萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和3年1月8日)

令和3年1月8日(金曜日)
教育、スポーツ、その他

キーワード

文部科学省新型インフルエンザ等対策本部の開催について、学校雇用シェアリンク、緊急時におけるICTを活用した学びの保障に関する民間事業者への協力依頼について、新型コロナウイルス感染者の増加と学校の対応について、緊急事態宣言下における文部科学省でのテレワークについて、新型コロナウイルス感染拡大に伴う厚生労働省から看護系大学への協力依頼、わいせつ行為等による教員の免許失効情報が官報未掲載だった件について、緊急事態宣言下における成人式の中止等、旭川医科大学長が他院を中傷したとの報道について、新型コロナウイルスと大学における対面・オンライン授業

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年1月8日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年1月8日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年1月8日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私から2件ございます。本日、先ほどですね、文部科学省の新型インフルエンザ等対策本部を開催し、文部科学省としての今後の具体的な対応について共有を図り、省を挙げて全力で取り組んでいくことを確認をしました。例えば各学校等においては、衛生管理マニュアルや本日発出する通知を踏まえて、地域の感染レベルに応じた感染症対策が適切にとられているか、改めて点検し、徹底することを求めることにしました。また、大学入学の共通テストについては、これまでも申し上げているとおり、感染症対策に万全を期した上で予定通り実施することとしました。緊急事態宣言の対象地域においては、感染症への警戒度を高め、感染症対策の更なる徹底を図っていただきたいと考えています。緊急事態宣言の対象地域ではなかったとしても、全国で感染症への危機意識を共有し、全ての関係者が当事者意識を持って対策を徹底していただきたいと考えています。
 2件目です。昨年の会見でもお話をしましたが、新型コロナウイルス感染症の影響等により従業員の雇用維持に苦慮され、雇用シェアを希望される「企業」と「教育委員会や私立学校等」をつなげるため、文部科学省ホームページ上に「学校雇用シェアリンク」を本日開設をいたしました。今回の取組は、企業が雇用維持のために苦慮されている状況の中、学校現場で活躍いただくことが雇用維持の選択肢の一つになればという思いもありますが、学校側にとっても、企業の知見の学校教育に活かす非常に有益な機会になると考えております。このことについて、学校関係者や経済団体に対して周知の依頼文書を本日発出する予定であり、ぜひ積極的にご活用をいただきたいと考えております。私からは以上です。

記者)
 1点質問させていただきます。緊急事態宣言が、昨日出されました。その出される前に、大臣が、民間事業者とオンラインで話合いが行われていました。その点に関して、話し合った上でのですね、所感、どういう手ごたえがあったかというのを教えていただけますでしょうか。

大臣)
 昨日ですね、現在の新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ、ICTを活用して児童生徒の学びの保障に取り組む観点からGIGAスクール構想の取組を支える約40団体、約100名の民間事業者の皆様とオンラインで会議を行わせていただきました。私からは、特に緊急事態宣言が発令された1都3県を念頭に、事業者の皆様に対し、端末等の納品の更なる前倒し、オンライン学習に必要な機材の貸出しやその設置・運用等の支援、学校ICT活用の支援に関する相談窓口の設置など、学校支援に向けた協力のお願いをさせていただきました。これに対して、出席された民間の方々からは、端末の更なる早期納品に向けて努力をしたいというご発言や、オンライン学習に必要な機材の無償貸出等に取り組みたい、また、既に設けている相談窓口の強化を検討したいといった力強い発言をいただくことができ、私としては事業者の皆様と問題意識を共有するとともに、学校支援に向けて前向きに検討し取組んでいただけるものと期待をしております。更に、文部科学省では、この会議の後にですね、地方自治体など、学校設置者に対して通知を発出し、緊急時におけるICTを活用した児童生徒の学習活動の支援について積極的に取り組むよう促したところであり、引き続き、民間事業者や地方自治体等と緊密に連携しながら、児童生徒の学びの保障に取り組んでまいりたいと思っております。

