末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年1月21日)

令和4年1月21日(金曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

海洋研究開発機構及び国立特別支援教育総合研究所の視察、文化審議会答申と今後の対応について、鳥取県公立小学校における少人数学級の取組について、大学入学共通テストの難易度について、新型コロナ変異ウイルス感染拡大と学校での対策について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年1月21日(金曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年1月21日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年1月21日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から1件でございます。
 今月18日(火曜日)、横須賀市にあります海洋研究開発機構と国立の特別支援教育総合研究所を訪問をいたしてまいりました。海洋研究開発機構では、GIGAスクール特別講座の第3弾でございます「教室から深海探査につながろう!」ですね、これを視察をいたしました。会場には、地元の小学生が来られたほか、特別講座中にクイズを行いまして、全国から、オンラインで24,000件を超える回答が寄せられたと聞いてございます。深海で、クイズは、トマトと卵とボール、どれが壊れるかという調査でありますので、また記者の方に傾聴したいと思います。そして、特別講座では、子供たちが海洋プラスチック問題の解決策を発表するなど、意欲的に学ぶ姿を見ることができ、大変印象的でありました。本講座を通じて参加をいただいた全国の子供たちには、深海の魅力を感じてもらうとともに、海が抱える問題について理解を深めていただきたいとそのように考えております。あわせて、海洋機構を視察をしまして、海洋生物をはじめとする海洋分野の専門家とも懇談をいたしたところです。研究船や無人探査機等の実物を前にして説明をいただきまして、海洋科学技術の重要性について理解が深まったところであります。次に訪問しました国立特別支援教育総合研究所では、特別支援教育の専門的な研究や研修に関する話を伺うとともに、関係者の皆さまと意見交換を行ったところであります。また、障害のある子供一人一人の教育的ニーズに対応するため、様々な教育支援機器を実際に試すなど、大いに理解を深めることができました。そして、今回の視察を通じまして、海洋科学技術の発展や、1人1台ですね、端末環境における学習機会の充実と、特別支援教育の充実の重要性を改めて認識をしまして、更なる発展に向けまして、意欲を新たにいたしたところでございます。引き続き、積極的に現場の声に耳を傾けてまいりたいと、そのように思います。以上、私からでございます。

記者)
 2点、お伺いします。世界遺産の国内推薦候補に選ばれていた「佐渡山の金山」について、政府がユネスコへの推薦を見送る方向という報道がされています。党内でも反対の声等が上がっていると思いますけれども、大臣の受け止めをお願いいたします。というのと、昨日、鳥取県の方で、全学年を対象として、30人学級の導入案を知事が発表しました。全学年での30人学級は全国初ということですけれども、これも、改めて大臣の受け止めをお願いいたします。

大臣)
 「佐渡島の金山」についてのユネスコへの推薦を見送ることを政府として現時点で決定した事実というものは承知をいたしてございません。いずれにしましても、文化審議会が、「佐渡島の金山」を世界文化遺産候補として選定する旨答申したことを受けまして、登録を実現する上で、何が最も効果的かという観点から、政府内で総合的な検討を今行っております。それ以上の詳細についてお答えすることは差し控えておきたいと思います。
 続きまして、鳥取のことであります。このご指摘の取組につきましては、鳥取県から、現在、小学校の30人学級化に向けて調整が進めていると伺ってございます。何度も、平井知事とお会いする機会が多いんですけれども、自治体による公立小学校の、小中学校ですね、少人数学級の取組は、これまでも全国的に行われております。鳥取県におきましては、県独自の措置や、国の加配定数も活用しながら平成24年度から小学校35人学級を実現しております。昨年の国の学級編制の標準の引下げに伴いまして、更なる少人数学級の取組を検討しているところでございます。今回、鳥取県が検討している取組は大変意欲的なものであるというように受け止めてございます。こうした少人数学級の取組も含めまして、専科指導教員の充実やいじめとか不登校などの教育課題への対応など、地方独自の措置による教育環境の充実も重要でありまして、文部科学省としても、引き続き、教育予算の充実に向けまして、しっかりと取り組んでまいりたいと、そのように思ってございます。以上です。

記者)
 大学入学共通テストについて質問します。大学入試センターから平均点の中間発表があり、数学IAなど6科目でこれまでの過去最低を下回るなど、非常に難しくなった結果でした。適切な難易度ではなかったとの見方も出ていますが、今回の結果についてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。また、今後について、センターと協議して対応していくようなお考えはありますでしょうか。

大臣)
 私も、試験問題をちょっと拝見をいたしました。秘書官と一緒に見たんですけれども、大学入学共通テストは、各教科・科目の特性に応じまして、知能・技能のみならず、思考力、そして、判断力、表現力等も重視して評価を行うものでございます。私としては、全体的に、授業での学習のプロセスや日常生活の場面を題材にした問題とか、あるいは様々な資料や図から複数の情報を読み取って、活用する能力の問題など、単なる暗記再生型の出題ではなくて、共通テストが意図する能力が、問う点がより明確になっているなという、我々の時代というのは、非常に押込み型・暗記型で回答していくというのが多かったのですけれど、そうでなくなって新しい流れができています。いずれにしましても、難易度を含めまして、共通テストの目的に沿った出題がなされたかどうかという点については、最終的には、大学入試センターにおける自己点検・評価、そして、高校の教員による第三者評価ですね、ここにおきまして、専門的な評価がなされることになっております。大学入試センターにおいては、そうした評価結果を踏まえて、更なる良い設問が作成できるようにですね、努められることを期待をいたしてございます。スケジュールについては、令和4年の2月上旬に、問題評価・分析委員会の開催から始まるという、そのように聞いてございます。最終的には、6月に評価結果を公表したいと、そういう考え方でございます。

記者)
 新型コロナの関連でお尋ねします。オミクロン株ですが、今回、従前に比べて、子供感染者が非常に多いと言われています。文部科学省は、昨年8月に、学年閉鎖とか学級閉鎖についての基本的な考え方を示したガイドラインを出されていますが、現状を踏まえた上で、何らかの追加、見直し等をするお考えがあるかどうか伺います。

大臣)
 現在、社会全体の感染者数の増加に伴いまして、児童生徒等の感染も急激に増加していることを認識をいたしております。感染性が高いと言われていますオミクロン株につきましてですが、国立感染研究所は、基本的にはですね、感染予防策は従来と同様としておりまして、これは、何度も会見でも申し上げましたけれども、3密の回避と、これはもう会話時のマスク、あるいは手洗い、換気ということを、これを徹底するようにお願いいたしております。そのため、各学校におきましては、引き続き、学校の衛生管理マニュアルなどを参考に感染症対策を徹底していただきたいというように思っております。その上で、学校内で感染が発生した場合には、文部科学省から周知しているガイドラインも参考にですね、学年単位や、あるいは小さい学級単位など、必要な範囲で臨時休業を行うことも検討いただきたいというように思います。また、学校を臨時休業する場合は、ICTを活用するなどとしてですね、学習が続けられるようにすることが重要でありますから、文部科学省より各学校設置者に対して、そのための準備を、取り組むように促しているところでございます。ご質問のガイドラインの改訂等につきましては、今後とも、オミクロン株について新たな知見が得られれば、速やかに検討していきたいと思います。現段階においては、今、検討するには至ってはございません。以上でございます。

(了)

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