萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年8月3日)

令和3年8月3日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

文化芸術関係者に対するワクチン接種、留学予定者ワクチン接種支援事業の対象者拡大、社会教育士制度の普及と応援大使の任命、大学拠点接種、量子コンピュータ、世界と伍する研究大学専門調査会

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年8月3日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年8月3日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年8月3日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。私からは2件です。
 まず、新型コロナウイルスのワクチン接種についてご報告申し上げます。文化庁と文化関係独立行政法人が連携をして、フリーランスなど個人で活動している文化芸術関係者の方々を対象に、今月の19日(月曜日)から国立新美術館において8,000人規模でワクチン接種を行うこととしたことをお知らせします。ここでの接種については、今週5日より希望者の予約受付を開始しますので、詳細は文化庁のホームページをご覧ください。また、引き続き、ワクチン接種に関するお知らせですが、本日3日、厚生労働省において、武田/モデルナ社製ワクチンの接種対象年齢をこれまでの「18歳以上」から「12歳以上」へ引き下げる変更が適用されることとなりました。このことを踏まえ、文科省としては、留学先でワクチン接種が必要とされている海外留学予定者が、大学拠点接種の中で接種を受けられる留学予定者ワクチン支援事業の対象者に、18歳未満の高校生等も含めることといたします。対象者の要件や申請に当たっての詳細な情報は、本日午後に文部科学省ホームページに掲載する予定であり、掲載次第、申請の受付を開始することとしております。
 2点目です。文部科学省では、社会教育の専門的知識やコーディネート能力等を習得し、教育委員会のみならず、環境や福祉、まちづくり等の社会の多様な分野における学習活動の支援を通じて、人づくりや地域づくりに携わる「社会教育士」制度を令和2年度からスタートさせ、地域コミュニティの活性化を推進をしています。この「社会教育士」制度をより多くの人に知っていただき、広く活用していただくため、2月に社会教育士特設サイトを開設し、各分野で活躍している事例を動画で紹介するなど、広報活動を展開しております。この広報活動の一環として、この度、女優・タレントの村井美樹さんを「社会教育士応援大使」として任命し、任命式は8月19日(木曜日)13時40分から文部科学省大臣室にて行いますので報告を申し上げます。今後、社会教育士が多様な場で活用されるよう、その魅力を広く伝えていきたいと思います。報道各社の皆様方にもご協力をお願いいたします。私からは以上です。

記者)
 1点伺います。大学拠点接種に絡んでですが、モデルナ製のワクチン供給スケジュールが見通しにくい状況が続いています。先週ですけれども、河野大臣がですね、8月から接種を始める予定であった一部会場について、限定的ではありながら、やっぱり影響が否定できない旨言及をされました。大臣、7月の会見で、申請を済ませた大学については、後期授業が始まるまでに2回の接種を終えることができるとの見通しを示されましたけれども、2回の接種を終えるには1か月ほどかかることから、希望者に対しては、遅くとも今月中には1回目の予防接種を終える必要があると思います。こうしたところに影響が出るおそれはないか、改めて、現時点での大学拠点接種の原状と見通しについて伺います。

大臣)
 大学拠点接種について、今週までに計162大学で大学拠点接種が始まっております。申請サイトへの申請はしたものの、現時点では厚労省の確認が済んでいない大学等の接種については、各大学等が希望する接種時期等、各大学等からの相談内容の精査を行い、適切な時期に接種を開始できるよう、関係省庁とも調整を進めているところです。一方で、モデルナ社製ワクチンに関して、製造パートナーの製造上の一時的な問題により、全世界的に供給の遅れが生じていることについては承知しております。既にワクチン接種を開始している接種会場については影響なく供給できると聞いておりまして、各拠点大学におかれては、安心してワクチン接種を実施していただきたいと考えております。今後、新たにワクチン接種を開始する予定の会場については、ご指摘のように、多少遅れが生じる可能性は否定できませんが、職域接種における必要なワクチンの総量は確保されておりますので、該当の大学等におかれては、文科省からの連絡をお待ちいただきたいと思います。で、これまでご説明している通りですね、一日も早く大学生の皆さんが本来の日常を取り戻すということが重要との考えから、文科省としては、後期の授業が始まるまでにワクチンの接種が実施できるようにワクチン供給量を踏まえつつ、関係省庁と調整を行いたいと考えておりまして、一概に後期と言っても学校によって始まる時期が違いますから間に合わないじゃないかというご指摘をもしかしたらあるかもしれないのですが、とにかく、この8月9日以降からの後半接種、加速をできるところはしっかりやってですね、できる限り、秋口、後期の授業が始まる頃までには、希望する学生さんたちには接種ができるような環境を更に整えていきたいと思っています。

