末松信介文部科学大臣記者会見録(令和4年1月11日)

令和4年1月11日(火曜日)
教育、その他

キーワード

新型コロナ変異ウイルス感染拡大下での学びの保障及び受験機会の確保について、高等学校における1人1台端末整備

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和4年1月11日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和4年1月11日末松信介文部科学大臣記者会見

令和4年1月11日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から2件ございます。
 1件目は、オミクロン株の感染が急拡大する中での、学びの保障と受験機会の確保についてでございます。詳しくは後ほど事務方から資料を配付をいたしますが、本日、総理が示されましたコロナ対応の基本的な姿勢のうち、文部科学省部分につきましてご報告をいたします。まず、学校における教育活動の継続についての対応でございます。これまで繰り返し申し上げておりますように、各学校では基本的な感染予防策を徹底するとともに、感染状況に応じまして、時差登校や分散登校も行いながら、対面とオンラインの組合せによります学びの継続を図ることが大変重要でございます。また、国から全国一斉の臨時休業は求めませんが、学校で感染者が出た場合には、設置者が濃厚接触者の特定、そして臨時休業の判断を適切に行えますように、昨年8月に策定いたしましたガイドラインを再度周知をいたします。次に、臨時休業等を実施する学校におけるオンラインを活用しました学習の継続についてであります。切れ目なく学びを継続されますようですね、GIGAスクール構想で整備されたICT端末を最大限活用いたしまして、オンラインによる学習体制の整備と準備を進めてまいりたいと思います。臨時休業等の際の端末の持ち帰り学習の準備ができているかなどにつきまして、速やかに取組状況を点検をいたしまして、公表いたします。高校につきましても、1人1台端末の整備の加速を要請をいたします。次に入学者選抜における対応でございます。まず、大学入試については、一人の受験生も受験機会を失うことのないように、受験生それぞれの状況に応じまして、大学入学共通テストの本試験・追試験どちらもが受験できなかった場合には、個別入試で合否判定すること、個別入試につきましても、現在、約99%の大学が追試や振替受験を設定いたしておりますが、それでも受験機会が得られなかった受験生のために、総合型選抜等によりまして再度の追試の機会を設けることなどにつきまして、全大学に速やかに要請をいたします。また、再度の追試の設定により、志願する大学に入学することとなった者につきましては、入学時期が4月以降になることも可能とすることを合わせて周知をいたします。さらに、高等学校や中学校の入試につきましても、追試験の実施や書類のみによる選考を検討する等、改めて柔軟な対応を各都道府県教育委員会に通知で依頼をいたします。文部科学省といたしましては、オミクロン株の感染拡大の下にあっても、子供たちの学びの保障、受験機会を、確保がなされるように、関係機関や学校とも連携しつつ、最大限の努力をいたしてまいりたいと思います。
 次に、高等学校における1人1台端末整備に関する件でございます。1件目の話とも関連いたしますが、高等学校における1人1台端末に関する私からのメッセージについて申し上げます。これまで1人1台環境、その環境の中で、自分専用の端末で学んできた中学生が、この4月に高等学校へ入学をいたします。こうした中で、中学校までと同じように学べる環境を整備することにつきまして、生徒や保護者からその期待も大変高まってまいっております。また、高等学校では、今年4月から、新しい学習指導要領が実施されるという予定です。そこで、情報活用能力を学習の基盤となります資質とか能力の一つとして位置付けるとともに、情報科における共通必履修科目「情報」(注)においても、すべての生徒がプログラミング等についての学習を開始することとなっております。そういったことも踏まえまして、政府では、昨年12月24日に閣議決定されました「デジタル社会の実現に向けた重点計画」におきまして、高校1人1台端末について、各県の整備状況を国としてもフォローアップし、必要な取組を促すことといたしております。こうした中で、すべての都道府県が1人1台端末を整備する方針を掲げており、緊急時におけるスマートフォンの活用も生徒の学習保障等に利用することも考えられますが、一方で日常的な学習活動を想定しました端末の整備や、一部遅れているところもあることは承知をいたしております。このため、特に設置者の皆様に対しまして、改めて、高等学校における1人1台端末環境の整備につきまして万全を期するようお願いする趣旨で、本日、デジタル大臣との連名でメッセージを発信することといたしております。また、事務方幹部から自治体の幹部の方に直接お願いするとともに、私自身も各県の知事宛にお電話をさせていただいたところでございます。文部科学省としては、全国どの高等学校におきましても1人1台端末環境ができる限り速やかに実現されるよう、必要な支援等を行うことによりまして、今後とも設置者の取組を促してまいりたいと思います。私からは以上でございます。

