末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年2月25日)

令和4年2月25日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案、国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律案、教育進化のための改革ビジョン、ウクライナ情勢と留学生の安否について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年2月25日(金曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年2月25日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年2月25日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から2件でございます。
 1つ目、教育免許法の、第一部改正法案及び国際卓越研究大学法案の閣議決定についてでございます。本日、文部科学省から今通常国会に提出する2本の法律案が閣議決定をされました。1本目は、「教育公務員特例法及び教育職員免許法の一部を改正する法律案」でございます。近年、社会が急速に変化し、学校現場でも様々な課題への対応が求められております。また、各地域の課題に応じた体系的な研修や、オンラインの活用が急速に広がるなど、研修環境が変化をいたしております。こうした中、教師の学びも変わる必要がございます。変化を前向きに受け止め取り組む主体的な学び、個々の教師のニーズ・課題に対応した個別最適な学び、単に知識技能の習得ではない、教師間での協働的な学びなどが求められております。このため、新たな研修システムへの移行を通じて、これからの時代に必要な教師の学びを実現するとともに、教員免許更新制を発展的に解消するため、今国会に本法案を提出することといたしました。文部科学省として、教師の質向上をしっかりと進めてまいります。2本目は、「国際卓越研究大学の研究及び研究成果の活用のための体制の強化に関する法律案」でございます。近年、欧米のトップレベル大学が豊富な資金力を生かして高度な研究基盤の構築などを進めている中、我が国の大学の研究力は相対的に低下をいたしております。こうした資金力の差を埋めるため、本法案は、国公私ですね、国立・公立・私立です、国公私の設置形態に関わらず、世界と伍する研究大学となるポテンシャルを有し、改革を行う大学に対し、集中的に大学ファンドから助成を行う等の制度を定めるものでございます。大学自身の明確なビジョンの下、研究基盤の抜本的強化や若手研究者に対する長期的・安定的な支援を行うことによりまして、世界に伍する研究大学の実現につなげてまいりたいと考えております。今後、国会においてこれらの法律案についてしっかりと説明を行いまして、ご審議をいただいて、速やかに成立をさせていきたいと、そのように思ってございます。よろしくお願いを申し上げます。
 2つ目でございます。2つ目は、これは私の方からなんですけれども、「教育進化のための改革ビジョン」についてでございます。後ほど、また、総合政策局の方から説明があろうかと思います。「教育進化のための改革ビジョン」についてです。これから国会でも本格的な議論が始まることから、文部科学省としては、何を重視し、どんなことに取り組もうとしているのかをお示しすべく、本日、「教育進化のための改革ビジョン」を公表いたします。基本理念は次の2つでございます。1つは、誰一人取り残さず、個々の可能性を最大限に引き出す教育。2つ目は、教職員が安心して本務に集中できる環境。この2点でございます。具体的には4つの柱で進めていきたいと考えております。1点目は、「『リアル』×『デジタル』の最適な組合せによる価値創造的な学びの推進」でございます。GIGAスクール構想を進めてきましたが、コロナ禍では、学校行事や学校外の活動が制約され、特に経済的に困難を抱えるご家庭では、体験機会が少なくなっています。デジタル時代だからこそ、実体験して学ぶことの価値を再認識し、「リアル」と「デジタル」の最適な組み合わせによる価値創造的な学びを推進をいたします。さらに、これはよく出る話なのですけれども、さらに文系・理系の枠に捕らわれない探求的な学びや教科横断的な学びを大学・企業とも連携して推進していきます。2点目は、「これまでの学校では十分な教育や支援が行き届かない子供への教育機会の保障」でございます。従来の教育政策は、障害のある子供や、不登校の子供や、困窮家庭の子供や、特異な才能がある子供や日本語指導が必要な子供への対応が必ずしも十分でない面がありました。どのような状況にある子供も取り残さず、寄り添っていくための施策の拡充を図ってまいりたいと、そのことを検討します。3点目は、「地域の絆を深め共生社会を実現するための学校・家庭・地域の連携強化」であります。少子化や核家族が進む中で、現代の子供たちは豊かな体験の絶対量が不足しております。コロナ禍で、この傾向に拍車がかかっています。異年齢交流やボランティア、職業体験、介護体験、人と関わる機会の拡充を、学校を核とする教育システムに組み込むことが大変重要だと思います。具体的な仕掛けとして、令和4年から5年、6年度、令和4年から6年度を重点期間としてコミュニティ・スクールの導入を加速させます。また、経済団体とも直接対話し、企業やNPOを学校の活動に本格的に巻き込む大きな流れを作ってまいります。4点目です。「教職員が安心して本務に集中できる環境整備」でございます。本日閣議決定しました教育公務員特例法や教育職員免許法案は、近く国会で審議いただきますが、それと同時に、デジタル技術の活用を含め、研修を高度化する方策や、校務の情報化をはじめとする働き方改革を具体化するためにも、私の下に「学校DX推進本部」を設置し、強力に進めてまいります。具体的な取組につきましては、後ほど、詳細を事務方から資料を配付して説明させますが、これからの、4つの柱に従って、教育政策を力強く進めてまいりたいと思います。以上、私からの説明でございました。ご報告でございました。ありがとうございます。

