末松信介文部科学大臣臨時記者会見録(令和4年1月15日)

令和4年1月15日(土曜日)
教育、その他

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大学入学共通テスト受験者が刺された事案を受けた対応について

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年1月15日(土曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の臨時記者会見の映像です。

令和4年1月15日末松信介文部科学大臣臨時記者会見

令和4年1月15日末松信介文部科学大臣臨時記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 今日は土曜日でございますのに、急遽お集まりをいただきまして恐縮です。ありがとうございます。
 本日、東京大学本郷試験場の構外で受験生2名と一般男性1名が切り付けられるという事案が発生をいたしました。このような事案が発生したことは誠に遺憾でございます。被害に遭われた方の一日も早いご回復をお祈り申し上げたいと存じます。文部科学省、そして大学入試センターでは、被害にあった受験生の容態をまず見守りつつ、受験生本人の意向等も踏まえながら、今後の対応について検討いたしてまいります。本日午後からの試験以降について、受験生の皆さんが安全で落ち着いて受験に臨めるよう、試験実施者である大学入試センターから各大学に対しまして、直ちに試験場の警備に対する一層の注意喚起を周知をいたしました。また、全国の試験場の周辺の更なる安全対策と、そして連携強化につきまして、文部科学省事務次官から警察庁長官、中村長官に要請をいたしたところでございます。私も二之湯智国家公安委員長に、受験生の安全確保に努めてほしい旨、要請をいたしました。二之湯国家公安委員長からは、警察庁長官を通じて、各都道府県の生活安全担当にその旨、改めてご指示をいただいたところでございます。マスコミの皆さん、共通テストは明日も続いてございます。受験生が動揺しないように、今回の件につきまして、受験生への取材は、極力控えていただくよう格段のご配慮のほど強くお願いを申し上げたく思います。そして、受験生並びに保護者の皆さんは、不安を抱えている方も多いと存じます。大学入試センター、各試験場の大学、警察とも連携をしまして、警備の強化に最大限努めますので、どうか落ち着いて受験に臨んでいただきますようにお願いを申し上げます。とりあえず、私からは以上でございます。

記者)
 今、冒頭発言で、受験生二人のことについて、被害に遭ったですね、今後の対応を検討するということをおっしゃってましたけれども、これが意味するところをちょっと教えていただきたいなと。受験生二人は追試験の対象になるかと思うんですけれども、傷の状態によっては追試験も受けられない事態も想定されますけれども、その辺り、何か救済策は考えてらっしゃるのか、そういったことをお聞かせください。

大臣)
 切り付けられましたお二人の受験生には、今、東京大学の職員が随行いたしております。受験生本人の状況とですね、ご本人の意向をまず確認をしまして、今後の追試験の受験が可能かどうかということも含めまして、受験の機会の確保には、最大限の対応はしたいとは考えてございます。ただ、今日の今日でございますので、今からの、ご本人の、まず、意思確認ということが大事かと思ってございます。それと、状況把握をしたいと思います。そこまででございます。

記者)
 今回、コロナ対応で共通テストが受けられなかった場合は個別試験だけでというような特例措置もとってらっしゃるかと思うんですけど、その対象になってくるような可能性はあるのか。つまり、共通テストなしで個別試験を受けられるような救済策をとるような考えがあるのか、その点はいかがでしょうか。

大臣)
 可能性は、選択肢の一つとしてあろうかと思っております。よく、まず、ご本人の意思確認と、何度も申し上げますけれども、状況の把握をしたいと思ってございます。

記者)
 大臣、冒頭で、国家公安委員長にも警備についての要請をなさったということですが、国家公安委員長から、具体的な対応について何らかのお話はあったでしょうか。例えば、警察官を会場周辺に配置するとか、そういった具体的なことがあればご紹介ください。

大臣)
 国家公安委員長からは、警察庁長官を通じまして、各都道府県の生活安全担当に、安全対策、試験場周辺を中心にですね、安全を確保するためですね、努力するような、その指示をいただいたところでございます。具体的な方策として、こうします、ああします、配備しますという話は返ってきてございません。二之湯国家公安委員長にご確認をいただいても結構かと思います。

