萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年4月23日)

令和3年4月23日(金曜日)
教育、文化、その他

キーワード

学校における新型コロナウイルス感染症対策のための専門家インタビュー動画、緊急事態宣言発令時の学校への一斉休業の要請について、緊急事態宣言発令時の大阪市における学習方法について、新型コロナウイルスの感染拡大と学校の課外活動について、高輪築堤の遺構の保存、新型コロナウイルスの感染拡大と大学の講義・課外活動について

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年4月23日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年4月23日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年4月23日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私からは1件です。新型コロナウイルス感染症については、変異株への感染が拡大し、全国の感染状況は依然厳しい状況が続いている中、児童生徒や保護者、教職員の皆さまにおかれては、学校における感染症対策について、不安をお感じの方もいらっしゃることと思います。そこで、本日、児童生徒の新型コロナウイルスへの感染状況や、学校においてどのような感染症対策を行えばよいかについて、感染症の専門家の方へのインタビューを行い、その動画を文部科学省のYouTubeにて配信させていただく予定です。文科省としては、引き続き、厚労省等と連携をし、学校における感染症対策等に関する情報を発信し、教育委員会や学校などを支援をしてまいりたいと思います。私からは以上です。

記者)
 政府は、本日にも3度目となる緊急事態宣言を、東京・大阪・京都・兵庫に出すことを決定する方針です。これを受け、対象都府県の小中学校、高校に、一斉休校を要請する方針というのはこれまでのガイドライン通りになるということでよろしいのでしょうか。また、対象地域の1つである大阪市教委は、児童について、自宅でのオンライン学習とプリント学習を組み合わせて対応する方針を示していますが、こうした対応を1つのモデルみたいな感じで他の制限地域に共有する考えなどありますでしょうか。

大臣)
 これまで累次にわたりご説明をしてまいりました通り、文科省から地域一斉の臨時休業を要請することは考えておりません。学校の臨時休業は、地域の感染状況を踏まえ、学校設置者において判断するものでありますが、地域一斉の臨時休業については、学びの保障や子供たちの心身への影響、また、子供を持つ医療従事者が仕事を休まざるをえないなどの観点も考慮する必要があるため、真に必要な場合に限定し、慎重に判断すべきものと考えます。宣言の対象となることが見込まれる東京、大阪、京都、兵庫をはじめ、全国の学校設置者におかれては、地域の感染レベルに応じた感染症対策が適切にとられているか、全ての地域において、改めて確認の上、徹底していただくようにお願いしたいと思います。また、緊急事態宣言下においても、児童生徒の健やかな学びの保障が重要であることから、感染症対策を徹底していただいた上で、学習の継続を図っていただきたいと思います。ご指摘の大阪市においてはですね、毎日学校に通学することを前提として、家庭におけるICTを活用した学習やプリント学習等と学校における指導を組み合わせた教育活動を実施するものと承知しております。ある意味、時差登校と言いますか、分散登校の1つだと思います。この取組は、大阪市の状況を踏まえて大阪市教育委員会においてご判断されたものであり、文科省としては、その取組を他の地域に共有することまでは考えておりません。文科省としても、教育委員会など学校の設置者と連携を強化し、学校における感染症対策を支援をしてまいりたいと思っています。

記者)
 あと、すみません、追加で。大阪市教委については、給食の時間について児童生徒が登校して一緒に食べるという報道もあったりするんですけれども、文科省として、そういった事実関係を把握されているかということと、大臣のお受止めをお願いします。

大臣)
 緊急事態宣言が発令された場合、小中学校においてICTを活用した家庭での学習や学校での指導及び給食などオンラインと登校を組み合わせた形で学校教育を継続する方針を示していることは承知をしています。文科省としては、学びの保障や子供たちへの心身への影響、また、子供を持つ医療従事者が仕事を休まざるを得なくなることなどの観点も考慮し、大阪市教育委員会において適切に判断されたものと考えております。大阪独自のスタイルでやってみようということで考えたのだと思いますし、当初、一時的な報道で、大阪市が一斉休校っていう報道が出たのですけれど、その後、松井市長が、私は一斉休校をやるとは言ってないと、学校を閉めるつもりは全くないと。ただ、感染を心配される基礎疾患をお持ちのお子さんやご家庭の事情など様々なので、在宅でも勉強できる、また、学校にも来ることができるというハイブリッドを目指したいということを、私に直接、お話しをしていましたので、まさに、それの1つのモデルとして考えた結果なんじゃないかと思うので、それはそれで、設置者である大阪市がですね、教育委員会としてしっかり練ってこの対応をしていただけるということであれば、それはそれでよろしいんじゃないですかね。