記者)
 コロナの緊急事態宣言に関連してお伺いします。この数日だけでも感染者数が非常に急増して、中々、残念ながらすぐに落ち着かないような状況になっております。冒頭発言では入学試験に関してご発言がありましたけれども、各種入学試験の実施ですとか授業の継続に関して、先日の臨時記者会見で示された文科省の方針、これはこういう感染状況が続いた場合でも変わることはないのかという点を伺いたいのと、併せて、宣言の発出を受けて、文科省でのテレワークの対応状況、これをお聞かせいただければと思います。

大臣)
 これまで説明してきたとおり、文部科学省から地域一斉の臨時休校を要請することは考えておりませんが、現在の感染状況を踏まえれば、社会のあらゆる分野で新規の感染者を一人でも減らすことが不可欠であり、学校も当然その例外ではないと思います。冒頭、申し上げた通り、学校の感染症対策を徹底するため、衛生管理マニュアルや本日発出する通知を踏まえて、地域の感染レベルに応じた感染症対策が適切にとられているか、全ての地域において、改めて確認の上、徹底していただくようお願いをしたいと思います。特に、緊急事態宣言の対象地域では、教科活動に関して、感染リスクの高い教育活動は一時的に停止すること。これは、既に前回もお示ししましたけど、例えば音楽の合唱ですとか、直接、児童や生徒が、言うならば接触のあるような体育の授業などは止めていただきたいということを、改めて、通知をさせていただいております。また、部活動に関しては、感染状況を踏まえ、合宿や他校等の練習試合等を一時的に制限することなど、感染症への警戒度を高めて対応いただきたいと考えています。緊急事態宣言の対象地域だけでなく、全国で感染症への危機意識を共有し、全ての関係者が当事者意識を持って対策を徹底していただくことが必要です。文部科学省も、関係省庁や地方自治体等とともに、学校や子供たちを支援するための取組を進めてまいります。また、大学のテストについてでございますが、これまでも申し上げている通り、感染症対策に万全を期した上で予定通り実施するとともに、各大学の個別入試についても、感染症対策の徹底や選抜方法などの工夫により、適切に実施することとします。このため、各大学や各教育委員会等に対して、共通テスト及び個別入試の実施に向けた感染症対策の再度の徹底について、本日、改めて通知を発出する予定です。併せて、受験生が利用する宿泊施設や公共交通機関における感染症対策の徹底などを関係省庁に改めて要請するとともに、大学入試センターの理事長から受験生への注意事項に関するメッセージを発出する予定です。文科省としては、受験生の皆さんが安心して試験に臨めるよう、引き続き、大学入試センターをはじめ、関係各所と緊密に連携しながら、政府全体で受験生の皆さんをサポートしていきたいと考えております。
 テレワークについてはですね、あの、今朝の閣議でもですね、7割という目標値を示されました。積極的なテレワークの活用に努めてまいりたいと考えています。先ほど行われた、文部科学省の新型インフルエンザ等対策本部において、緊急事態宣言が発出されている期間、テレワークや有給休暇を活用し、職員の7割出勤回避に努めるという方針を確認をさせていただきました。その具体的な内容については、今後更に検討を進めて、速やかに実施をしてまいりたいと考えています。

記者)
 手短にすみません。あの、一部の、閣僚の方々の一部ではご自身もテレワークをなさるという方もいらっしゃいますが、萩生田大臣としてはどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 私は役所へ来て陣頭指揮を執りたいと思います。

記者)
 新型コロナの感染拡大に伴って、厚生労働省の方で看護系の大学に対して、大学院生や教員が医療現場で働けるように協力を求め始めたことがわかりました。こちらへの受け止めと、看護系学生の教育機会の確保とのバランス、なかなか難しいかもしれないんですが、そのあたりの所感をお願いします。