記者)
 ウクライナ情勢に関連してですが、ロシアが、昨日、ウクライナへの軍事作戦の開始を発表しました。文科省が把握されていますウクライナへの留学生の数、安否、また、この事態がもたらす留学へのご懸念など、大臣のご所感がありましたら教えてください。

大臣)
 昨日でしたけれど、予算委員会中に、ウクライナへの侵攻が、一報が届いたわけなのですけれども、この度のロシアのウクライナ侵攻については、日本人留学生の安全の観点からもですね、深く憂慮をいたしてございます。昨日、官房長官から発表がありました通り、2月21日時点で確認されているウクライナの在留邦人は約120人ですが、その中に日本からの留学生が含まれるかは現時点では不明でございます。なお、日本学生支援機構の奨学金を受けて留学している方は、ウクライナにはおられないというように確認をしておるところでございます。文部科学省としましては、引き続き、情報収集を行います。日本人留学生が在留していた場合の安全確保につきましては、現地で邦人保護を担当する外務省ともよく連携をしまして、必要な対応に努めてまいりたいと思います。

記者)
 先ほど閣議決定された教職員免許法なんですけれども、これ、先週の自民党の政調審議会ではすんなり了承されませんで、月曜日に、次官以下の幹部が勢揃いして再度説明されて了承されるという展開になりましたけれども、この受け止めとですね、こうした与党との間のコミュニケーションによって、例えば研修の履歴の管理ですとか、実質的なスタートの時期などの、そういった運用面で何らかの修正などを行うお考えというのはおありなんでしょうか。

大臣)
 15日にですね、開催されました自民党の政調審議会で、部会の後の政審、総務で上がっていきますけれども、自民党のこの政調審議会において、教育公務員特例法と教育職員免許法の一部を改正する法律案が再度審議を行うことになったということは伺ってございます。そのため、22日ですね、1週間後の22日(火曜日)に、政調審議会及び総務会において、改めて丁寧に説明し、了承されたと報告を受けております。自民党の会議でありますので、内容の詳細については、事後であっても、言及することは一応差し控えておきたいと思います。党と政府でございますから。今、お話にありましたけれども、法案の内容には、変更もございません。いただいた意見は尊重させていただきたいと思うのですけれども、進め方とかですね、これからやろうとする具体施策についても、留意する点はありましても、大きく変わるものは私はないというように、そのように考えております。運用につきましても、文部科学省として、現時点の考え方について説明し了承いただいたところでございますので、これからいろんな意見が、今後審議する中で、出てまいりますので、その点については、十分耳を傾けたいというように思ってございます。骨格は、変わることは全くないと思います。研修履歴につきましても、そうですね。来年の4月1日から、この制度に沿って進めてまいりますので、そういう状況です。かなり大勢の方々は、了とするというご意見もあったというように伺ってございますので。

(了)

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