記者)
 切りつけられてしまいました受験生二人への対応に関してなんですけれども、ご本人、お二人の意向を確認するということなんですが、お二人の意向、お二人がどのような意向をもってらっしゃるかというお話というのは、まだ現状では聞けていないということですか。

大臣)
 お二人の意向はまだ確認はできておりません。特に、お一人の方は、結構傷が深いように伺ってございますので、それは、現時点では確認ができておりません。

記者)
 あと、警備体制についてなんですけれども、入試センターの方から、全国の大学に要請をされたということで伺っておりますが、具体的にどういった形での強化なのかということで、ご説明いただけますでしょうか。

事務方(審議官))
 本日付で、大学入試センターから全会場大学に事務連絡を発出しておりまして、本日、東京大学において大学入学共通テストの受験者が刺される事案が発生しました。で、もともと定められている実施要領において、試験場の入口等で受験票の提示を求め、受験者以外の者や挙動不審者等の入構防止に努めることとしている通り、引き続き、試験場の警備体制の強化に努めていただきますよう、よろしくお願いいたします、という旨の事務連絡を全会場大学に出したというところでございます。

記者)
 それはですから、従前からされているものを改めて周知したということで、何か追加の対応を求めたということではないということなんですか。

事務方(審議官))
 もともと警備体制をとることになっておりますので、こういう事案が、受けたことを踏まえて、その強化に努めていただきますようお願いしますという事務連絡をしました。

事務方(局長))
 そもそも私の名前でですね、警察庁の警備局長には、昨年の12月14日付だったと思いますが、警備についてのですね、協力要請を既にしているところでございます。

記者)
 警備の強化について1つ確認です。今日明日でもう間に合わないかと思うんですが、例えば、不審者という意味で言うと、持ち物の検査というのは、明日やる可能性、要するにセキュリティをより厳重にするという意味で、今回は刃物が使われたということで聞いていますけど、そういったような検査というのは受験生に対して行う可能性はあるんですか。

大臣)
 私自身も、また、増子局長以下職員もずいぶん検討いたしましたんですけれども、今回の事案は、加害者が受験生ではなくて試験場の構内で発生したものではございません。最初、聞いたときに、構内かなと私も思ったんですけれど。また、手荷物検査について、多くの受験生にとってかなり心理的な負担になってくると。そして、受験者の多い試験場では、検査を行いますとですね、相当の時間を、試験開始が遅れたり、時間を取られます。感染対策上の問題もありますので、実施は極めて難しいと。安全対策でしたら、新幹線だって手荷物検査という話は、安全上の話もあったんですけど、その辺のところはかなり厳しいものがあろうかと思ってございます。いずれにしても、これからの検討ですけれども、相当前から準備しなきゃいけないかなと。そういうことでございまして、警備で対応したいと思ってございます。

記者)
 今回、実際に被害を受けられた受験生以外にも、試験会場でですね、こうした事案が突然発生したということで不安、動揺を抱えられている受験生もいたかと思います。試験自体は予定通りに進められたということなんですが、そういった精神的な動揺とかですね、そういったことを感じられて思うように力を発揮できなかったという受験生もひょっとすると中にはいらっしゃるかもしれないんですけれども、そうした受験生への対応であったり、大臣からのメッセージで、もし何かあればお願いできますでしょうか。

大臣)
 現場に居合わせた受験生の方のショックというのはもう計り知れないものがあろうと思います。まず、我々、やはり、私自身もそうですけれども、まず、心情に寄り添う必要性を重大に感じてございます。今は、明日、引き続き、今も試験をやってますのでね、18時10分まで。明日の試験もありますので、とにかく今は、マスコミの皆さんとか関係者の皆さん、そういった受験生の保護者の皆さん、国民こぞって、まず、この試験が冷静な中でですね、終えられるようにご協力いただきたいということでございまして。そこのところにつきましては、状況の把握を、まず、したいと思います、明日以降について。今のところは、まず、この試験を終えるということに専念したいと思ってございます。お考えのことはよくわかりました、ありがとうございました。

記者)
 再度の確認で恐縮ですが、被害者になった二人の受験生には何の落ち度もないわけですので、受験機会の確保については、大臣としては、最大限の配慮、柔軟な対応をとっていくというお考えでよろしいのかどうか、そこだけ改めてお願いします。

