末松信介文部科学大臣臨時記者会見録(令和3年12月27日)

令和3年12月27日(月曜日)
教育、その他

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新型コロナオミクロン株濃厚接触者の受験機会の確保について

末松信介文部科学大臣臨時記者会見映像版

令和3年12月27日(月曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の臨時記者会見の映像です。

令和3年12月27日末松信介文部科学大臣臨時記者会見

令和3年12月27日末松信介文部科学大臣臨時記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣臨時記者会見テキスト版

大臣)
 オミクロン株の患者の濃厚接触者である大学受験生の受験の機会の確保につきまして、発言を申し上げたいと思います。先ほども総理とお話をいたしてまいりました。先週金曜日24日、文部科学省から各大学等に対し、オミクロン株の濃厚接触者として、14日間の宿泊施設への滞在が求められている方につきまして、受験を認める要件に該当しないことを示す通知を発出をいたしました。通知の内容につきましては、私は、23日(木曜日)に、事務方から説明を受けましたが、その際、私といたしましては、今回の措置は感染拡大防止の観点から当面オミクロン株への感染が確定した患者の濃厚接触者に宿泊施設へ入所を求めるという政府全体の方針を受けたものであること、2つ目は、受験生として、全47都道府県におきまして追試験等の機会が確保されているということ、このことをもって了解をいたしたところでございます。一方で、通知発出後に様々な意見が寄せられる中で、オミクロン株の感染拡大が危惧される中においても、一番大事なことなのですけれども、1人でも多くの受験生が適切に試験を受けられるようにすることが必要であると考えました。このため、オミクロン株に濃厚接触した受験生について、受験機会の確保のためにより配慮できないか、通知発出の翌日である25日に、省内の担当部局に至急の検討指示をいたしたところでございます。更に、昨日、総理からも、オミクロン株の患者の濃厚接触者である受験生も含めて、可能な限り受験機会を確保することについて、総理秘書官を通じご指示があったところです。先ほども、教育未来創造会議終了後に、総理に直接、私から、受験機会の確保の方針についてお話をしたところです。具体的には、オミクロン株への感染が確定した患者の濃厚接触であります受験生につきましても、1つ、PCR検査が陰性であること、2つ目は、試験当日無症状であること、3つ目としましては、公共交通機関を利用しないということ、そして、他の感染株の濃厚接触者と同様の条件を基本にしながら、別室受験により入試の受験を可能とする方針をとることにいたしました。方針の詳細につきましては、大学入試センターの専門家のご意見、関係省庁との協議も踏まえまして、早急に再度の通知を発出をしたいと考えております。なお、来年1月15日、16日に本試験が実施される大学入学共通テストでは、万が一感染した場合でも受験機会が確保されるよう、従来1週間後にありました追試験を、2週間後の1月29日、土曜日、そして、1月30日(日曜日)に設定をしまして、全国47都道府県に会場を確保することにしております。また、各大学の個別の入試につきましても、ほぼ全ての大学、約99%に達しますが、追試験や振替受験などの措置を講じることとしておりまして、その一連につきましては、各大学のホームページのほか文部科学省のホームページでも公表しているところであります。中学・高校入試における扱いにつきましても、大学受験における対応に準じた形で別室受検を含め、できる限り受検の機会を確保するよう検討しているところでありまして、一両日中に方策を示してまいりたいと考えてございます。受験生の皆さんには、今後、本格的な入試日程を迎えることになりますが、体調管理はもとより、基本的な感染対策を徹底していただきたいと思います。また、受験生のご家族や学校の先生方も、日頃からの感染対策を行っていただき、受験生を支えていただくとともに、各大学におかれましても、感染症のガイドラインに則して、試験実施の準備に、引き続き、万全の対応をお願い申し上げたいと思います。以上、私からの皆様への報告でございました。

記者)
 2点ばかり質問させていただきます。確認の意味も込めてまた伺うんですけれども、これまで、オミクロン株以外のコロナ感染者の濃厚接触者に対する条件、4つの条件を満たせば受験を認めていたということになると思うんですけれども、今回のこのオミクロン株の感染者に関してもこの4つの条件でというところで、満たせば受験ができるというところで理解は間違っていないのかというところを確認させてください。

