萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年12月1日)

令和2年12月1日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

H-ⅡAロケット43号機による光データ中継衛星の打上げ、放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化、宇宙開発について、高等学校における情報端末の整備、学校法人慶應義塾と学校法人東京歯科大学の合併の協議

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年12月1日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年12月1日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年12月1日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私から2件です。先ほど閣議でも報告しましたが、11月29日に、H-IIAロケット43号機による光データ中継衛星の打上げが成功しました。我が国の基幹ロケットとしては50機連続の打上げ成功、成功率は98.2%となり、着実に実績を積み重ねていることを喜ばしく思っております。今回打ち上げられた光データ中継衛星は、人工衛星の観測データを光通信により中継し、地上にリアルタイムに近い形で送信するための技術実証を行うものです。この衛星の配備により、例えば、災害発生時の状況把握を適時・効果的に行うことが可能となるなど、防災や減災、国土強靭化等に大きく貢献するものと期待をしております。今後、打ち上げられた光データ中継衛星が所期の目的を達成し、国民の皆様の安全・安心に貢献できるよう、文科省としても関係機関と引き続き尽力をしてまいりたいと思います。
 もう1件、昨日、文化審議会の著作権分科会の下に設置された「放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化に関わるワーキングチーム」において、報告書案の内容が了承されました。その中では、多岐にわたる課題について、総合的な解決を図るための制度改正の方向性が示されており、これに沿って対応を行うことで、放送番組の同時配信等が抜本的に円滑化され、視聴者・放送事業者・クリエイターの全てにとって利益となることが期待できるのではないかと考えております。今後、更に文化審議会著作権分科会において委員からご意見を伺いながら検討を進め、最終的な報告書が取りまとめになりましたら、その内容に沿って、速やかに法案等の整備を進めてまいりたいと思っております。私からは以上です。

記者)
 H-IIAロケットに関連して、今週末には「はやぶさ2」の帰還がある、野口飛行士の搭乗もありました。宇宙関連の話題が続きますが、大臣のご所感を改めてお聞かせください。


 大臣)
 今般の光データ中継衛星は災害対策にも貢献することが期待をされ、また、「はやぶさ2」はですね、太陽系の起源に迫り、まさに知の創造に大きく貢献するものと考えています。このほか、今ご指摘のありましたように、米国提案の「アルテミス計画」への参画機会を活用して深宇宙探査に必要な能力の獲得に挑みつつ、日本人宇宙飛行士の活躍機会を確保すること、H3ロケットや革新的将来宇宙輸送システムの開発を進めるとともに、先進的な衛星を開発することなどにも力を入れ、近年、特に重要性が増している宇宙空間において我が国のプレゼンスを向上させることにも、宇宙開発の意義を国民の皆さんにしっかりと発信し、理解を得つつ、多くの国民に夢や希望を与えるような取組を進めてまいりたいと思います。

記者)
 高校生の1人1台端末の配布について伺いますが、昨日の自民党の文部科学部会で、高校1年生を対象に2022年度を目処に端末を配布するというような話も出たというふうに承知していますが、大臣、今までの発言ですと、高校生への端末の配布というのはそれぞれの事情があるということで比較的慎重なお考えだったと思うんですけれども、改めて、高校生のGIGAスクール構想についてお考えお聞かせください。

大臣)
 高校1年生に1人1台って、文科省が、党が提案している、話があったということ。

記者)
 そういう検討ということで。

大臣)
 文書には書いていないですよね。はい、分かりました。
 令和の時代にあって、デジタル化の推進、質の高い教育を実現する上で、まさに必要不可欠なツールだと思っておりまして、高校生も含めて、将来的には全ての子供たちに対するICT環境整備は必要だと、それは考えております。高等学校の端末については、地方自治体が独自の財源を確保して端末の調達を既に進めている事例や、個人の端末の持込み、特に、私立の高校などは入学時に購入をしてBYODで対応しているという実態もありますので、多様な実態をしっかり承知した上でですね、また、あの以前もお話ししましたけど、農業高校ですとか工業高校などでは、例えば、スペックの低いパソコンを配ってもそれでは授業では活用ができなくてですね、もう少し高度なICT機器を活用した学習場面というものが必要になってきますので、ICT環境整備を図るということを考えております。文科省としては、このような多様な実態やこれまでの高等学校におけるICT環境整備の進捗状況も踏まえて、GIGAスクール構想に基づいて、高等学校におけるICT環境の1日も早い整備に向け最大限努めてまいります。あの、画一的な支援じゃなくて、色々柔軟な対応をしていくことが必要なのではないかと思っています。

記者)
 時期について、スケジュール感について、何か明確なお考えはありますでしょうか。

大臣)
 これは、義務教育のGIGAのように今年度いっぱいというわけにはいきませんので、あの、計画的・段階的にやりたいと思いますが、まずは、あの、来年、切れ目なくスタートをしたいと思っています。

記者)
 それは、高校についてもということですか。

大臣)
 来年から高校生について切れ目なくやって、1年間で3年生分はできないと思うので、ちょっと対応は、ゆっくり考えたいと思います。

記者)
 先週、慶応大学と東京歯科大学が合併協議を始めると発表しました。こちらに対する受止めと、また、ビッグネーム同士が合併したことによって他大学への影響について教えてください。

大臣)
 学校法人慶應義塾と学校法人東京歯科大学において、歯学部の統合及び法人合併により、総合大学として研究力・教育力が一段と向上する、学術的な研究・教育の推進により健康長寿社会の実現に貢献できるといったことから、合併等の協議を行うという報道があったことは承知をしております。既に、薬学部との統合・併合も発表しておりますので、これをもって、医療系の総合大学として、研究の幅を広げることができるのではないかと思っておりますので、そのことは期待をしたいと思います。大学、学校法人の枠組みを超えた自主的な大学経営の取組として、他大学への影響も含めですね、今後、動向を見守りたいと思っています。あの、どういう影響があるのか、今の段階では想定ができませんので、経営基盤を強化をし、更に学術的に幅の広い研究、あるいは授業を子供たちに提供できるんだとすれば大いにいいことだと思いますし、また、それが違う方向に行ってしまうと学生にとっても迷惑な話だと思いますので、その辺はよく動向を見極めていきたいと思っております。いずれにしても、医学や歯学というのは、これ、オンラインだけで授業をやるわけにはいきません。対面の必要性も一緒に考えていただきたいなと思っております。

(了)

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