大臣)
 再度申し上げますけれども、二名の方のですね、意思の確認、ご意向、そして状況を、今日明日もう一度、きちっと見守った、状況を見た上でですね、その上で、受験の機会の確保については、最大限の対応をしていきたいということは考えてございます。正式に、まだ、こうしたいということは、そこまでは考え方がまとめてございません。

記者)
 ただ、このことで、その2人が受験できなくなるようなことがあってはいけないというのが大臣のお考えですか。

大臣)
 それは、私は、総合的な判断をするわけですけれど、当然だと思うんですけれどね。よく最大限の検討を加えて、対応をしてまいりたいと思います。

記者)
 今回ですね、加害者が高校生ということで、少年で、自らも教育を受ける立場であるということのようなんですけれども、その事実関係について、大臣から受け止め、お考えがあれば教えてください。

大臣)
 まだ、逮捕されたわけでして、現場で取り押さえられてですね、事情の聴取のときでございますから、私の方からは、コメントは、今差し控えたいと思うんですけど、誠に残念なことであると思います。あってはならぬことであったと、そのことでございます。まず、それ以上のことにつきましては、何らかの事情聴取の結果を聞いて、また、判断、お話を申し上げたいと思ってございます。

記者)
 再三の確認で恐縮なんですけれども、先ほどからおっしゃられている最大限の対応の具体的な内容なんですが、被害に遭われたご本人の意向が受験機会を確保してほしいという内容であるならば、制度的には、先週発表されておられる共通テストを受けられなかった方が個別試験で判定されるなどの複数回にわたる最終的なセーフティネット張られていると思うんですけども、その制度を適用されるというような理解でよろしいのか、まず、お聞かせいただけますでしょうか。

大臣)
 いや、何度も申し上げるように、こういった例というのは今までなかったはずなんですね。感染症のことにつきましては決定した通りなのですけれども、こういった例は初めてのことですけれども、よくその辺のことも念頭に置いた上で、最大限の検討をして最大限の対応を考えたいと思ってございます。総合的な判断が必要ですので。

記者)
 ありがとうございます。それともう1点なんですけれども、先ほどNHKさんの方でも質問があったんですが、直接被害に遭われた2人以外の現場に居合わせた方々、この方々に、例えば、ショックで本来の力が出し切れないというようなケースもある可能性があると思うんですが、その方々に、具体的な、例えば再試験であるとか、そういうようなものは検討していないという理解でよろしいんでございましょうか。

大臣)
 現場に居合わせた方の受験生のショックは計り知れないものがあると思っていることは申し上げました。どういう状況だったかということは、私も、まだ、定かではございません。ただ、心情には、本当に寄り添っていくということが一番大事なことであるということを先ほど申し上げたところでございます。従って、今、試験が続いてございますので、明日、試験も終わった段階でですね、状況の把握をした上で、よくこの問題については考えていきたいと思います。今、ここで、その話につきまして申し上げることはそこまででございます。

記者)
 実施要領の話を先ほど局長もおっしゃっていたんですけれども、基本的に、構内に、人、不審者を入れないとかですね、そういう構内で何か起きないようにということが中心だったと思うんですけれども、今回は構外での出来事ということで、その辺の受け止めと、予想していなかったのかなと思うんですけど、当然ですね、受け止めと、それから再発防止に関してもですね、構内に不審者を入れないようにというところの確認はしているんですけれども、ちょっと構外の対応はなかなか難しいと思うんですけれども、この辺に関しての所感も教えていただければと思います。

大臣)
 構外は、広く一般社会になります。ただ、受験生が集まってくる場所でありますから、余計に気を使わなきゃならないというのは事実でありますけれども、自ずと限界はあるかと思います、そのことは。しかし、構外であっても、やっぱり正門近くは、やはり何らかのですね、注意を施す必要がある、そのことは思います。構内は絶対的なものでありますけれども。
 よろしいですか。もし補足がありましたら、どうぞ。

事務方(局長))
 これまでにもですね、警察庁の方には特段の配慮をしてくれということですが、個別具体的にですね、受験会場の周辺でどうしてくれるかというところまでの話は、まさにこういう事案が起きるということは想定してませんでした。ということで、今後、どういうふうな警備をするかというのはですね、速やかに警察庁ともですね、相談してまいりたいと思っております、個別具体的な点については。

(了)

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