大臣)
 おっしゃる通りでございます。きちんと確認をいたしますけれども、まずは、初期のスクリーニング(自治体又は自治体から指示された医療機関が実施するPCR等の検査、行政検査)の結果、陰性であること、2つ目は、受験当日も無症状であるということ、3つ目は、公共の交通機関を利用せず、かつ人が密集する場所を避けて試験場に行くということ、そして4つ目は、別室で受験をするということ、この4点でございます。共同さんのおっしゃる通りです。

記者)
 大臣から、先ほど受験生に対する配慮の言葉などもありましたけれども、改めて、今回の通知によって、受験生、そして大学側も混乱が生じたというのは間違いない事実であると思います。改めて、大臣としてのご所感、その点についてお願いいたします。

大臣)
 去年、別室で受験された方197名プラス4名、201名であったかなと、191、失礼しました、191名であったと思いますけれども、今回も別室受験で対応いただくと。追試の用意もするのですけれども。本件について、担当の部署において、もう少し時間をかけて検討を行って、省内のですね、ある面で、意思決定のプロセスを図るべきではなかったかなということを思ってございます。その点において、少し不十分なところがあったということを、認識をいたしております。

記者)
 すみません、オミクロン株の濃厚接触者の別室受験の件、もう少し詳しく伺いたいんですけども、他のコロナの濃厚接触者と同じ部屋で別室受験という形になるのか、全くまた別の部屋での別室受験ということになるのか、その辺は検討状況いかがでしょうか。

大臣)
 オミクロン株につきましては、どういうものであるかというのは、なかなか実態というのが、専門家の先生方からも、まだ、明確な話が出ておりません。私、従いまして、別室の受験でということについて、現時点において、他の株の感染者の濃厚接触者の方ですね、と分けるかどうかについては、ちょっと明確には、今、ここでお答えすることは避けておきたいと思います。明日、正式に、厚生労働省ともですね、厚生労働省とも協議は行っておりまして、協議済でありますけれども、この点について、厚労省にもきちっと確認をしたいと思います。大事な点を指摘いただいたと思います。

記者)
 先ほどの大臣への報告の経緯について、口頭でご説明ありましたが、23日に、大臣の方では、事務方から説明があったということですが、官邸総理の方には、最初の24日の通知について、どういった報告がいつされたのでしょうか。

大臣)
 24日につきましてはですね、事務方では、厚生労働省と事前に協議は行いですね、内閣官房コロナ室には、通知発出につきましては事前に連絡をしていたものの、総理官邸には事前の相談は行っていなかったと聞いてございます。これはなぜかということを聞きましたら、これは、担当部署では既に政府方針がありまして、それに沿ったものと判断をしたためであると聞いております。今回の見直しにつきましては、丁寧に、官邸と、先ほども総理とも総理の部屋できちんとお話を申し上げまして事前調整をしておりますけれども、24日でしたか、事前調整はしておくべきだったと、そのように考えております。反省をしなきゃならないと思います。

記者)
 そうしますと、総理側からは、報道や発表後に問い合わせ等があって26日の指示につながったということですか。

大臣)
 時を同じくしてですね、25日に、省内に対して検討の見直しを求めました。同じように総理も、一人でも多くの、私も総理も今日全く一致した意見は、一人でも多くの受験生に受験をしていただきたいという、ここが一番の大切なところじゃないかと。そこから考えていきながら、このオミクロン株、濃厚接触者ということについての問題、これは、一つの最善の結論を出すべきじゃないかということでありました。だから、時を同じくしてですね、総理も私も、一人でも多くの方々が受験できる方法はないのかということは、指示をしたことは事実でございます。

記者)
 重ねてのお尋ねになるんですが、今回、ガイドラインの改訂の発表が金曜日の夕方だったというタイミングもあって、かなり受験生、あるいは受験の現場に不安が広がったというようなこともあったと思います。そういった情報公開のタイミングも含めて、厚労省、あるいは官邸との意思疎通が十分だったのかどうか、大臣のお考えを伺います。

