末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年3月11日)

令和4年3月11日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

留学生円滑入国スキーム、ウクライナ情勢と留学生への支援、こども基本法案、ロシアとの文部科学省所管の国際共同研究事業

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年3月11日(金曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年3月11日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年3月11日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件でございます。
 留学生の受け入れを優先的かつ着実に実施するために「留学生円滑入国スキーム」を設けると申し上げておりましたが、本日より、文部科学省及び出入国在留管理庁により設置されるサポートセンターにおいて、申請受付を開始をいたします。本スキームは、フライト毎の一般枠の外で、平日月曜から木曜日の空席を利用するものでございます。これによって、1日7,000人を上限とする一般枠に上乗せして、留学生が搭乗できるようになります。申請に当たりましては、その情報につきましては、昨日、3月10日ですが、大学等の受入機関向けに説明会を実施をしまして、丁寧な説明をさせていただきました。これらの情報は、本日の午前中を目途に文部科学省のホームページにも掲載する予定であり、掲載次第、申請受付を開始をいたします。文科省といたしましては、本スキームをご活用いただくことになりまして、4月から開始される新学期に向けて、留学生の皆さまが着実かつ円滑に入国できるように全力で取り組んでまいりたいと思います。1件、以上でございます。

記者)
 お尋ねします。ウクライナ情勢に関してですが、日本政府が、ロシアの在留邦人に対して速やかに出国するよう、今、要請をしています。ロシア国内に滞在している日本人留学生の現状と、そういった留学生が、今後、出国するに当たって、文科省としてどのような支援をお考えかというのをお尋ねします。

大臣)
 現時点のことになりますけれども、ロシアにおけます文部科学省関係機関の職員、そして、日本人留学生の在留状況及び安否につきまして、各関係機関を通じて確認を行ってきたところでございます。で、モスクワの日本人学校及びサンクトペテルブルクの補習授業校につきましては、8日(火曜日)時点で派遣教師14名の無事を確認しているとともに、児童生徒全員の安全確認をしてございます。このほか、昨日10日(木曜日)18時時点で、所管独立行政法人の職員や大学等の職員及び留学生など、文部科学省関係機関に所属する日本人につきましても、合計74名がロシアに在留していることを確認をしているところでございます。例えば、教職員が7名おられます。そして、文部科学省では、こうした関係機関に対しまして、外務省の発表を受けまして、ロシアに在留する日本人がいる場合は、商用機による出国を検討するよう呼びかけるとともに、所属機関に必要に応じてサポートを検討するよう依頼しているところであります。引き続き、情報収集に努めまして、その安全確保について、現地邦人保護を担当いたします外務省ともよく連携し、必要な対応に努めてまいりたいと存じます。また、我が国におられる留学生につきましては、国籍にかかわらず誹謗中傷の対象となってはならないという考えであります。文部科学省としては、これまでも法務省と連携をしまして外国人留学生等の人権擁護を推進してきたところでありますが、大学等におかれましても、適切に対応いただきたいと、そのことを強く願っております。

記者)
 冒頭、留学生の関係でお尋ねしたいんですけれども。2点あって、1点は、昨日の夜ぐらいから一部で報道が出ているんですけれども、困窮する留学生に対して10万円の給付をすることを政府が決めたみたいな報道が出ているんですけれども、この事実関係をお伺いしたいのと、留学生の受け入れスキームが今日から始まるということなんですけれども、3月以降の受け入れ再開で、現状、どれくらい入れているのかというのと、いつぐらいまでに留学生の受け入れが、希望する方がどれくらいいて、いつ頃までに完了できるかという実績と見込みの部分をお話しいただける部分があればお願いします。

大臣)
 最後の部分は、正確に、ちょっとまだ、お答えできないかもしれません。まず、昨日、報道があったと思います、私も見ておりました。水際対策の緩和に伴って、入国して、経済的に苦しい外国人留学生への支援のため、10万円の支給の話ですね、この指摘の報道についてはもちろん承知をいたしておりますが、外国人の留学生のみを対象とした給付といった事実ではないのです、これは。通常、日本人の大学生さんもお受け取りになられる件になる給付金でございます。ご存知の通り、文部科学省では、令和3年補正予算におきまして、新型コロナウイルス感染症の影響で厳しい状況にある学生に対して、現金を支給する学生の学びを継続するための緊急の給付金を実施をしておりまして、この制度は留学生も対象としてございます。本制度につきましては、既に3月1日を締切りとして二次推薦まで実施をしたところですが、期日までに申し込めなかったという声もあることから、支援が必要な学生等に確実に給付金が行き渡るように、届くようにですね、第三次推薦を実施することとしまして、今週水曜日、令和4年の3月9日に、各大学へ周知を行ったところでございます。留学生を含めまして、対象となる学生の皆さんに、ぜひ、所属の大学等に相談をいただきたいと、そのように考えております。そういうことで、その、日本の学生さんも留学生さんも同じであるということでございます。それと、1日から水際措置が緩和されたがそれ以降の留学生の受け入れの状況如何、なのですけれども、今ちょっと申し上げたんですが、実は、留学生を含めた外国人の具体的な入国状況につきましては、出入国在留管理庁で把握をしておりまして、そのように、今、理解しております。従いまして、文科省としては、留学生の円滑入国スキームをご活用いただくことなどによりまして、留学生の皆さんが着実に円滑に入国できるように、そのことに全力で取り組んでおりますので、数等につきましては、まだ、ここで把握をしておりませんので発表ができないという状況です。見込みの話として、分かる範囲までを申し上げます。5月末までに待機留学生を全員受け入れるとの報道もありますが、ということで、その事実につきましてですけれども、これにつきましては、今申し上げたと思うのですけれど、これに加えまして、一般の入国枠でも平日1日1,000人程度、ビジネス客の利用が多い週末、金曜日から日曜日は、週に2,000人程度が入国できると仮定した場合ですね、枠外と合わせて1週間で1万人程度の留学生が入国できるのではないかというように考えております。また、文部科学省で調査をしました結果、現時点で11万人の待機留学生が現在も入国を希望しておられます。そのように考えてございます。本スキームを最大限活用することによりまして、5月までの間に、待機留学生は相当程度入国できるのではないかというように、そういうところでございます。

