萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年8月7日)

令和2年8月7日(金曜日)
教育、科学技術・学術、その他

キーワード

国士舘大学及び国立天文台の視察、大学入学共通テスト、新型コロナウイルスと児童生徒の感染、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル、靖国参拝

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年8月7日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年8月7日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年8月7日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私からは一件です。昨日8月6日に、国士舘大学及び国立天文台を訪問してまいりました。メディアの皆さんには、もうしばらくご同行は控えていただこうかなと。特に、学校施設だったのでご遠慮いただきましたけれども、報告をもってご理解いただきたいと思います。まず、国士舘ではですね、町田市に新設をされる楓の杜キャンパスを視察しました。新設のグラウンドを拝見するとともに、今後このキャンパスでは、障害者専用のスポーツ施設を整備していきたいとの学校側の説明をいただきました。また、学内の新型コロナウイルス感染症対策として、感染拡大防止のガイドラインを定めたほか、大学の段階的再開に向けたロードマップも策定する予定であると伺いました。私からは、このような大学の取組に加え、感染防止に充分気をつけていただいた上で、対面授業の実施や遠隔授業との併用、学生同士の交流機会の確保についても配慮いただくようにお願いしました。
 また、国立天文台では、大型光学赤外線望遠鏡「すばる」に搭載されている日本独自で開発した超高感度・低ノイズの赤外線センサー、大型電波望遠鏡「アルマ」に搭載されている世界最高性能の電波受信機システムなど、天文観測機器の実際の開発状況の説明を受けるとともに、最新の観測データや3次元シミュレーションに基づいて、宇宙の構造を立体的な映像として体感できるプロジェクトの説明を受けるなど、天文学の最先端の研究状況を把握することができました。今回訪問いたしました関係機関の皆様の取組に改めて敬意を表し、御礼を申し上げたいと思います。文部科学省としても、引き続き、大学等における新型コロナウイルス感染症対策等への支援や、世界最先端の技術や研究者の知見を結集して進める研究プロジェクト等をしっかり推進してまいりたいという思いを新たにしたところです。私からは以上です。

記者)
 二点お伺いします。ともに共通テストの第二日程の会場についてになります。まず、一点目ですが、先週の会見で、大臣、第二日程の希望、意向調査について、第二日程32,000人ほどが今の段階で希望しているとおっしゃっていましたが、それに対して、どのような規模で第二日程の会場が必要だとお考えでしょうか。検討状況を含めて教えていただけますでしょうか。

大臣)
 今回、受験日に関する意向調査の結果を踏まえ、8月4日付けで、文科省から、各大学に対し、第二日程を選択する受験生が確実に当該日程で試験を受けることができるように、試験会場を確保することに関する依頼通知を発出をしたところでございます。これを受け、各大学においては、今後の学業の進捗状況等によっては、現時点で第一日程の選択を考えている生徒の一定数が第二日程を選択し得ること、また、病気等により第二日程を追試験として受験する者がいること、離島・へき地の受験生にも可能な限り配慮した設定とすること等に配慮し、試験会場の確保を進めていただきたいと考えております。現時点では、生数字って言いますか、それで約3万数千。いろんな状況を考えますと、最大でも10万人ぐらいが受けられるような受け皿をきちんと用意していきたいと思いますし、既にお約束しているように、各都道府県で会場を設定していきたいと思っています。その場合、例えば、北海道のようにですね、広い道内に1か所、札幌だけっていうことになると、道内の多くの高校生、大変苦労されるので、その辺は意向調査の中身をしっかり確認した上で、できる限り、近い場所で試験が受けられるような環境に努力をしていきたい。また、そのことをあらかじめできるだけ早い時期に公表していきたい、そんな準備をして参りたいと思います。

記者)
 あと、今、公表についてご言及があったんですけれど、学生が、受験生が出願する段階で、どの都市に第二会場が、第二日程の会場があるかというのを公表される考えありますでしょうか。

大臣)
 できればそれに間に合わせて公表して差し上げるのが親切だと思いますが、相手と言いますか、貸していただける、協力いただける各法人とのやりとりなどもありますので、今の段階でお約束できませんけれども、努力したいと思います。

記者)
 昨日ですね、感染経路について、学校の児童生徒が感染した場合の感染経路についての発表がありました。家庭内は57%、学校内でが5%という分析結果になったわけですけれども、改めて、学校での感染拡大をどのように防いでいくか、お考えをお願いします。

大臣)
 文部科学省では、各学校設置者からご報告をいただいた感染事例を踏まえて、今後求められる対策等について通知を取りまとめ、また、学校の衛生管理に関する参考となる「衛生管理マニュアル」の記載内容を更新し、昨日、教育委員会等を通じて各学校にお示しをしました。今回の通知においては、学校が本格的に再開された6月1日以降の児童生徒、教職員の感染状況を踏まえ、留意すべき点や求められる対応等について取りまとめるとともに、衛生管理マニュアルにおいて、学校施設の清掃、消毒についての考え方、気温・湿度が高い日のマスクの取扱い、学校の臨時休業の判断についての考え方や参考事例などを、各学校に参考にしていただきたい内容について、記載を充実をさせております。全国的に感染者数が増加し、児童生徒及び教職員の感染の報告も増えています。学校で教育活動を行うにあたっては、この衛生管理マニュアルなども参考に、引き続き、日常的に児童生徒及び教職員の健康観測を行うとともに、地域の感染状況に応じて、具体的な活動場面ごとにきめ細かに感染症予防対策を行っていただきたいと考えているところでございます。

記者)
 8月15日、終戦の日が近づいてまいりましたが、靖国神社への参拝についてお尋ねします。大臣は官房副長官の役職にあられたときに終戦の日に参拝されております。今回、参拝されるのか否か、仮にしない場合は真榊金の奉納などはされるのか、まずその行動についてお伺いしたいと思います。