記者)
 新型コロナウイルスに関して伺いたいんですけれども。全国的に、クラスター、学校現場でのクラスター、かなり部活動が目立っていると思うんですけれども、これまで、留意点とかですね、課外活動、部活動を含めた課外活動の留意点とかについては、通知等で出されていると思うんですが。こういう形で変異株が出ているということで、追加的に、何か対策を出すお考えがあるのかどうかっていうのが1点と、それから、あの、部活動に関しては、事実上休止しているような地域も出てきているわけですけれども、入試と部活動のその成果みたいなものが紐づいている部分が総合型選抜等であると思うんですが、昨年度は、その辺は努力の過程も評価するようにというようなことで、大学に通知されておられましたけれども、その辺り、今年度も行なうご予定とかっていうのはあるんでしょうか。

大臣)
 まず、現在の感染状況を踏まえれば、社会のあらゆる分野で新規の感染者を1人でも減らすことが不可欠であり、学校も例外ではないと思います。したがって、緊急事態宣言の対象地域だけではなくて、全国で感染症への意識を共有していただいて、全ての関係者が当事者意識をもって対策を徹底していただきたいと考えています。緊急事態宣言の発令に際し、各学校が必要とする情報については、改めて文科省から教育委員会などの学校設置者にお示しをしたいと考えております。その具体の内容については、政府の基本的対処方針の変更も踏まえて、今日の会議を確認した上でですね、対応を考えたいと思いますが、特に、緊急事態宣言の対象区域において、感染リスクの高い教育活動を一時的に制限するなど、感染症への警戒度を高めて、感染症対策の更なる徹底を図っていただきたいと考えています。文科省としても、緊急事態宣言の対象となる都道府県の教育委員会とも連携を強化し、必要な支援を進めてまいりたいと思います。大会をどうするのかとかですね、これ、対象の都道府県でお考えいただくことになると思います。文科省として一律に止めるべきだとか、一律に何がなんでもやるべきだと、こういうことを進言するつもりもないのですけれど、他方、生徒たちはそれに向かって頑張ってきていますし、特に高校生などは、春のですね、様々な地方大会がスポーツ・文化共にスタートしてしまっていますので、準決勝で終わりという訳にもなかなかいかないんだと思いますね。ですから、そこは、感染拡大に配慮しながら、ぜひ現場で考えていただいたらどうかなというふうに思っていますので、一律に部活動を制約するということは直ちに考えていません。その関連で、昨年度、大学入試の選抜で、初めてこういうことを経験しまして、それで大会が中止になってしまったり延期になってしまって、本来、例えばAO入試や推薦入試でその成果を持って受験資格を得ることができるとか、あるいは受験の中でそのことをアピールして、評価にさらしていただくということができなかった学生さんは大勢いますので、そのことをもって、入学志願者が不利益を被ることがないように、特に、総合型選抜や学校推薦型選抜においては、努力のプロセスを評価してあげてほしいということを、昨年、各大学に周知し要請をしたところでございます。今年度実施される大学入学者選抜においても、高校・大学関係者等と十分相談をして、受験生第一の立場に立った配慮措置を必要に応じて講じていただけることができるようにですね、これは、適切に対応していきたいなと思っています。言い換えれば、去年と同じ対応をしっかりしていかないと、エリアで緊急事態がかなり異なっていますので。例えば、九州大会で優勝っていう成果を持てる人と、関東大会中止っていう、こういう、あるいは、関西大会中止とかってなる可能性があると思うので。ぜひそういったことは、ぜひ大学関係者に配慮してくれっていうことをしっかりお願いしていきたいなと思っています。

記者)
 話題変わりまして、高輪築堤についてお伺いします。今週の21日ですかね、JR東日本が、第7橋梁の現地保存ですとか信号機の土台跡の移築保存を含んだ計画について発表をしております。考古学者の方では、全面的な現地保存を求める声もあったわけですけれども、大臣としては、保存と開発の両立ということに関してその意義を強調されてこられました。そのお立場で、JRの今回の発表をどのように受け止めていらっしゃるかをお聞かせください。

