末松信介文部科学大臣記者会見録(令和3年12月28日)

令和3年12月28日(火曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

宇宙基本計画工程表の令和3年度改訂について、令和3年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果、新型コロナウイルスワクチン接種対象年齢の引下げについて、今年1年の振り返り

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和3年12月28日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年12月28日末松信介文部科学大臣記者会見

令和3年12月28日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から1件でございます。宇宙基本計画工程表(令和3年度改訂)についてであります。本日28日、宇宙開発戦略本部会合が開催されました。私も出席をいたしてまいりました。本部会合では、「宇宙基本計画」の着実な実行に向けまして、宇宙基本計画工程表の令和3年度の改訂が決定されたところでございます。文部科学省といたしましては、今回の改訂を踏まえまして、「アルテミス計画」への参画を通じた月面等の探査に必要な技術開発や、日本人宇宙飛行士の月での活躍に向けた宇宙飛行士の募集と選抜、2つ目は、人類初となる火星圏からのサンプルリターン実現に向けました「火星衛星探査計画(MMX)」の推進、そして、3つ目でございますが、抜本的な低コスト化を目指します革新的将来宇宙輸送システムの研究開発などに取り組んでまいります。本部会合では、最後に岸田総理より、2020年代後半には、日本人宇宙飛行士を月面に着陸させる、この実現を図る旨のご発言がございました。この月面着陸の実現を含めまして、我が国が自立した宇宙利用大国となることを目指すとともに、宇宙開発の意義を、国民の皆さんに夢や希望をもって受け止めていただけるよう、今後とも、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。私からは以上でございます。

記者)
 全国体力テストについてお尋ねします。24日にスポーツ庁が公表したテスト結果で、小学5年生と中学2年生の体力合計点が、コロナ禍で下がっていることが明らかになりました。男子については、2008年の調査開始以来、過去最低になったと思うんですけれども、これを受けた文科省及びスポーツ庁の対策についてお願いいたします。

大臣)
 先週公表いたしました令和3年度の全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果によりますと、残念ながら、お話の通り、前回の令和元年度調査と比べまして、体力合計点が小・中学校男女ともに低下をいたしました。このことの主な背景といたしましては、1つは、運動時間の減少、2つ目は、学習時間以外にスクリーンタイムの増加ということですね。スクリーンタイムですから、当然、1日当たりのテレビとかスマートフォンを利用されたりとかゲーム機で遊ぶというようなこと、こういった時間が増加しているということ、3つ目は、肥満である児童生徒の増加などが考えられます。いずれの要素も新型コロナの影響でかなり自宅で過ごす時間が増えたということ、このことが拍車をかけたというように、そういう分析をいたしてございます。また、感染拡大の防止の観点から、学校の活動が制限されていることで、体育の授業以外での体力の向上の取組が減少したことも影響しているものと考えてございます。そして、3つ目ですけれども、一方で、この体力の低下傾向は、コロナ禍が始まる前からもう既に始まっていまして、実施をしました令和元年度調査において見られたことですが、私としましては、コロナ禍が長期化する中で、子供たちの体力の低下傾向が続かないよう、十分な感染対策を講じた上で、体力向上の取組を図っていく必要があると思います。そして、このため、まず、体育と保健のですね、授業の充実、これを着実に実施をしていくということ、重要であるということと、今年度中に小学校の体育指導の手引きを作成しまして、学校現場で実践することを促していきたいと思います。また、令和4年度予算では、幼児期から、運動習慣形成プロジェクトを計上しまして、保護者・保育者を対象とした普及・啓発や、子供たちが継続的に多様な運動・遊びを経験できる環境の充実を図ってまいりたいと考えております。文部科学省としましては、人生100年時代を生きる子供たちが健やかに育ち、長い人生を健康に過ごしていけるよう、子供たちの体力向上に一層に取り組んでいきたいと思います。ちなみに、令和の比較じゃないんですけども、平成20年で男子の1500 m走は6分36秒ですね。そして、令和3年で6分47秒ということですから、私の過去の記憶を辿れば、かなりタイムが落ちてきているなということを思いますから、持久力なくなっているなということで、いろんなことを考えて改善していく必要があると思います。以上でございます。

記者)
 コロナワクチンのことでお尋ねなのですが、23日に、厚労省の分科会が5歳から11歳の子供が3月以降接種対象になるという見解を示しまして、学校の現場で、例えば副反応に対してどう対処するですとか、そういったことについて、大臣のお考えをお伺いできればと思います。