記者)
 今週末に大学入学共通テストが迫る中ですね、感染者数が増加したのを不安に感じている受験生も多いと思います。大臣から、改めて受験生へのメッセージがありましたらお願いします。あと、また追加で、冒頭でも発言がありましたが、共通テストが差し迫ったこのタイミングでの、いわゆる、共通テストを受けられなかった人は、個別入試で合否判断するように各大学へ要請を出すという、このタイミングでの要請となった理由がありましたらお聞かせください。

大臣)
 2点目につきましては、状況は刻一刻と変わってまいります。それと、1人でも多くの受験生を、絶対に受験の機会を確保するという思いでございますので、最終的な個別の判定ということ、このことを申し上げたわけであります。そのことだけ、ちょっと最初に、2点目のことについて、まず、最初に簡単に触れさせていただきたいと思います。私からのメッセージということでありますけれども、オミクロン株、一旦かなり収束しつつあると思ったところが、年末から急拡大という状況でございます。その中で、1月15日、16日に大学入学共通テストが実施されまして、これから本格シーズンに入るわけであります。それはもう、生徒の皆さん、本当に不安でいっぱいだと思います。受験生を支える、とにかく保護者や高校の先生方、大学受験の場合、先生方、受験生が努力の成果を、十分に存分にですね、発揮できるように、まず、そのサポートを一番に念頭に置いて、我々文科省は、取り組みたいと思っております。文科省としては、皆さんの努力が無駄にならないように、受験の機会を可能な限り確保するという観点から、さっき申し上げましたけれども、大学入試共通テスト本試験の後ですね、2週間後には全都道府県で追試験を行うということになりました。これはもう、従前は1週間だったのが、2週間ちゃんととってございます、これは。また、個別入試につきましても、今話がありましたけれども、させていただきましたけれども、全大学において受験機会の確保を要請しまして、ほぼすべての大学が追試験等を実施する予定ですが、これに加えて申し上げた通り、再度の追試の設定について、全大学に速やかに要請をしたいというふうに思います。万が一不安が生じた場合には、くれぐれも無理をしないようにということを思いますけれども、共通テストとかですね、個別の試験につきましては、万全の態勢で受験生が迎えることができるように、大学入試センターや各大学が感染症のガイドラインに基づきまして準備を進めております。ぜひ、受験生の皆さんには、体調管理を気をつけていただいて、基本的な感染対策をまず徹底していただきたいということ、そして、試験に臨んでいただきたいという、これのみでございます。最大限のですね、セーフティネットはですね、張ることに、できていると、そのように我々考えておるところであります。足らざるところがありましたら更に検討ができればと思いますけれども、今のところは、99%ですね、受験生1人も残ることなくですね、お受けできるんじゃないかなという、そういう期待を寄せております。

記者)
 冒頭発言に関連してお尋ねいたします。本試験と追試験を両方受けられない受験生のために救済措置をということなんですけれども、どういった感染をイメージしているのか。2週間、間を空けるということでは不十分だということなのかということと、あと、共通テストの結果なしに合否判定をすることを求めるということですけれども、国立大学の2段階選抜はどうなるのか、そういった辺りをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

大臣)
 どういう状況であるかということにつきましては、今、この感染の状況、1日8,000人感染拡大しております。昨日はもう少し下がったみたいですけれども、まだ、オミクロン株のですね、株そのものにつきましての分析ができているわけでもありませんし、これから更なる急拡大に向くのかどうかというところをしっかり見ていかなきゃいけないと思うんですね。当然、学校においてもですね。その場合に、何らかの、学校設置者が当然判断するわけですけれども、分散登校であるとか、あるいは臨時的に休校せなきゃならんじゃないかと、学級、学年、学校という順番でですね、そういった何らかの措置を講じていくわけなんですけれども、そういうことを見ながら、当然、こういう受験の機会につきましてはどうなのかということを考えていかないと。社会全体として動きが取れるのかどうかという、その中にもあると思うんです。その中でも大変優先度が高いのが、私は、受験であるという認識をいたしてございます。そういうことでございます。受験の機会につきまして、今、国立大学の共通のあれですか。ご質問の趣旨をもう1回ちょっと言ってもらえますか。

記者)
 前者は、追試験は、2週間空けていれば、仮に本試験を受けられなくても、感染者でも追試験を受けられるという設定だったかと思うんですけれども、それでは足りないというような何かしらの理由が発生しているのかという質問が1点目で、2点目は、国立大学の場合、共通テストの点数で2段階選抜をするという大学もあるかと思うんですけれども、共通テストの結果がないとそれができなくなるかと思うんですが、そこの辺りの手当はどうされるのかということについての質問です。

