萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年3月13日)

令和2年3月13日(金曜日)
教育、スポーツ、その他

キーワード

新型コロナウイルスの感染拡大と対策、全国小中高等学校等一斉休業の要請、選抜高校野球大会の中止、加計学園不適正入試疑惑、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年3月13日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和2年3月13日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和2年3月13日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。
 冒頭、私から一件です。先週の3月6日、学校の臨時休業に係る各地域の取組事例等についてまとめた資料を公表しましたが、この間、各地域では、学校の先生方や各自治体の皆様の大きなご努力と創意工夫の下、例えば子供の運動機会の確保のための校庭開放の工夫ですとか、あるいは子供たちへの昼食の提供の取組ですとか、あるいは分散登校日の設定など、様々な取組が進められていることから、新たな事例を収集し、本日追加公表する予定です。自治体や学校関係者の皆様におかれては、地域の感染状況や学校等の実状に応じて、ぜひ取組の参考にしていただきたいと思います。また、卒業式のシーズンを迎えていることから、お手元にお配りしているとおり、この春卒業を迎える子供たちへ、私からメッセージを、ホームページやSNSを通じてお伝えをしたいと思います。私からは以上です。

記者)
 新型コロナウイルスについて二点お伺いします。WHOの事務局長がですね、パンデミックであることという認識を示しましたが、すでにですね、学校の再開時期を決めているところですとか自治体がある中で、現在出している休校の要請について、あるいは大臣が検討する考えを示している学校を再開する判断の目安について、与える影響をお願いします。あともう一点、選抜が中止になりましたが、それについての受止めもお願いします。

大臣)
 3月9日に開催された新型コロナウイルス感染症対策専門家会議において、依然として警戒を緩めることはできないとの見解が示されており、当面は、円滑な臨時休業の実施を通じて、感染拡大防止に全力を尽くすことが最も重要と考えています。学校の再開時期については、本専門家会議において、まずは3月19日を目途に出される予定の新たな報告の内容を踏まえ、学校を再開するにあたっての目安を検討することとしており、基本的にこの考えに変わりはございません。WHOの宣言については、世界的な感染の拡がりが続いていることに対する判断だと思います。国内の対応については、国民の健康・命を守るためにあらゆる手立てを講じてきており、引き続き感染の拡がりを抑えるためにしっかりと対応してまいりたいと思います。あわせて、一部休校を解除して学校の再開を予定している自治体があることは承知しておりますが、これは、当初から設置者の責任と判断で、大前提としては感染防止にしっかりとした配慮をしてほしいと、恐れを共有しておいてほしいということをお願いしているところでございます。すでにこの間、自治体によってはですね、非常に抑えこみが上手にできていて、いまだ感染者が一人も発生していないという自治体がありますから、そういった自治体が自らの様々な知見で学校を一時再開をするという判断をしたことは、私は尊重したいと思います。しかし、引き続きしっかりウォッチをしていただきたいなと思っております。
 春の選抜高校野球が中止になったことはご案内のとおりです。主催者において感染予防対策の検討を進めてきた中で、専門家からの意見も踏まえ、最終的に選手の健康・安全を最優先し、大会の中止という判断に至ったと伺っております。文部科学省としては、当初から大会の主催者の判断を尊重したいということを申し上げてまいりました。出場予定校の生徒の皆さんはですね、一生に一度あるかないかという夢の切符を手に入れたにも関わらず、このような事態になってしまったことは本当に気の毒でありますし、残念だというふうに思っております。感染拡大防止の観点から今回の臨時休業期間中は部活動の自粛もお願いしておりますが、生徒の皆さんが、まだ3年生、夏がありますので、夏の大会に向かって前向きに頑張っていただきたいと思いますし、私も報道で、落胆の声、悲しみの声、聞きましたけれど、各チームのキャプテンなどは前を向いて頑張るという、そういう声をしてくれていました。さすが高校球児だなというふうに思ったところでございまして、ぜひ今回の経験をですね、将来の糧にしていただけるような前向きな取組で、ぜひまた国民の皆さんに勇気を与えていただけるような素晴らしいプレイをですね、期待をしたいなと思っております。文部科学大臣として、新型コロナウイルスの対策を含めてですね、様々なことで私どもでできることはしっかりとバックアップをしていきたいと思っています。最後に、野球のみならず、いろんな高校スポーツの大会が中止になっておりますので、これは野球だけ特別扱いではなくて、それぞれみんな悲しい思いや悔しい思いをしていると思いますので、ぜひそのことをしっかりサポートしながら学校現場とも協力をしていきたいと思います。私から以上です。

記者)
 不正入試の疑いが報じられている加計学園の岡山理科大獣医学部の推薦入試A方式の問題で質問があります。韓国人受験生7人全員が面接の点数が0点。あの、5点や0点ならまだしも、全員0点というのは不自然なようにも思えます。それが週刊文春では筆記試験のトップは韓国人受験生だったとか、上位20人に5人、韓国人受験生がいたとかいう報道もあります。この0点という理由というのは分かりましたでしょうか。