大臣)
 厚生労働省が、看護系の大学に対して、看護師免許を持つ大学院の学生や教員に対して、医療機関等での支援に対する協力を依頼されたことは承知しています。本要請については、あくまで学生自身の教育研究活動に支障が生じない範囲での、任意の協力を呼びかけるものであり、強制をするものではないと伺っております。文科省としては、感染拡大に伴い、医療の供給体制の維持が困難になろうとしている状況で、医療現場での支援活動への参加を希望する大学院生や教員が、速やかに支援の必要なところとつながることができることは有意義であるというふうに考えたことから、ナースセンターなどの参加希望者の登録先などについて厚生労働省と連携して周知を行ったところです。文科省としては、引き続き、各省と連携しながら対応してまいりたいと思います。いずれにしましても、強制的に現場に行ってくれということではありませんので、有資格者の皆さんがですね、いずれは現場に立たれることも前提で学んできたその経験を現場で活かすことは決してマイナスばかりではないと思いますので、授業に支障がない範囲であれば、ぜひ、こういう緊急事態の中ですから、志のある皆さんにお手伝いいただくことは有意義なのではないかなと思っています。

記者)
 わいせつ教員の問題で伺います。わいせつなどで懲戒免職になって免許を失効した教員の氏名が官報に掲載されていなかった問題で、昨年末ですけど、読売新聞の調査で2019年度までの10年間で10都道府県で教員61人分の不掲載が確認されました。今年の2月から官報情報検索ツールの期間を40年に延ばして、対策強化するということですけれど、漏れがあれば、それも少し、意味を失ってしまう部分もあるのかと思うんですが、この多数の掲載漏れがあったことについての受止めと、何か対策やお考えがあれば教えてください。

大臣)
 法律上、懲戒免職処分等により教員免許状が失効した場合には、都道府県教育委員会はその旨を官報に公告しなければならないとされております。この手続が複数の都道府県教育委員会において行われなかったことは、誠に遺憾だと思っています。文科省においては、昨年11月30日に、各都道府県教育委員会に対し、懲戒免職処分等により教員免許状が失効した場合の返納手続きや官報公告の手続きについて徹底を図るように周知をしたところでありまして、官報未掲載事例があったとの報告のあった都道府県教育委員会に対しては、速やかに官報公告を行うよう指導をしているところです。官報公告の手続は、官報情報検索ツールが適切に活用される前提条件となるものでありますので、文科省としては、引き続き、適切な手続の実施について周知・徹底を図ってまいりたいと思っております。

記者)
 成人式のことについてお伺いしたいんですが。新成人、みんな大学生ばかりじゃないので所管外かもしれなくて恐縮なんですけども、緊急事態宣言で成人式を実施しないところがあったりとかして、今年の大学生は学校にも行けず、実家にもなかなか帰省できずに寂しい思いをしている人も多くて、ショックを受けてる人も多いと思うんですけれども、実施する・しないという対応が分かれていることですとか、こういったことについて大臣の受止めをお願いいたします。

大臣)
 成人式につきましては、昨年の12月11日の新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言において、「ステージⅢ相当の対策が必要となる地域では、主催者はオンラインを活用した形での開催や開催時期、時間の分散化等、在り方について慎重に検討すること」等とされているとともに、昨日改訂された基本的対処方針を踏まえて内閣官房から都道府県及び各府省庁に通知をされた宣言対象地域のイベント開催制限等に係る留意事項として、オンライン又は延期を呼び掛けるとされております。文科省としても、その都度周知を行っているところでございます。今、お話しがあったように、今年の成人を迎える二十歳の皆さんは、大学生や専門学校生、また働いていらっしゃる方もいらっしゃると思いますけれども、ただでさえコロナでですね、実家に帰れなかったり、予定していた旅行にも行けなかったりということで大変寂しい思いをされた学年だと思います。地元の同級生と顔を合わす、極めて貴重な、一生に一度のですね、思い出に残る機会が奪われるということはすごく残念なので、実は私の地元も、昨日中止の連絡がきました。私、市長や議会の議長とも相談をしまして、11日の中止はやむを得ないのだけれども、コロナが収束した段階で、今年の対象者を、ぜひ一度笑顔で集まれるような機会を作ってあげようということを呼びかけまして、別のイベントをやろうということで合意をしたところでございます。ぜひですね、各自治体におかれましても、やむを得ない中止の判断もあると思いますが、ぜひ、新成人に寄り添った何らかの対応というのを考えていただいたら、所管外ですけれど、ありがたいなというふうに思っているところでございます。

