萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年2月26日)

令和3年2月26日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、その他

キーワード

試験研究炉JRR-3の運転再開、ニューノーマルにおける大学教育の在り方、新型コロナウイルス禍における部活動や学校行事等の実施について、国家公務員倫理上問題とされた昨今の事例について

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年2月26日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年2月26日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年2月26日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私からは1件です。日本原子力研究開発機構が茨城県東海村に保有する試験研究炉「JRR-3」について、平成23年以降、運転を停止していましたが、その後、新規制基準に対応するための安全審査や安全対策工事が進められ、本日行われる検査が終了後、運転再開を予定しています。「JRR-3」では、中性子ビームを利用した構造物内部の非破壊検査やタンパク質等の様々な物質の構造解析、中性子の照射による放射性同位元素の製造などを行うことが可能であり、原子力のみならず幅広い分野において、学術界や産業界の多くの利用が見込まれ、関係機関などからは、これまでも運転再開に係る要望が寄せられてきたところです。今後、各種設備を調整し、本年6月末にも外部への供用を開始する見込みと聞いており、原子力機構において、安全確保に万全を期した上で、原子炉の運転、外部への供用を着実に進めていきたいと考えています。私からは以上です。

記者)
 1問質問いたします。コロナ禍の2年目の新学期の準備、いよいよ大詰めを迎えていると思います。大学では、昨年、緊急避難的にオンラインなどが中心になってきました。2年目の新学期、大学はどのように対応していくべきか教えてください。

大臣)
 コロナ禍を契機として、各大学でオンライン授業等の取組が急速に進みましたが、私としては以前から申し上げている通り、大学教育は本来対面が基本だと思います。しかしながら、こういう状況の中でありますので、オンライン授業だけで完結するものではないと考えておりまして、今後は、オンライン授業と対面授業を組み合わせたハイブリット型授業などによって、学生が十分な学修成果を上げることができる教育に努めていただきたいと考えています。新年度を迎えるにあたりまして、各大学におかれましては、昨年の経験を活かし、例えば、入学後不安を感じることが多い1年生には、対面授業の機会を積極的に設けるなどの工夫や、学期開始前に対面授業とオンライン授業がそれぞれどの程度実施されるのかをあらかじめ周知するなど、学生の不安を払拭するよう取り組んでいただきたいと考えております。1年生で、昨年、例えば都心へ出てきてですね、アパートやマンションを借りた学生さんが結局一度も対面授業がなかったために、夏休み頃にですね、マンションを一度返して、で、ご実家からオンライン授業に臨んでいるという学生が数多くいます。彼ら彼女たちはですね、新学期がどうなるのか、学校からの発表がないために改めて部屋を借りるかどうかということも今非常困っているという情報も数多く寄せられておりますので、こういった点にも、大学としてはしっかり対応していただきたいと思っています。いずれにしましても、ニューノーマルにおける大学教育の在り方については、現在、教育再生実行会議や中教審において検討いただいているところであり、その結論を踏まえて、必要な取組を進めてまいりたいと思いますが、各大学におかれましては、それぞれの学生に寄り添って、きめの細かい対応をしていただきたい、改めてお願い申し上げたいと思います。

記者)
 緊急事態宣言の関係で伺いたいんですけれども。本日、一部地域の解除が議論になるというお話で、あの、そう遠からずですね、全国的に解除になるのではないかなと考えているんですが。それで、緊急事態宣言が出た際に、部活動等に関して、留意点とか一部活動の制約とかそういう考え方を示されていたと思いますけれども、解除後のリバウンド対策をしっかりしてほしいというのを分科会がおっしゃっていると。文部科学省として、大臣としてですね、解除後の学校活動の考え方をどうお考えか。年度末、色々式典とか卒業式とか終業式とかたくさんあると思います。それから、修学旅行も年度末でもいいんじゃないかと、大臣、おっしゃられてきましたけれども、この辺りについて改めてお考えを伺いたいなと思います。

大臣)
 年明け以降、感染拡大の局面において、部活動の実施に当たっては、接触が多い運動など、感染リスクの高い活動を一時的に制限するなどの対応をお願いしてきましたが、感染状況の改善に伴って、基本的な感染症対策を講じつつ、段階的に通常の活動に移行していただければと考えております。ただ、この際、繰り返しになりますけど、活動の内容によってですね、対応が変わってくると思いますので、そこは注意をしながら対応していただきたいと思います。来月下旬には、各競技で高校生の全国大会が予定されております。昨年の春の全国大会は、感染症の影響を受けてやむを得ず中止となりましたけれども、生徒の気持ちを察すると本当に残念だったと思います。今年こそは、生徒にとって夢の舞台である全国大会が実現できるように、関係団体において万全の準備をしていただけると承知しておりますし、また、この間、色々知見が集まっていると思います。スポーツ大会をどう行ったら感染防止につながるかという、こういった知見もですね、我々も積極的に提供したいと思いますので、関係団体で協力していただきたいと思います。合わせて、年度末、もう既に報道でも一部出ていますけど、謝恩会などの中止などそういう話も出ていますけど、かけがえのないですね、節目の行事については、もちろん感染拡大に配慮しながらですけれども、できる限り、私は実施をして、差し上げていただいて、きちんと節目を作って、新しい年、年度を迎えてあげていただきたいなと。特に、あの卒業式などはですね、人数制限ですとか換気ですとか、多少不自由はありましょうけれど、ここは、今まで積み上げてきたものがありましょうから、ぜひ大事をとりながらもですね、実施をしていただきたいと思っています。修学旅行について、残り3月31日までわずかでありますけれども、これも子供たちにとっては大切な学修の機会だと思いますので、積極的なチャレンジをしていただければなと、そう思っております。

記者)
 他省の話で恐縮なんですけれども、このところ、その、農水省ですとか総務省の方で会食の問題が、幹部の職員が処分される事例が相次いでおります。これに対する受止めと、それから、どうしてこういうことが広がってしまうのか、ご所感をお聞きしたいと思います。

大臣)
 国家公務員はですね、一人一人が、全ての国民の、言うならば奉仕者でなくてはならないと思います。それぞれ色んな業界団体との情報交換などは必要だと思いますけれども、度を超えた会食などはですね、やっぱり国民に誤解を与え、また、公務員としての信頼を失墜するものだと、私、思いますので。ここは、何省がとか何庁がじゃなくてですね、しっかり襟を正して、お互いに頑張っていく必要があると思います。自慢できる話じゃないですけれど、最も早かったのは文科省でございまして、多くの幹部が処分をされですね、そして、大変国民の皆さんにご迷惑をかけた経験がありますので、我が省としては、かなりきちんとしたルール化ができあがっていますので、今までも横展開してきたつもりでおりましたけれども、改めて、こういう事態を受けてですね、文科省の失敗を、きちんと逆に、皆さんにお教えして、どういう対応が国家公務員の対応として相応しいかということは、省庁を超えてですね、しっかり発信をしていきたいなと、そう思っております。

(了)

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