大臣)
 24日の通知について、なぜかということについては、受験が1月の15、16日ということで、これは、年が明けてからなのではとんでもなく不安になり、混乱も生じてはいけませんから、できるだけ早くというのは私の頭にもあったところでございます。この24日の通知につきましては、今、ご指摘ありましたけれども、感染症の専門医を含む新型コロナウイルスに対応した大学入試ワーキンググループでも議論をした上で決めていただいております。いろんなことをすべて総合した上で、ここの文科省の方ですね、高等教育局の方も対応したのだと私は思うのですけれども、今回の件につきましては、きちっと専門家の方さんも入られて、当初の方針というのは、やっぱりそれをお認めになって、ご理解を示された上で発表したものでありますけれども、しかしながら、いろんなご意見は、当然、耳を傾ける必要があるのが筋であると思ってございます。

記者)
 オミクロン株感染者の濃厚接触者の受験生を、他の株の感染者の濃厚接触と同様に扱うといった、その疫学的な検討も加えた上で、そういった判断をなされたということでいいんでしょうか。

大臣)
 私は、ここで専門家の方をですね、お迎えしてですね、この大学入試選抜協議会、新型コロナウイルスに対応した大学入試ワーキンググループの委員の名簿ということで、もう本当に、国立感染症研究所の感染症疫学センター長もおられますし、東京大学の保健の健康推進本部の教授もおられます。そういう先生方には詳しくお聞きになったみたいなのですけれども、やはりそれについては、今、明確なことは言えないということをおっしゃったみたいです。ですからやはり、受験はやってまいりますのでね、どこかで何らかの結論を出しながらやっぱり進んでいかざるを得なかったという点において、24日という日の遅くになったということでありまして。合理的であったかどうかということについては、これは誰もが言えないことでありまして。そうしたら、分かるまで、ぎりぎりまで待って発表したらいいかといったら、私はそうじゃないと思うのです。その辺を、ぜひ理解いただきたいと思います。

記者)
 今の質問とも関連するんですけれども、オミクロン株の濃厚接触者は、原則、宿泊施設待機だという政府方針があるかと思うんですけども、受験生だけそこから出て特例扱いをすることについて、どのように整合性をとっていくのでしょうか。感染対策として妥当性はあるとお考えでしょうか。

大臣)
 専門家のご意見を聞かなければならないと思ってございます。それも含めまして、本日、厚生労働省と協議をいたしまして、受験生に限りましては、非常に慎重な対応を求めますけれども、ホテルなり宿泊施設から出ていって受験はしても構わない。ただし、最大2mは離しなさい、席と席の間は、と。いろんな制約を加えてございますので、ここの点については、厚生労働省と協議をしましたので、専門的な見地からの含みもあろうかと思って、今、おります。厚生労働省の了解なしには、方針のことをですね、少々なりとも変更することはできません。以上でございます。たぶん、厚労省の方にご取材行かれても、同じこと、向こうの方が、そういう面では、明確にお答えになるのかもしれません。

記者)
 2点ばかりお聞きしたいんですけれども、まず一つ確認なんですが、大臣、先ほど再通知をですね、一両日中に行われるということをおっしゃられていたかと思うんですけれども、もう今日時間が夜間になっておりますし、あと、暦上、業務が28日までにのところが多いかと思うんですけれども、大学も。これは、明日されるということでよろしいでしょうか。

大臣)
 明日やると思います。明日、発出すると聞いておりますし、私は、そういうように判断しております。

記者)
 ありがとうございます。もう1点、事務方から大臣がご説明を受けたときにですね、それで25日ですかね、改めて再検討を指示されたとおっしゃったと思うんですが、その間、大臣はどういう、一度は了承されたものをどういうことがあって再検討を決断されるような、決断を下されるようなことに。

大臣)
 いろんなご意見なり、他の友人の議員からも話もあったりとかしましたし、私自身、濃厚接触者でですね、テレビでも、どこかの企業の方がホテルからインタビューに応じたりされていましたのですけれども、この方が受験生の方で濃厚接触の方だったらどういうものだろうということ、自問自答をずっとやっていましたね、私は。そのことが大きな引き金になったということだけ申し上げたいと思います。その後、25日に、いろいろと、テレビを点けたらいろんなご意見を言われる方がおられましたけれども、既に前から始まっていました。