記者)
 北海道の旭川医科大学の学長、吉田学長がですね、大学病院で新型コロナウイルスの感染者の患者受け入れることを巡って、院長に対してですね、お前が辞めろ。受け入れるならお前が辞めろ、とそういう発言をされたという問題が報じられています。それで、文科省も調査に入っているということなんですが、大臣も報告を受けていらっしゃると思うんですが、この発言についてどういうふうに受け止めていらっしゃるか、また、今後の調査はどういうふうにされていくのか教えていただきたいなと思います。

大臣)
 この発言の事実についても含めて、今、事実関係の確認をしているので。報道など含めた一連の報告は聞いていますけれど、その前後がどういう状況だったのかとかですね、そういうことが分からなくて言葉だけ切り取ったところで、これがいいか悪いかと言われれば、そのワードだけ聞けばですね、不見識だなというふうに感想としては思いますけれど、なぜこういうやりとりになったのかというのは、含めて、今調べています。本来、その学校の理事会やあるいは監事がいるわけですから、文科省が調査をするまでもなく、学内でこういう問題についてはしっかり整理をして、もし正すところがあれば正すべきだと思いますけれど、12月の25日にですね、念のため、事実関係の確認を行うための文書を大学側に発出をしておりますので、その返事を見て、関係者へのみなさんへのヒアリングを行うなど、対応も含めて、適切な対応をしていきたいなと思っています。

記者)
 緊急事態宣言の関係で伺いたいんですけれども、緊急事態宣言、発令が決まったという辺りから、大学の授業が全面的にオンラインに戻すというような判断をしている大学が、かなり、首都圏で相次いでいます。文部科学省としては、大学に関しては、対面が必要だと考えられる部分は対面でと、オンラインで可能だという部分はオンラインでというような形でずっとお願いされているところだと思うんですが、出勤7割削減というような制約もある中でですね、対面がかなり難しいというような大学も出てきていて、感染状況もかなり、相当増えているということで厳しいという声も上がっています。この辺り、大臣としてどう受け止めてらっしゃいますでしょうか。

大臣)
 年頭の会見でも申し上げましたとおり、大学等における授業の実施については、感染対策をより慎重に講じた上で、対面授業の実施が適切と判断されるものは、引き続き、その実施を検討しつつ、対面授業と遠隔授業を効果的に活用、学生の学修機会の確保と感染防止の徹底の両立を図ることが重要と考えております。ただ、今ご指摘がありましたように、緊急事態宣言が出てですね、その対象区域に所在する大学について、例えば授業以外の課外活動における感染症への警戒度を一層高めていただくことですとか、懇親会や飲み会については自粛も含めて検討するよう学生や教職員への注意喚起を徹底することなど、感染拡大の防止措置も遺漏なく講じていただく必要があると思っております。昨日決定された基本的対処方針においても、大学における授業については、「感染防止と面接授業・遠隔授業の効果的な実施等による学修機会の確保の両立」に向けた適切な対応を求められており、文科省では、この趣旨を踏まえ、各大学等における授業の実施に関する留意事項や学生などへの注意喚起の徹底について、本日、改めて通知を行う予定でございます。確かに、私、対面の必要性はずっと訴えてきましたけれど、何が何でもですね、対面を増やせという状況では、緊急事態宣言が出た以上、ないわけですから、それこそやっぱり各大学で知恵を絞っていただいて、いつも申し上げているように、例えば、これ1年生、全くキャンパスに来ないまま1年が終わろうとしているわけですから、他の授業はオンラインに徹底する代わりに、例えば1年生は週何回か分散をして対面をするなどのですね、工夫をしていただく中で、学生の皆さんがきちんと納得のいく修学機会の確保っていうのを、各大学が心がけていただくことが大事だと思いますので、一律に何パーセントまで増やせとか言うつもりはございません。ここは、状況をしっかり見ながらですね、各大学の知恵を、工夫を、ぜひ発揮をしていただきたいなと、そう思っております。

(了)

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