記者)
 「こども基本法」について伺いたいと思います。昨日、自民党の実現会議で、「こども基本法」の骨子素案が了承されまして、公明党との与党協議に付されるとともに、衆議院の法制局で条文作成の作業が始まったということであります。この条文、骨子案を拝見しますと、中身は子どもの権利条約の一般原則とされている4つの権利というのがきちんと基本理念として置かれてまして、国や自治体の責務ですとか、企業や国民に努力を求めるということをうたっております。こういう、まずあの、こどもを真ん中においた法律が日本の中で初めてきちんと整理されるということについての受け止めですとか、また、こういう法律ができることによって、学校教育や教育行政についてどんな影響があるとお考えなのか伺えればと思います。

大臣)
 「こども基本法」につきましては、昨日、部会が各党あったんですかね、与党側が、ちょっと、話は聞きました。自民党において、どのような内容を明記するか等については、様々な観点から、まだ、議論が続いているというように承知をしております。私はそのように、私は出ていませんので、報告しか受けておりませんから。このため、内容については、現時点でお答えをするのはですね、控えたいと思うんですけれども、教育を所管する立場の者としては、よく使われる言葉ですけれども、こどもを真ん中においた議論が深まること、ここに尽きると、意義はそこにあるというふうに、そのように考えて、私としては、党の議論というものを注視していくという、3日前の委員会での答弁と全く変わってはございませんので、しっかり注視をしていきたいなと思うんです。各党の中で議論されている「こども基本法」の中でですね、例えば「子供の意見表明権」とかありますけど、これについても、いろんな議論がなされておると。教育基本法におきましては、主体的に社会の形成に参画してですね、その発展に寄与する態度を養うことが教育の目標とされておりまして、子供の年齢や、あるいは発達段階に応じて意見を表明すること、教育上、私は大変重要であると思いますけれども、いずれにしましても、ここのところは、やはり、党の議論を注視して、どういうまとまり方をされるのかということは、政府側として、文科大臣として、そこはしっかり見ていきたいという、そのように考えております。

記者)
 ウクライナ情勢に関連して、ヨーロッパでは、大学や研究機関が、ロシアとの共同研究について禁止をしたりとか停止をするというふうな動きが広がっているという報道がなされておりますが、日本では、ロシアとの共同研究について何らかの動きがあるのか、もしくはどんなふうなことになりそうなのか、見通しをお聞かせいただければと思います。

大臣)
 文科省の所管部分だけはこうであるということはお答えできると思うんですけれども。今、お話の通り、欧州ではですね、EUが、国際共同研究支援のうち、ロシアへの資金の支払いがあるものについて、支払いを停止するといった動きがあることは承知をしております。なお、現在、文部科学省所管の国際共同研究事業におきましては、欧州のように、資金をロシアに対して支払っている案件はないはずです、ないところです。いずれにせよ、文部科学省としても、引き続き、現地の情勢であるとか、各国の動向を注視しながら、状況を見極めて、関係省庁とも連携の上、今後の事業の取扱いについては適切に対応していきたいと、そういうように考えているところでございます。とりあえず、現段階では、そこまでのお話でございます。

記者)
 確認ですが、欧州では、支払いみたいなものがあるということは承知されているけれども、日本ではないということでよろしいでしょうか。

大臣)
 EU、例えば欧州委員会が、国際共同研究支援のうちですね、ロシアへの支払いがあるものについて支払いを停止するという動きがあることは承知をしておるんですけれども、文科省所管の国際共同研究事業において、欧州のように資金をロシアに対して支払っている案件がないというように、私は、聞いておりますんですけれども。私も、念のため確認をいたします。
 事務方、間違ってはいけませんので。

事務方)
 今、末松大臣からおっしゃっていただいたように、文科省における国際共同事業につきましては、ロシアの方に直接資金を支払っているものはございません。

(了)

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