大臣)
 3月6日に岡山理科大学の担当者が文部科学省に来省し、それまでの報道に係る事実関係等について直接確認を行いましたが、現時点においては、文部科学省として、まだ当該大学の入試の適否を判断できる段階ではなく、引き続き大学に説明を求めているところです。推薦入試での面接の試験の0点というのは、国会の中でも報告しましたけれども、日本人の方も複数名存在すると説明がありました。韓国の受験生については、7名全員が0点であることから、特に面接の詳細な評価内容や質問事項などについて、しっかりとした説明を大学に求めているところであり、必要があれば実地調査の要否も考えたいと思っています。

記者)
 大学も、もし不正がないんであれば堂々と会見して訴えてもいいような気がするんですけど、なされていない。実地調査ということもありましたけど、する方針とまではいってないんでしょうか。

大臣)
 前回、説明に来たときに、一定の合理的な説明は、担当者の皆さんは理解できる部分もあったそうなんですけれど、それを裏付ける、例えば書類ですとか入試の機微情報について、紙できちんと出してくださいということをお願いして、今それを待っている状況です。

記者)
 コロナに戻って恐縮なんですが、一斉休校の関係なんですが、3月4日時点での休校の状況をまとめてらっしゃったかと思うんですが、これは改めて更新されるお考えはありますか。

大臣)
 更新します。

記者)
 いつくらいですか。

事務方)
 それは検討したいと思います。

記者)
 一斉休校についてお伺いします。まず、実際に始まってから2週間経ちます。もちろん、19日の専門家会議はあると思うんですけれど、現時点で大臣、この休校の効果、それから今後ですね、とりあえず今は当面春休みまでと言っているわけですけれど、今後続けることによってどういった効果を得たいかというところ、目的も含めて、どのようにお考えでしょうか。

大臣)
 休校のですね、判断と効果が大きく評価されるかどうかというのはもう少し後になってみないと分からないと思うんです。ただ、幸いにして、当初2週間前に心配していた、学校が媒体となってクラスター化をするような事態というのは今のところ発生していないので、そういう意味では一定の効果はあったのかなというふうに、今、現時点、個人的には思っております。他方ですね、なかなか国内での終息が見られない中で、自治体によって少しまばらになってますけれども、相変わらず新しい感染者が確認されている事実がある以上ですね、先ほども申し上げた、当面は19日の専門家会議のご意見を踏まえてですね、この休校を更に続けていくのかどうかという判断をしていきたいと思ってます。一方ですね、高校生は大体、春休みにもうすでに入ってしまいましたし、中学生が大体、来週から春休み、小学生があと1週間ぐらいということなので、ここはこのまま春休みに突入したとしてもですね、今までの要請をしてきた一斉休校と春休みは全くフェーズが違うと言って、当たり前のように皆さんがまた集団で活動するようになったらこれは意味もないと思うので、その辺の今回の一斉休業の意味というものも、学校現場や自治体と共有しながら、春休みの過ごし方についても、ぜひ様々な発信をしていきたいなと思っています。

記者)
 それともう一点、判断を示す時期だったんですけれども、先ほど19日の専門家会議を経た後ということですけれど、これ、仮にですね、19日の専門家会議の後に基準等を示されても春休み前に各自治体が判断することは難しいと思います。仮にですね、今週中にそういった基準を示していれば、小学校であれば2週間程度、授業再開できる可能性もあるわけですけれど、なぜ19日の専門家会議にこだわるのか。文科省として独自に専門家会議の委員に協力を仰いで、どういう状況であれば開放しても問題ないのではないかといった判断を示すことも可能だと思うんですけれども、19日にこだわる理由を教えていただけますか。

大臣)
 文科省としても様々な知見を集めているんですけれど、文科省独自の判断で行ったことではなくて政府全体の対策会議の中で大きな方向性を示しましたので、そこは、文科省だけではなくて、政府と時期や時間軸というものも共有していきたいなと思っております。依然として警戒を緩めることはできないというのは北海道を含めて同じ状況が続いているわけですから、ここは大事をとっていきたいなと思いますのでご理解をいただきたいと思います。

記者)
 新型コロナウイルス関連で話題変わりまして、東京五輪・パラリンピックの関係で伺うんですけれども、あの、トランプ米大統領も、一年間、延期した方がいいかもしれないという私見を述べられたところなんですけれども、改めてその、大会に向けた準備状況や現在の大臣としてのお考えをお聞かせください。

大臣)
 昨日、ギリシャでですね、東京大会の採火が行われました。トランプ大統領を始め、いろんな方たちが様々なコメントを出していることは承知をしておりますけれども、オリンピック・パラリンピックの開催につきましては、IOCと組織委員会、また東京都等と連携しながら方向性を決めていくことになると思いますので、IOCも組織委員会も大会の延期や中止は今のところ一切、検討していないと聞いています。政府としても、7月24日の開幕に向けて、アスリートや観客にとって安全・安心な大会になるように、引き続き、予断なく準備を進めていきたいと思っています。

(了)

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