大臣)
 今の時点で行く、行かないことを決めているわけじゃありませんので、適切に判断したいと思います。

記者)
 今現在、決めておられないということですね。で、あとそれに関連してなんですけれども、A級戦犯が合祀されている神社ということもあって、戦没者の遺族の中にも参拝を望まない、閣僚の参拝を望まない人もいるし、これまでも閣僚の参拝があったら韓国とか中国の政府とか国民の反発がありました。政教分離の点からも問題がないのかという疑問もあります。その点からも、そういうことも踏まえて判断されるかと思うんですけど、今申し上げたような点について今、大臣どのようにお考えでしょうか。

大臣)
 色んな角度から色んな考えを持った方がいらっしゃったり、あるいは近隣諸国の感情など色んなものがあると思いますけれど、少なくとも私は官房副長官のときにも参拝していますけれども、A級戦犯がどうしたとかじゃなくてですね、先の大戦で尊い犠牲になられた先人の皆さんに哀悼の誠を一国民としてお送りしたつもりでおりますし、合わせて、不戦の誓いをですね、靖国の場でしてきたというのが今までの慣例、私の思いでありますので、その思いには変わりはありません。

記者)
 実際どうするかはこれから決められるという。

大臣)
 そうですね。

記者)
 先ほどのNHKさんの質問とも重なるんですけれども、児童生徒の感染状況の感染経路で学校内が5%だったという数字が出ましたけれども、これをどのように受け止めたらいいのか。つまり、学校という場での感染リスクが低いと言えるのかどうか、その辺り、大臣のお考えを聞かせていただいてよろしいでしょうか。

大臣)
 確かに、データでは学校内の感染が低く、家庭内感染が増えているという実態がありますけれど、学校現場は、マニュアルに沿って非常に感染拡大防止にご努力いただいているということは、そういったことにも繋がっているんじゃないかと思います。従って、学校だけでうがいや手洗いをやるのではなくて、家庭の中でも同じようなことをご家族含めて取り組んでいただくことで効果が上がってくるんじゃないかなってことを期待していますが。

記者)
 昨日の結果ですと、小学校は学校内感染が0%で中高では一部発生していると。年齢が上がるにつれて状況の変化もあるかと思うんですけれども、その辺りの分析というか。

大臣)
 やっぱり発達段階によって行動範囲ですとか、様々な行動形態が変わってきますので、高学年になったり、あるいは高校生になったりすると活動範囲も広く、例えば、電車などでの移動も出てきますし、友達もですね、必ずしも学校の友達だけじゃなくて他校の人たちとの交流というのも非常に多くなってくるので、そういったことを考えますと、リスクというのはそれぞれ広がっていく可能性は否定できないと思うのですけれど、教育現場では一貫してこのコロナに対する、言うならば心がけというのを春先からずっとやっていただいていまして、ある意味では、小学生も中学生も、あるいは高校生もどうやって感染防止、身を守っていくか、気をつけていくかってことは学校でしっかり対応していただいていることが効果は出ているのではないかなと、そう分析しています。

記者)
 衛生管理マニュアルのところで、今回、マスクの常時着用を見直したり、過度な消毒を避けるようにというようなところも盛り込まれました。これは、つまり過度な対応は必要ないというようなメッセージと捉えていいのでしょうか。その辺りをお聞かせください。

大臣)
 まず、この暑さの中でですね、熱中症が非常に心配です。もうすでに学校ではですね、極めて柔軟な対応を取っていただいていまして、体育の時間は外すとか、あるいはその一定の距離が保てるスペースの中ではマスクを外した授業などをやっていただいておりますけれども、改めて、気温や湿度に加えて暑さ指数も指標として取り入れてもらいたいってことを学校現場にお示しをしました。もちろん、感染拡大防止のためには、マスクの着用は非常に効果が大きなものがあると思いますけれど、そのことで子供たちが熱中症になっては何のためにもなりませんので、そこは、改めて、熱中症対応ということを優先してほしいということを申し上げたところでございます。また、「衛生管理マニュアル」、新型コロナが発症した当時はですね、かなり、各学校、フルスペックでの消毒っていうのをスタートして、我々文科省も、ここまでやった方がいいということでかなりマニュアルの中にきめ細かい例示を示しました。そうしますと、学校現場はこの範囲でやってくれっていうマックスの消毒をですね、各学校が毎日のようにやっておりましたので、その辺を少し皆さん方に、段階的に消毒の対応をしていただけるような、そういう指針を示したところでございます。すなわち、例えば、関係者が感染されたっていうような学校についてはですね、今まで通りのような大規模な消毒をしていただかなくてはならないと思いますけれども、全く感染者がない中で日々の消毒が全て最大限の消毒をずっと続けるっていうのは、これは、現場にも大変負担になりますので、そういった意味では、例えば皆さんが使うドアノブですとか、手すりですとか、スイッチだとか、多くの人が手を触れる場所についてはもちろん一日一回消毒をしていただきたいということをお願いしていますけれども、その他のですね、机の上などについては、少し、言うならば配慮しながら、対応は考えていただいて結構なんじゃないかということを発出したところでございます。先生方がですね、文科省のマニュアル通りにやりますとね、真剣に、あれ全部フルスペックでやると2時間ぐらいかかるということなので、それはあの、毎日の消毒の中では必要ないんじゃないかと。きちんとした清掃をしていただいて、とにかく子供たちはうがいや手洗いを徹底していただいて、できる限り、マスクの着用を、今申し上げた留意点をしっかり留意しながら続けてもらえればよろしいんじゃないかという判断をしたところでございまして、過度な消毒にならないような配慮を今回させていただいたということでございます。

(了)

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大臣官房総務課広報室