記者)
 今とも関連するんですけど、一般の人は、濃厚接触者は原則施設待機で、受験生だけは特例として例外扱いというのはちょっとダブルスタンダードにも見えるんですけど、もう政府解釈で、受験生は施設待機を命じられても、もうおそらく公共交通機関が使えないので、自家用車何かで試験場に行くしかないと思うんですけど、そういう形で特例扱いとして、例外として認めるという、そういう解釈でよろしいでしょうか。

大臣)
 そういう解釈になります。一生に1回の受験ですから大切にしてあげなきゃいけないという判断でございます。厳重に注意をしていただいて、試験当日も別室で、かつ席も離してということで、いろんな制約はお願いをすると思います。求めますけれども、おっしゃる通りです。

記者)
 細かいところで大変申し訳ないんですけれども、公共交通機関を使えない場合、家族が、実家に近い試験場を受験される受験生の方はその家族の車で行けると思うんですが、そうでない受験生が多くいらっしゃると思うんですけれども、そういった受験生に対する対応というのは、文科省ではどのように検討されているんでしょうか。

大臣)
 そこまで、まだ対応は考えてございません。一部、他の党の方からこうやったらどうか、自治体が車を手配したらどうかというご意見も出ておりますんですけれども、そこまでまだ、まだ、もうちょっと日にちがありますので、今、検討を重ねているところでございますので、明確な答えは、ここではちょっとできかねます。

記者)
 先ほど省内の意思決定プロセスに不十分な点があったというお話ですが、どの辺りに不十分な点があったのかもう少しご説明いただきたいのと、大臣も報告を受けて了とされたわけですけれども、その了とされていたことについては、今思うとどのようにお感じになるか、お考えになるかという点をお聞かせください。

大臣)
 もう少しきめ細かな、去年はこういうことでこうなりましたとかいったようなですね、今日、191人の話にしても、やっぱり具体的に人数なんかもきちっと報告をいただきたかったというものもございます。そして、そうですね、もう少し丁寧な説明があるべしと思っております。そのときどう判断したかっていうことでありますけれども、一番大切なことは、政府の方針に従っているっていうことは確かです、政府の方針に沿っているという。ですから、非常に、そういう面では、岸田総理も今回のオミクロンの株のことについては、濃厚接触者の方もホテルで待機してくれってことでございましたら、相当厳しい対応をなさっておられるし、また、実態がわかりません。だから、その線に沿ってですね、そういうことで、受験の機会がですね、奪われてしまっても、うーんと、いろいろと考えされることがあったのですけれども、了としたということは、そこなのです。だから、政府の方針にですね、政府方針は厳しい方針でありましたから、それに沿ったということは事実でございます。一番大事なことは、追試があるということが、おっしゃっていました。そこの報告を受けたので、セーフティネットを張っているってことも、一つの了とするところの、自分を、了解するところの背景になったことは確かです。

記者)
 今振り返っても、省内の報告がもっと具体的にあればよかったということですけども、そういう政府の対応だったり、全体的な対応だったり、追試があるっていうこと考えると、冒頭、了とした部分は仕方なかったっていうお考えですか。

大臣)
 これは、そこで了としたことについてはですね、私はやむを得なかったと判断しているのです。ただ、自問自答を一日ずっと繰り返しましたですね、これについては。あの方が、企業の方が、ホテルでインタビュー受けて、クリスマスを家族と迎えることができない。しかし、身体はどうもお元気そうでしたけれども、この方が受験生だったらどうかと考えたらね、やはり一生に一回で、みんな、受験を経験された方多いと思うのですけれども、そういう意味では、もう少し、1人でも多く受験できる機会を求めることはできないのかっていうことは考えたんです。ですから、厚生労働省ももちろん私と同じ考えであったと思うのですけれども、しかし今回そこに修正を加えていただいたということは確かです。私が考えたわけじゃなくて、全員で考えたわけですから、総理も、私も、厚生労働省も、そういうことですので、当初、出発点において間違いがあったというわけじゃなくて、ただ、配慮の上にも配慮を重ねることはできたと思っています。難しい表現なのですけども、私、そう思っています。

(了)

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