大臣)
 この点につきましては、各大学の個別入試について、ほぼすべて、99%の大学で、追試又は振替受験を実施予定でございまして、各大学には、受験の機会の確保に努めていただいておるということには変わりございませんです。こうした中ですね、現在、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が増加しまして、今申し上げたように、オミクロン株による感染拡大が、拡大している地域もあると。今後、仮に受験生が、複数回にわたって陽性者や濃厚接触者になってしまった場合であっても、既に用意されている試験日程で受験機会を失ってしまうことがないよう、1人の受験生も取り残さないと思いますから、各大学に更なる受験の機会の確保をお願いをいたしたところでございますので、私、申し上げたいのはそこまででございます、今申し上げているのは。当然、仮定のお話になろうかと思うんですけど、今、ここで明確にちょっとお答えするのはどうかということでございますので。2週間でも駄目な場合は、風邪とかコロナですね、これは感染した場合、そういうことですね、本試験においては風邪であるとか、追試においては、実際にコロナによってですね、感染者の方はお受けすることはできませんし、濃厚接触の方につきましては、以前申し上げた通りで方針が固まっておりますので、そういう状況でございます。今は、そういう考え方に立っております。後日、明確にお答えする必要がございましたらさせていただきたいです。

記者)
 冒頭の入試の関係でお尋ねなんですけれども、昨年も緊急事態宣言下の共通テストで非常に感染が広がっていた中で入試を迎えたと思うんですけど、昨年より今回の方が、ある種、手厚い対応になっているのはなぜなのかというか、今、社会全体に広がっているのは事実だと思うんですが、一方で緊急事態宣言も出てないし、にも関わらずここまで、去年以上の取組をしたということになると思うんですけど、その理由をもう一度伺えますでしょうか。

大臣)
 もう2年目でありますから、当然、昨年も、例えば191人の方が別室で試験をお受けいただいたとかいうこともありましたし、いろんな、我々、学習をいたしてございます。文科省の方も、去年の例に則りまして、今年はより慎重に、しかもより受験生に配慮をしていくという、そういう考え方に立ったと、岸田総理もその考え方は大変お強うございます。それに沿ったものでございます。当然、1年目より2年目の方が、対応については、少し考えをですね、いろんな要素を頭に置いて施策を打ったという、そういうように理解をいただきたいと思ってございます。

記者)
 それで補足なんですけど、それでいくと、年末の、逆に濃厚接触者が受験できないというのを一度出してしまったっていうのとは、ちょっとずれがあると思うんですけれども。

大臣)
 いえ、ですからそれは昨年申し上げましたのですけれども、内部の報告においても、きちっとした説明がない状況の中でご発表されました。岸田総理も、かなり当初、オミクロン株の状況というのは非常に解明できていないで、例えば留学生にしても、そこでも、11月30日をもってもう駄目というような形で絞り込むというかシャットアウトしましたので、相当厳しいものであるという、そういう認識の下に担当課も濃厚接触者の方は難しいという判断をしたわけであって、しかしながら、それからかなり、何週間か経ちましたのでね、3週間、4週間、その中で、一番の問題はやはり、覚えておかなきゃならないのは、1人でも多くの受験生の受験機会を確保するということの観念をもっと上に出すべきじゃないかという話をしたわけでありまして。決して、そこで判断をですね、考え方を、もう少し受験生に対して、有利な考えに立ってあげてほしいという、そういう思いで修正を加えただけでございます。

記者)
 ありえない話かもしれませんけれども、共通テストを2回受けなくても本試験が受けられる、個別試験が受けられるとなると、僕は英語と数学だけは得意だけどあとはみんな苦手なんだ、共通テスト嫌いという人は、共通テストを2回ともパスして受けられるような、そういう抜け道ができるような気もしないでもないんですけど、その辺については。人数も少ないからいないのかなとは思いつつ、いかがでございましょうか。

大臣)
 ご指摘のことは、隙間の隙間を考えればそういう考えも出てくるのかなということを思っておりますのですけれども、日本の受験生、そこまでですね、難しく、私は考えて、受験をするかなということ、もう少しで日本を引っ張っていく受験生、若者でありますから、公明正大、フェアにやっていただきたいという、そのことを私なりに思うところでございます。今、そういうことがあるのかなということを初めて指摘を受けまして。

記者)
 ないかもしれないですけど。

大臣)
 そうですね。ちょっと今、ここには明確なご返答、むしろ私の方は、受験生に正しい方法で、より正しい方法で堂々と受験をしてほしいなという思いでございます。確かにそういう、本試験の場合はそういうことは、大学の科目によってそういう試験を受けていくわけなんですけれども、今こういう緊急のときでありますから、思わぬことが、やはり起き得ることも確かかなということはお認めするところでございます。

(注)「『情報』」と発言しましたが、正しくは「『情報I』」です。

(了)

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