萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年11月24日)

令和2年11月24日(火曜日)
教育、文化、その他

キーワード

文化庁の京都移転、新型コロナウイルスの感染拡大と学校での感染対策、新型コロナウイルスの感染拡大と大学入試、令和2年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査について

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年11月24日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年11月24日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年11月24日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。今日、私からはございませんのでどうぞ。

記者)
 文化庁のですね、京都移転に関連してお伺いします。京都移転のシミュレーションがですね、10月5日から11月20日まで行われました。その間ですね、国会対応等々も遠隔であったかと思うんですけれども、今回出てきた課題と成果について、大臣はどう評価されるか。合わせてですね、菅政権が、デジタル化を推進しているわけなんですけれども、文化庁の本格移転を進めるに当たってもですね、この政策がどういうふうに作用するか、お考えをお聞かせください。

大臣)
 文化庁においては、京都移転に当たっての諸課題の整理・検証のため、10月5日から11月20日までの間、移転シミュレーションを実施しました。移転シミュレーションでは、移転予定課の職員が一週間ごとに交代で京都において通常業務を行い、国会対応や庁内外のやり取りが円滑に行えるかの検証をしました。現在は、その結果の集計・分析を進めているところであり、本格移転後における国会対応、他省庁との連携、テレビ会議システムなどICT機器の活用などについて、今後、具体的な検証を進めてまいります。また、菅政権が掲げるデジタル化の方針の下、政府全体のデジタル化が進むことにより、文化庁における東京・京都間の遠隔対応がより円滑になるように着実に取り組んでまいります。ご指摘のあったように、政府全体で互換性あるシステムを作っていただかないと、文科省の本庁と文化庁の出先とはできても他の役所とできないのでは、これ、何の意味もないと思うので。そこは、まさに、平井大臣の下で、デジタル庁が横串を刺してシステムの一元化というのをやっていただくのが望ましいと思います。誤解を恐れず申し上げますけれど、国会対応で、やっぱり、突然課長を呼べとかですね、特に、野党の皆さんからそういうご指摘があって、画面ではなかなか事が進まないこともあったやに承知をしておりますので、この辺は、ぜひ、移転を前提に国会側もご理解いただきたいなと思っております。

記者)
 関連してですけれども。本格移転自体はですね、22年度中ということで、当初の計画よりは延びたわけなんですけれども。それ以外の部分で言いますと、大臣も、あの、京都を視察されましたけれども、順調にきているなという認識はおありでしょうか。

大臣)
 遅れちゃって順調だってのもおかしな話なので。たまたま建設予定地に遺跡・遺構が出たということで、京都でありますから十分考えられることだったのだと思います。私も、あの、移転先の庁舎を見ましたけれども、本当に古い良い建物で、ちょっとお隣の財務省に似ていて嫌な感じがしましたけれど、あの、そういう意味では、風格ある建物だなという感じがいたしました。あの、ぜひですね、もちろん修復はしますけれども、そのコンセプトは残すわけですから、例えば、昭和初期の、舞台にしたドラマや映画などは、ぜひ、フィルム・コミッションで開放しようってことも現地でお約束をしてきたところでございまして、順調かと言われれば遅れておりますけれども、遅れたことで、また、色んな知恵が加わって良い移転ができるんじゃないかってことを期待しています。

記者)
 新型コロナの感染者数、増加続いているんですが、全国的な休校措置や学校での感染対策について、現時点で考えている対策などがあれば改めて教えてください。また、先週、大学団体の意見交換もありましたが、今度、感染者数が増えたときに、共通テストや個別入試の延期など、対応について現時点でどのように考えておられるか教えてください。

