萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年6月1日)

令和3年6月1日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化、その他

キーワード

ワクチン開発・生産体制強化戦略、映画「漁港の肉子ちゃん」タイアップ、昭和大学における研究活動の不正について、大学の人員・施設等を活用したワクチン接種について、高輪築堤の遺構、大臣のワクチン接種について

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年6月1日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年6月1日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年6月1日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 私からは2件です。新型コロナウイルス感染症のパンデミックを契機に、国内におけるワクチンの生産体制の強化に政府が一体となって取り組む国家戦略として「ワクチン開発・生産体制強化戦略」が先ほど閣議決定をされました。戦略の中では、ワクチンの迅速な開発・供給を可能にする体制の構築のため、長期継続的に取り組むべき必要な施策として、世界トップレベルの研究開発拠点の形成、薬事承認プロセスの迅速化と基準整備、ワクチン開発・製造産業の育成・振興等が示されています。このうち、「世界トップレベルの研究開発拠点の形成」につきましては、世界トップレベルのフラッグシップとなる研究拠点の創設とともに、BSL4施設などシナジー効果が期待できる拠点との連携、緊急時の迅速な対応に備え、平時から、免疫・ゲノムなど関連分野を含む多様な分野融合研究の推進について盛り込まれています。新型コロナウイルス感染症に限らず、今後のパンデミックに備え、ワクチンを国内で開発・生産できる力を持つことは、国民の健康保持への寄与とともに、外交や安全保障の観点からも極めて重要です。文科省としては、戦略に盛り込まれているこれらの内容について適切に対応するとともに、引き続き、感染症対策に資する研究開発を推進してまいりたいと思います。
 2件目なのですが、今般、文部科学省では、「地域学校協働活動」をはじめとする学校・家庭・地域の連携・協働に関する施策について、国民の理解・関心を高めることを目的として、今月11日から上映される映画「漁港の肉子ちゃん」とタイアップを行うことにいたしました。タイアップでは、「地域みんなに支えられて子供たちは育っています ~地域全体で子供たちの成長を支える学校・家庭・地域の連携・協働の推進~」という文部科学省の施策メッセージを掲載した同映画ポスターを作成し、全国の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校などに配布します。この映画では、心温かい漁港の人々との出会いによって成長し地域のことを好きになっていく主人公の姿が描かれています。本タイアップを通じて、主人公に共感し、自身の生活においても、地域の方々とのつながりを深めていただくことで、健やかな成長を図る一助となることを期待しております。これがポスターです。私からは以上です。

記者)
 先日、昭和大学研究不正があったという報道があったと思います。それに関する受け止めと、文科省として、何か対応するかということについてお伺いできますでしょうか。

大臣)
 今般、昭和大学において、研究活動における不正行為(ねつ造や改ざんなど)が認定されたと承知をしております。こうした不正行為が生じたことは、研究活動に対する国民の信頼を揺るがすもので極めて遺憾であり、公的研究費への応募資格の制限といった必要な措置を講じたところです。文科省としては、ガイドラインに基づく不正防止の取組が適切に実施されているかを確認することなどで実効性を確保するなど、引き続き、公正な研究活動に向けた取組を推進してまいりたいと思っています。

記者)
 1点、昨日の関係閣僚会議の関係でお伺いしたいんですけども、ワクチン接種について、お話いただける範囲で、どういったことを話されたのか、決まったのかという点と、一部の報道で、職域接種と並行して大学生の接種も推し進めていこうということが話し合われたように報道されていると思うんですけど、その点についても伺えますでしょうか。

大臣)
 まず、全体の決まったことはこの後の官房長官記者会見で詳細をお話しすることになっていますので、それを受けていただきたいと思います。私の方は、かねてから申し上げているように、新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について、文科省として、自治体における高齢者接種に一定の目途がついた段階で、大学等における教職員・学生や高校生以下の近隣の学校の教職員へ接種を拡大することが重要だということを申し上げてきました。そのため、文科省として、先週お調べをしました通り、大学を活用したワクチン接種に向けて関係省庁と調整をしておりまして、医療系人材と施設などをセットで提供が可能なパターンの大学、それから、大学の施設、要するにがらを貸してもらうという、体育館とか講堂とか大教室などを提供可能なパターンの2つに分けて、まずはモデル事例を創出していきたいと思っています。その際、接種者の情報管理、接種事務の費用負担などを、事務上、整理する必要がある事項があると認識しており、この辺は、早急にですね、政府内の調整を図ってまいりたいと思っています。同時に、職域もそうですし大学もそうなのですけれど、コロナ禍でアルバイトを失った学生を現場でぜひ臨時で使ってほしいということを関係省庁にもお願いをしたところでございまして、そういったものが、今日以降、まとまるんだと思います。

記者)
 1点、補足というか、追加で恐縮なんですけれども、今まで教職員の接種が重要だという話もされていて、大学生も話はされていたと思うんですけど、大臣が、ずっと対面授業の大事さを強調している面と、ワクチンを接種すればですね、それが実現できるという側面もあると思いまして。大学生の接種をこれから推し進めていくというのはあるのかというか、その点についても改めて伺えますでしょうか。

