萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年10月13日)

令和2年10月13日(火曜日)
教育、科学技術・学術

キーワード

受験生等への支援金に関する公明党からの申し入れ、SNSによる教職員児童生徒間の私的なやり取りについて、日本学術会議会員の任命、国立大学法人学長の任命、デジタル化に対応する教員の資質、学校のルールと生徒

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年10月13日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年10月13日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年10月13日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。今日、私からは特別ございません。

記者)
 公明党が、先週、大臣に要望した受験生に2万円支給する支援金について、受験生から期待の声が上がる一方で、なぜ大学受験生だけなのかという疑問があると思いますが、文科省での検討状況と大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 先週6日にですね、公明党の皆さんから今ご指摘の要望がございまして、申入れを受けたところでございます。私としては、今年、特別なコロナでですね、大変苦労された高校三年生などに旅立ちの支援をする、何らかの寄り添った支援をして差し上げたいという気持ちは同じなのですけれど、要望書の中には、例えば、浪人生の受験料のことなども書いてありまして、そうなると趣旨が何なのかと。受験料の代替ということであれば、高校受験をする中学生だって同じように財政的な負担はあるわけですから、要するに、その目的は何なのかということも含めて与党でよく相談をしてほしいということでお持ち帰りいただいて、与党間での協議に委ねているところでございまして、省内では、まだ具体的な検討はしていません。

記者)
 わいせつ行為をした教員の問題についてお尋ねします。読売新聞の全国調査で、懲戒処分を受けた教員の半数近くが被害生徒らとSNSで私的なやりとりをしていたことが分かりました。都道府県政令市教委の7割は、SNSで児童生徒と私的なやりとりをすることを禁じていますが、3割は定めていません。こうした実態について大臣の受止めと、文科省として対策について考えていることがあればお聞かせください。

大臣)
 教職員が、SNSなどを用いて児童生徒や保護者に業務上必要な連絡を行うこともあると承知をしておりますが、児童生徒との間で私的なやりとりを行うことは適切ではないと思っております。各教育委員会においても同様の認識だと考えており、各教育委員会の通知等により、教職員と児童生徒との間で電話、メール、SNSなど私的なやりとりは行わないことを示したり、通知等がない場合でも、そのような私的なやりとりを行わないよう研修等で指導したりしていると承知をしております。文科省においては、各教育委員会の人事担当者を集めた研修会等で、メールやSNSなどによるわいせつ事案への対応状況などについて取り上げて協議を行い、服務規律の徹底を促してきたところです。教職員によるわいせつ行為等の根絶に向けては、様々な実効性ある対応を講じていく必要があると考えており、教職員が児童生徒とSNSなどによる私的なやりとりを行うことは適切でない旨を明確化するなど、各教育委員会において適切に対応いただくように、徹底してまいりたいと思っております。

記者)
 改めて、全国に通知を出したりとか、そういったようなことは考えていますでしょうか。

大臣)
 報道を見た後ですね、4割でしたっけ、ルールが決まってないっていうご指摘が記事にあったのですけれど、確認をしましたところ、必ずしもそういう趣旨じゃなくて、要するに、明文化していないけれどもきちんとやっているところもあるということだったのですが、今後、こういうことが広がっていかないようにですね、正直申し上げて当たり前のことだと思うんですけれど、あの、例えば、部活動の練習場所の変更など、一斉メールなどSNSを多用している便利さっていうのもあるのだと思いますので、適切に使っていただくということが大事なので、少なくとも、その、教員と生徒がですね、個別にプライベートなことでやりとりするというのはあってはならないと思いますので、時機を見て徹底してまいりたいと思います。

記者)
 日本学術会議の件でお聞きします。政府が日本学術会議の新規会員6名を任命拒否した問題でですね、先週金曜日辺りから、先週辺りから、日本の国内外や海外メディアなどで、海外の主要科学誌などで、任命拒否に関する件を色々報じており、任命拒否の偽を求め、再び任命するようにする要望を含む緊急声明が出されています。こうした国内外での動きに関して大臣の受止めをお願いします。

大臣)
 ご指摘の声明等がなされていることは報道などを通じて承知をしておりますが、日本学術会議の会員については、内閣総理大臣が任命することとされており、前回もお答えしましたけれど、所管外につき、私からのお答えは差し控えさせていただきたいと思っています。

記者)
 同じく、日本学術会議のことでお伺いします。任命、絡んでですね、国立大学法人の学長の任命権について。同様に、その、国立大学法人法では、法人の申し立てに基づいて文科大臣が任命するとなっていますが、同様の趣旨の法律の文言になってますけども、国立大学法人の学長を任命する・任命しないという選択肢は文科大臣にはございますでしょうか。

大臣)
 法人からの申出にですね、明確な、形式的な違法性がある場合や、明らかに不適切と客観的に認められる場合などを除いて、法人の申出に基づいて任命するものとこれまでの関係法令において整理をされておりますので、あるかと聞かれればないとは言えない、ある可能性は否定できません。ただし、それはあくまでも今申し上げたように、形式的な違法性ですとか、明らかに不適切と客観的に認められる場合を除いてのことでありますので、基本的には、申出を尊重したいと思っていますし、また、その申出に至るまでの間、各大学ではその選考会を作り、あるいは、その学校によっては選挙も行われておりますので、そういうプロセスが明らかでありますので、基本的には申出に基づいて、私の方で、任命を行うという手続きには変わりはありません。