大臣)
 JR東日本の有識者会議の委員や港区など関係の皆さんで議論された結果、第3街区の第7橋梁部を含む約80m及び第2街区の公園隣接部の約40mを現地保存するとともに、第4街区の信号機跡を含む約30mを移築をし、その他の部分は記録保存とするという結論になったと聞いております。私自身も、2月にですね、第3街区の第7橋梁部というのは現地で見させていただいて、本当にすごいなと。150年前の、そのままの形で保存がされておりましたので。現地での保存公開を求めたところでございますので、結果として、その部分が保存されると聞いて大変嬉しく思っております。一方、第4街区ってまだ見たことないのですけれど、これはこれですごく綺麗にですね、200mですか、長い距離で確認ができたということで、多くの考古学者などは、ここも現地保存をするべきだというご意見があったことは承知をしておりますが、そうなりますと、第3街区も第4街区も全てを設計変更しなきゃいけないのと、私も細かくお聞きしましたら、第3街区は土地がJRの土地だけだったので、思い切って開発の計画を全面的に見直しができるということだったのですけれど、第4街区は一部民間の皆さんの土地も入った上での開発行為だということなので、そういう意味では、非常に珍しい信号機部分をですね、これ、移設してしまいますと文化的価値は、残念ながら、なくなってしまうのですけれども、残った物との組み合わせで説明をすればわかりやすいものになると思うので、皆さんで知恵を絞った最終的な結果がこういうことであればですね、それを尊重したいなと思っております。

記者)
 すみません、ちょっとコロナに戻るんですけれども、念のため、大学への休校とか、その辺りについてのお考え、もしくは、その、サークル活動とかですね、こういったものに対してどのようなお考えなのか、よろしくお願いいたします。

大臣)
 大学はですね、かねてから申し上げているように、対面とオンラインのハイブリッドで進めて欲しいということを申し上げてまいりました。都知事などはオンラインを前提にということを呼びかけているようで、緊急事態宣言の対象区域にある大学では、戸惑いが生じているということも報道などを通じて承知しております。どっちの言うことを聞くかと言うことを求めるのではなくて、そこは、大学ですから、知恵を絞ってですね、学生の皆さんが学修に支障がないような対応というのを考えていただくことが今は大事だと思います。それで、誤解を恐れず申し上げますけれど、学校の授業の中でクラスターが発生したりしていることは全くないわけですから、私は、そこはぜひ、知恵を絞って続けて欲しいなと思います。他方、その前後での飲み会ですとかね、あるいは、部活動やサークル活動などで、一部そういう傾向があることは否めないことだと思います。したがって、学校に来る機会をなくした方が感染が拡がらないんじゃないかというのが、多分、都知事の判断なのではないかと思います。そこは、私、この1年間ですね、学生の皆さん、本当に我慢をしてきて、よく努力をしていただいたと思います。一度もキャンパスに行かない中で、新しい学年を迎えてご苦労されて、やっと新学期になって初めてクラスメイトに会えたり、一年遅れの入学式を開催をしてもらったりということで、折角前向きにスタートした最中での緊急事態なので、本当に気の毒だし、申し訳ないなというふうに思っておりますので。ここは、フリーズしないでですね、色々知恵を絞りながら、安全、感染対策をしっかりした学生生活を続けて欲しいなと思います。一方、緊急事態宣言が、どういう期間になるかわかりませんが、短期間で思い切って閉めたいというそういうお考えも漏れ聞いておりますので、今日の会議の結果を踏まえてですね、仮に、例えば短期間だったらゴールデンウィークを挟んでですね、思い切って色んなこと我慢して、そこで押さえ込みをしようということも同時に考えなきゃいけないのかなと思っていまして、そこは、今日の会議を踏まえて、対応をまた考えていきたいなと思います。ただ、色んな街頭インタビューなどで、学生さんたちがね、自分たちは言われたルールを守って感染拡大しないようにこの1年努力をしてきたのに、結局、社会は動いていて、自分たちだけが部屋に閉じこもっていて、それで、クラスターが出ているところが、引き続き、その活動を続けているということに対しての不満をおっしゃっている学生さんがいらっしゃいましたけれど、私は、そういう気持ちもわからなくないなと思いますので、ここは、一踏ん張り、みんなで力を合わせて乗り越えて行かなきゃならないので、ぜひ、学校現場も、単純なスイッチのオンとオフだけじゃなくて、色んなことを考えながら、学生の学びをしっかり守っていただきたいなと、そんなふうに思っています。

(了)

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