大臣)
 新型コロナウイルスの全国の感染者は2,000人を超え、過去最多を更新する日が続くなど、学校の設置者や学校においても、感染の拡大に最大限の警戒をする必要があります。寒い環境における換気の実施などの寒冷な場面における感染症対策の留意点などについて、今後、改訂する衛生管理マニュアルでお示しする予定ですが、学校の設置者などにおかれては、衛生管理マニュアル等に基づいた基本的な感染症対策が徹底されているか改めて点検していただくようにお願いします。また、11月13日に発出した事務連絡でお示ししたように、各学校においては、家庭での健康観察を徹底をしていただいて、引き続き、家庭と連携していただくとともに、設置者においては、保健所との連携を深め、地域の感染状況の迅速な把握に努めていただきたいと考えております。感染者が各地で増加をし、子供たちや保護者の皆さまも感染への不安を抱く、強く抱いていられると思いますので、学校の設置者等におかれましては、学校における感染対策の取組状況について、丁寧に説明をしていただきたいと考えています。文科省では、学校関係者に感染者が発生した場合に設置者等に報告を求め、感染状況の把握に努めているところであり、引き続き、関係省庁と連携し、必要な指導助言などを行ってまいりたいと思います。なお、現時点で、文科省から一斉臨時休業の要請をすることは考えておりません。大学の入学の共通テストに関しては、基本的に、予定通り実施する方向で考えています。このことにつきましては、10月15日の新型コロナウイルス感染症対策分科会において共通テストの感染症予防対策などをご審議いただいた際には、専門家からも、入試は他のイベントと異なり感染リスクが低い、大学受験は人生にとって重要であり、感染拡大のステージが上がった地域の場合でも試験が実施できるよう準備してほしい、感染がかなり拡大する場合には、むしろ事前の健康管理を厳格に実施をすべきなど、試験の実施を前提に、しっかりと準備をしていくことが重要という趣旨のご意見があったと聞いています。また、先週19日に行われた「大学を取り巻く情勢に関する意見交換会」におきましても、各大学の個別入試について、感染症対策を含め入念に準備いただくよう要請したところであり、地域ごとの感染状況や各大学の実情などを踏まえて、受験生にとって不利益な事態が生じないよう、最大限の配慮や工夫を行っていただきたいと考えています。文科省としては、今後の感染状況を注視しつつ、引き続き、受験生の皆さんが安心して受験できるよう、大学入試センターをはじめとした関係各所と緊密に連携しながら、必要な準備をしっかり進めてまいりたいと考えています。

記者)
 コロナに関連するんですけれども、来春卒業予定の就職希望する大学生の内定率、これ、リーマンショック後に次ぐ下落幅を記録しました。こちらの受止めと、今後、感染も拡大する中、今後の影響や対応についてお聞かせください。

大臣)
 新型コロナウイルス感染症の影響などにより、令和3年3月の新規大学卒業予定者の10月1日時点での就職内定率は69.8%と、調査開始以降最低値だった57.6%までは至らないものの、予断を許さない状況であると認識しております。まだ就職活動を継続している学生の皆さんには最後まで諦めずに頑張ってほしいと思います。文科省では、これまでも関係省庁と連携し、経済団体を通じて、企業における新卒者の採用について、中長期的な視点に立った採用をお願いしているところですが、先月には、内閣官房、厚生労働省、経済産業省とともに、「新卒者等の採用維持・促進に向けた取組」を取りまとめ、これに基づいて経済4団体に対して要請を行いました。特に、希望した就職へのチャレンジすらできず、落ち込んでいる学生がいるという話も伺っていることから、同要請においては、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者は、新卒予定者等の採用枠に応募できるよう、改めて柔軟な対応をお願いしました。加えて、先週、大学団体を代表する学長との意見交換を行い、就職活動中の学生が不利益を被ることなく、存分に力を発揮できるよう各大学に対しても丁寧な対応をお願いしました。文科省としては、前途ある学生の皆さんの就職の機会を守るため、引き続き、今後の動向を注視していくとともに、関係府省と取りまとめた「新卒者等の採用維持・促進に向けた取組」にある、大学と新卒応援ハローワークの更なる連携による新卒者への支援の強化、大学の特色ある就職支援の取組を広く展開することによる各大学での取組の促進、ミスマッチ防止のため、各府省と連携して学生のオーダーメード型の就職支援に資する有益な情報を集約する、提供などに取り組むなどを通じて、第二の就職氷河期世代を作らないように、引き続き、全力を挙げてまいります。リーマンショックの経験がありましたので、ハローワークとどう連携をしていくかによって、学生たちに新たなニーズを届けることができるとかですね、それから、都心で就職をしようと思っていたけれども、この際、故郷へ帰って就職を考えようという人たちに対する情報提供など、過去の経験を踏まえてですね、少しバージョンアップした丁寧な取組をしていますので、引き続き、学生の皆さんの支援をしていきたいと思っています。

(了)

お問合せ先

大臣官房総務課広報室