記者)
 それは形式的に任命権だというご認識なんでしょうか。

大臣)
 国立大学法人の長の任命は、大学の自主性・自律性を尊重する観点から、法律上、学長選考会議の選考により行われる国立大学法人の申出に基づいて行うとされておりまして、今申し上げたように、そこに形式的な違法性などがなければ、それは了解をするということになっています。

記者)
 もう一点すいません。政治と科学、科学者の関係についてお伺いしたいんですけど。やはり、人事などで、今回の問題に限らず、人事などで、やはりその、政治家もしくは政府からですね、口出しがあったりとかですね、何か影響力が行使されると、やはりその、科学というのは自由で自立した多様的な発想の元にイノベーションというのが行われると思うんですが、そういう介入、介入とまではちょっと言えないかもしれないですけど、何か関わりを持とうとすると、そういうイノベーション、大臣も普段からイノベーションが大事だとおっしゃってますけど、そういうものに影響が出てくるんじゃないかという懸念が、私、個人的にはするんですか、その政治と科学の関わりについてどういうふうにご認識されてますでしょうか。

大臣)
 一般論としては、学問の自由が保障されるものだというふうに思っておりますので、それはそれぞれ自由な研究を続けていただきたいし、そこが、政治が政治的な意図を持ってですね、研究を止めるとか、あるいはなんだか、そういった人事でですね、圧力をかけるようなことは、私はあってはならないと思っています。ただ、今回のこの学術会議の件は、言うならば、特別職の国家公務員に任命する内閣総理大臣の任命でありまして、若干、その研究内容がどうしたこうしたという話とは違うのだと思っています。

記者)
 昨日の夕方なんですけども、規制改革推進会議のワーキンググループが開かれまして、その中で、デジタル化に適応した人材を育成する観点から、教員のですね、資格要件とか雇用条件、これについての規制緩和というものを、少し本格的に議論した方がいいということで、それが重点課題に取り上げられることになりまして、河野大臣の臨席の中ででそういう議論になっております。もちろん、中教審でも、教員の資格の問題とかっていう議論されているんですけども、なかなかこのデジタル化という文脈の中で、今まで教員の資格とか雇用条件とか、そういう専門家を学校に入れていくというようなことについては、あんまり議論がなかったように思うんですけれども、これについて、どのように受け止めて、どういう対応をしたいというふうに今のところお考えでしょうか。

大臣)
 まず、その昨日の夕方の会議の中身を、私、全然存じ上げませんので、その指す教員っていうのがですね、よく私が申し上げている義務教育の教員のことなのか、高校や大学の教師、教授のことなのかについて、ちょっと事実関係が分かりませんから踏み込んだコメントは避けたいと思うのですが、多分、共通の認識としては、こういうデジタル社会がきたときに、今の教育者、教職養成課程において、そういったものを中心に教職養成をしてないものですから、そういう意味では専門家を育てていかないといけない。専門的な知識を、もう少し教職課程で増やしていかなきゃなんないっていう問題意識は、私も同じものがあります。それから、特別免許状が現在でも存在するわけですから、一定、外部の方であっても、一つのテーマにとって有益な、非常に優れた能力を持った方が、一時期ですね、学校現場に入って、特別な何かを教えていただくことがあるってことは、これはデジタルに限らず、可能性を広げているところでありますので、そういった中にデジタルに精通した方が出てくるってことは否定をするものではありませんけれど、ちょっとその会議がどういう会議だったのか、教員というのは誰を指すのかちょっと分かりませんので。また調べてみます。

記者)
 一応、教員は、そこも私、気になったので聞いたんですが、義務教育から高校・大学まで含めて、幅広くまず議論の対象には考えていきたいと。で、できるところから速やかに結論を得るという、いつもの規制緩和についての思想で当たりたいということでありました。

記者)
 ローカルな話題で申し訳ないんですけど、ある都立高校でですね、生徒が、生徒会が、校長と直接話し合って、生徒の民意としてですね、髪を茶髪に染めたりとかしないでくださいというような指導の撤回を求めたそうなんですけども、学校側はその生徒会側の意向をスルーしてちょっと取り合っていないという状況であると。また、髪染めのその指導の撤回を求める生徒会役員候補の選挙公報の内容を教員が問題視して、生徒を呼び出すなどの選挙干渉とも言える行為が行われました。こういったことというのは、やっぱりその、主権者教育という観点からもあんまりよろしくないと思うんですけれども、大臣の、ちょっとそのご感想というか、生徒会の運営の在り方に関する大臣のお考え、ちょっとお聞きできればなと思うんですが。

大臣)
 よく話題になる校則との関係の問題もあると思うのですね。それぞれの学校が、それぞれの学校の価値観や様々な経緯を経て校則を定めているので、その中で、その校則の変更については、生徒と学校側とよく話し合いをするということはあってもいいと思います。あの、例えば、時代に合わないルールもきっとあるのでしょうから、それはそれで話し合う機会を持って、そして、一定の理解がお互いできればですね、校則変更していけばよろしいと思うのですけれど。茶髪がいいかどうか、直ちに聞かれても、そこはちょっとその学校がどういう判断したのか、ちょっと私は分かりませんので、コメントは控えさせていただきたいと思いますが、かなり、高校の場合はですね、学校のルールと生徒の自由度と、割とこう非常にバランスが取れているのじゃないかと私は思っていますけれど。中にはそういう厳しい時代に合わないルールを、ある意味強要されて、学生側としては納得がいかないっていうことがあれば、そこはそれぞれの学校で対応してもらいたいなと思います。

記者)
 分かりました。すいません、ありがとうございました。

(了)

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