱ですとか管楽器の演奏とかは控えたほうがいいというので一応出していると思うんですけれども、重点措置が解除されたら、この辺は、もう緩和していくことも必要なのかなと思うんですけれども、学校の感染対策の、さっきの休校基準ではなくて、感染対策の見直しみたいな部分ではどんなふうに考えていらっしゃるかお願いします。

大臣)
 運動で組み合ったりしないこととか、合唱で、大きな声ですね、出さないようにということですね。新型コロナの新規感染者数は、全体として概ね減少傾向にございます。依然として多くの感染者が確認をされておりまして、地域の事情に応じた感染症対策を継続していく必要があるということは、私は確かなことだと思うんです。文部科学省では、これまで感染リスクの高い教育活動につきまして、感染が急速に拡大している状況では、基本的に控えること、感染が拡大していない地域においても慎重に実施を検討することということを示してまいりました。また、感染収束局面におきましては、可能な限り感染症対策を行った上で、感染リスクの低い活動から徐々に実施をすることを検討をして差支えないということも示してございます。これらの取扱いは、卒業式を迎えるタイミングであるからといっても変わるところではございません。いずれにしましても、卒業式、入学式、学校行事は、子供たちの学校生活に潤いとか変化とか秩序をですね、与えまして、思い出に残る有意義な教育活動であります。地域の感染状況を踏まえた上で、感染対策の確実な実施、そして、保護者等の理解・協力を前提に、開催方法を工夫するなど、その実施に向けまして適切に対応いただきたいというふうに、そのように考えておるところであります。従いまして、まだ、きちんとした、現状をよく踏まえた上で、現場での判断というのはございます。

(了)

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