記者)
 2点お伺いしたいんですけど、1点、国内の商用量子コンピュータの稼働が始まりまして、大手12社からなる協議会が主体となって研究開発に取り組むという報道がありましたが、それに関する大臣の所感をお聞かせいただきたいのと、先日、「世界と伍する研究大学専門調査会」がありまして、そこで、中間取りまとめ案について議論になったと思うんですけれども、それに関する大臣の受け止めを教えてください。

大臣)
 先月の27日に、文部科学大臣として、東京大学と日本IBM主催による商用量子コンピュータ稼働開始セレモニーに出席し、祝辞を述べるとともに、我が国で初めて設置された最先端量子コンピュータの実機を視察をしてまいりました。量子コンピュータを含む量子技術は、これからの我が国及び世界の経済や産業、安全保障を大きく転換させる可能性を秘めた革新的な技術です。量子技術の産業利用を見据えた研究開発においては、国家間、企業間の競争が激化しており、我が国としても産学官の総力を結集した取組や日米を基軸とした国際的な連携を進めていくことが不可欠となります。文科省としては、昨年7月に東京大学を中心に設立された「量子イノベーション・イニシアティブ協議会」を核として、今後、産学官が一体となって、量子技術の社会実装で世界をリードしていくことを期待をしています。現物を見ましたけれど、綺麗なフォルムで、今までの次世代スーパーコンピュータとはちょっと形が違うので、この中でどういう計算ができるのかなというのは、ちょっと私にはわからなかったのですけれど、これから実装しながらですね、多くの人たちに研究にも使っていただくということで、色んな成果を期待したいなと思っています。
 27日に開催された中間取りまとめの件ですけれども、総合科学技術・イノベーション会議の下に設置をされた「世界と伍する研究大学専門調査会」が先月27日に開催され、中間取りまとめ案について議論がなされました。今回議論された中間取りまとめ案では、世界と伍する研究大学の在り方として、毎年度3%程度の事業成長を前提に、多様な主体を巻き込みながら、グローバル社会の変革を牽引することをミッションとすること、大学経営等に関する重要事項の決定や大学の長を選考する合議体を設置すること、財務担当役員や、教育研究の実質的な責任者であるプロボストを設置することなどが示されております。今後、開催予定のCSTI本会議において中間取りまとめが行われ、秋以降の更なる検討を経て、年内には最終取りまとめが行われる予定と承知しています。文部科学省としては、世界と伍する研究大学の実現に向けて、引き続き、関係府省と緊密な連携を図りつつ、10兆円規模の大学ファンドの拡充や必要な制度の検討などを進めてまいりたいと思っています。

記者)
 冒頭にありました文化芸術関係者へのコロナのワクチン接種についてお伺いしたいんですけれども、今月8,000人規模というふうにおっしゃったかと思うんですけれども、6月の会見では、15,000人規模とおっしゃっていた記憶があるんですけれども、これ、規模が変わったということなのか、またその理由について教えていただけますでしょうか。

大臣)
 6月にですね、国立劇場での職域接種を公表した際には、国立新美術館において15,000人規模の接種を行うということを、ご指摘の通り、発表しました。その後ですね、民間の文化芸術団体においても、独自で職域接種を、そこへ集まるんじゃなくて、うちの方のこっちで少し大規模に固まってやりたいのでそっちを認めてくれないかという、こういう相談がございましたので、15,000の中からそちらの方で打っていただく人を引いて、先ほど申し上げた、フリーランスのような、所属がなかなか明確じゃないけれども文化芸術に携わっている人たちの接種会場を新国立でやろうということで、それが8,000人ということになりましたので。元々の15,000は、文化芸術関係者に接種をさせていただくという方向は変わっていません。

記者)
 ワクチンの不足とかそういう理由ではなくて。

大臣)
 ではなくて。新国立に、全部15,000人集まってもらうことを前提に準備したのですけれど、少し大きな団体などは自分たちのこういう会場でやれますよ、また、接種ができますよということだったので、その方が効率的だったのと、せっかくワクチンが確保できているのにこちらは8月からしかスタートできなかったものですから、前倒しできるところはしようということで先に打ちました。
 それで、ごめんなさい。本当は、私、今日、出張の公表をする予定だったのですけれど、8月5日からイタリアのG20に出席することになりました。その後、米国で要人と会う予定を、今、調整しているので、全ての日程を今日の段階で公表できなかったものですから、帰ってきましたら、詳細をきちんと報告したいと思いますので、ご理解いただきたいと思います。

(了)

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