大臣)
 高齢者が終わると次は基礎疾患ということになるのですけれど、基礎疾患というのは自己申告なので、じゃあ基礎疾患の対象者がどの自治体に何人いるというのは、現段階でわからないわけですから、そういった意味では、現在自治体の行っている接種会場に加えてですね、職域や大学などで、あらかじめ対象者がわかっているところで、少しでもその接種を増やしていくということが必要だと思います。そういった点では、まずはご近所で、その大学でやるのだったら、役所で言われた場所よりも近いからそっちで打たせていただきたいという方がいらっしゃれば、民間の人たちはどうぞ使ってくださいということなのですけれど、二次的には、大学の職員にも教授たちにも打ってもらいたいし、学生さんたちももちろん打たせてもらいたいと思っています。あわせて、350全ての大学が会場になるとはちょっと考えられませんので、会場にならなかった近隣の大学生などもそっちへ誘導していくということを考えておりますので、おっしゃるように、若い人たちにも接種率を高めていただくという拠点に使っていきたいと思っています。そして、大学ですから、幸い、7月以降夏休みなどに入りますので、かなり思い切った大規模な対応ができる学校も出てくると思いますから、公立の小中学校の先生、高等学校の先生、こういった教職関係、幼稚園も言っておかないと怒られますので、そういう人たちにもですね、ぜひ会場に来ていただいて、安心安全な2学期を目指したいと思っていますので。そこは、接種率を高めていくように、文科省としてできることを全力で取り組んでいきたいと思っています。

記者)
 土曜日に高輪築堤を総理と視察されたと思うんですけれども、その感想と今後の史跡への視点についてのご初見を伺えればと思います。

大臣)
 29日に総理が高輪築堤を視察され、私も同行しました。本年2月にですね、私も第3街区の第7橋梁を視察しましたけれども、その後、出土された第4街区についても、今回改めて視察をさせていただきました。信号機の跡がございまして、そういった意味では、第3街区の橋梁とは違う意味でですね、改めて、150年前を彷彿するような、非常にドキドキするような視察でした。第7橋梁部分は開発工事との関係で、近く、一旦埋め戻すことになっておりまして、その前に総理にも見ていただくことができてよかったんじゃないかなと思っています。私としては、貴重な文化遺産であることを改めて感じ、港区やJRと協力しながら、第7橋梁部などの適切な保存・整備に、引き続き、取り組んでいきたいと思っています。文化財の指定については、港区から早期の史跡指定を期待されており、港区、東京都及びJRとの調整ができ次第、早ければ夏頃までに文化審議会に諮問し、史跡としての指定をしたいと思っております。

記者)
 先ほどのワクチンの関係で伺いたいなと思うんですけれども、ワクチン担当の河野大臣がですね、ワクチン接種の自治体独自の優先枠の設置を設けることを認めるということで、先日、発言されておられましたけれども、これは、元々福岡市が教職員とか保育士の方に優先的に打ちたいという要望に応えたものだと思います。この優先枠の活用も含め、自治体の教職員への接種の在り方について、大臣の見解をちょっと伺いたいと思うんですが。

大臣)
 学校の安全安心を高めるためには教職員のワクチン接種は極めて有効だと思いますので、これは、2つの面があると思うんですね。いわゆる居住地で接種をするという場合と、今回のように勤務地に近い大学などで接種をするという2つの選択ができるようになるので、そういう意味では、接種が加速するんじゃないかというのを期待をしています。マストではないですけれど、先生方も、ぜひ積極的に接種していただくことが学校の安全につながるんじゃないかと思っていますので。優先枠という、自治体として色んなことを、優先順位を考えることは、当然、それぞれの自治体で考えることなんですけど、この大学の接種会場というのはその外に作るものでありますので、必ずしも自治体の優先順位をその大学で踏襲するわけではないので、そこは、もちろんさっき申し上げたように、設置をされている自治体の基礎疾患の人を優先的に打ってくださいと言われればもちろんその通りやりますけれども、空いた時間というか、上手な時間運営の中で、学生さんや、あるいは近隣の公立の学校の先生、私立の先生方にもぜひ会場に来ていただいて接種をしていただいたらいかがかなと思っています。

記者)
 同じくワクチン接種なんですけども、菅総理は、先日、訪米が終わったからか接種されたと思うんですが、閣僚もですね、私は早く打つべきだと思うんです。やっぱり行政のトップであるので、いなくなる、いなくなるというか、感染されたら大きな事態になるのでですね、萩生田大臣は既に接種されたのか、それとも接種する予定があるのか、その辺のお考えをお願いします。

大臣)
 打ってもないですし予定もないのですけれど、私は、直接の所管ではないですけれど、オリンピック・パラリンピックを担当しますので、その時期は、外国のお客様との接遇ですとか会談などが予定されていますので、可能だったらその前に接種をした方がいいかなというふうに自分では思っておりまして。なんとなく、国会議員の接種なども、皆さん萎縮しちゃったところがあると思うので。非公式な閣僚の懇談の中ではですね、アストラゼネカとか、院内で打ったらいいんじゃないかという意見もございましたので、私は、責任ある立場の人たちはきちんと堂々と接種をしてその責任を果たした方がよろしいんじゃないかなと思っていますので、環境が整えば打たせていただきたいなと思っています。

(了)

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