大臣)
 5歳から11歳のワクチンの接種についてですけれども、我が国におけるワクチン接種の対象につきましては、厚生労働省がその有効性・安全性を確認するなど、適切に対応されるものと承知をいたしてございます。文部科学省としましては、厚生労働省における検討を注視しながら、その結論を踏まえて教育委員会への情報提供など必要な対応を迅速に行っていきたいと思っております。なお、ワクチン接種は、あくまで本人の意思でありますし、保護者の同意に基づき受けるべきものでありますから、身体的な理由とかですね、様々な理由によって接種することができない人や接種を望まない方もおられます。そのため、学校におきましては、接種を受ける又は受けないことによって、差別やいじめが起きることのないようにしてほしい、保護者に対して理解を求めることが重要だと考えております。ご質問の趣旨、いずれにしても、まだ、そこまでの検討は行っておりませんので、厚労省からしっかりとした情報がきちっともたらされるまで、今、検討段階にあるというふうにご理解いただきたいと思ってございます。

記者)
 基本的には、既に接種が始まっている中学生・高校生と同じという理解でよろしいんでしょうか。

大臣)
 それは、今、お答えした通りのことなので、そのことについては、とりあえず、厚労省における検討を注視しながら、その結論を踏まえて教育委員会へ情報提供を行っていきたいと思っておりますので、私、ちょっとここで、ちょっと軽々なお話もできませんので、改めてこのお話を、今、いただきましたので、確認をした上で頭の中できちっと整理をしたいと思ってございます。

記者)
 今日は年内最後かと思うんですけれども、この1年を振り返っての所感といいますか、振り返りをちょっと聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

大臣)
 10月4日から文部科学大臣を拝命をしまして、私としては、やはり、極力、現場に出ていくということに専念をしました。時間があればです、もちろん。数えたら、23か所の施設を回ったことになっていると思います。昨日は、夜間中学のご父兄の方がわざわざ訪ねて来てくださいました。いろんな意見交換をしたのですけれども。従って、現場の中では、思ったことは、当然、夜間中学であるとかですね、あるいは浪江の町に行ったときには、浪江の創成小中学校で31名の生徒さんが、まずはふるさとに帰って授業に参加して、先生も一生懸命というようなそういう姿、特に、小学校6年生は先生1人、生徒1人ですから、ただ、それでは授業はなかなかできませんから、オンラインで他の学校とつなぎながら、複数の、もう少し人数を集まった形での授業を展開されていたんですけれども、ふるさとを大事に考えられるなということを思って私は感激をしました。だから、10月4日から、あえて申し上げたら、私は、やはりそういう感激をする場面が多かったと思っています。それと、驚く場面が一つあったのは、やはりGIGAスクールを中心に、ここ5、6年じゃなくてここ2、3年ですよね、これだけ大きな変化があったということで、私の大臣室の方にもモニターを持ち込んで、デジタル教科書を使ってどういうことができるのかということを拝見しました。このときには、地方からの出向者6人が、文科省内ですけれども、その方々も入って一緒に学んだんですけれども、それはやはり、事務次官も官房長もおられたと思うんですが、これは生徒が大変だという前に先生が大変だなという、教える側がまずきちっと覚えないと教えこめないとという現実があったんでね。私はとにかくそういう意味では先生の大変さということを痛感しました。と同時にこれだけICTがどんどん進んでいくのでですね、10年後、20年後っていうのはどういう教育になるんだろうかという、想像力を豊かにするには必ずこういうICTは有効であるとおっしゃる先生が多かったんですけれども、同時にAIドリルもできますんで、個別最適な学びをやりやすいです、それは。どこまでいっているかということをコンピューターが判断するわけですから、AIが。このテストをやってくださいよということを、進捗状況に応じて、習熟度に応じてAIドリルが提供されるわけですから、そういうのを見れば、これからその10年、20年先はどういう時代になるのかなということを、そのことを思いました。ただ、思っていますけれども、基本は対面授業が大事であると、デメリットも出てくるんじゃないかということをある小学校で申し上げたら、教師のスキルが落ちることがちょっと不安とおっしゃっていましたから、やはり、肌と肌と同じ空間でやはり過ごすということの大切さを言われたことだと思います。長くなりましたけれどそんな感じです。

(了)

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