萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年2月10日)

令和2年2月10日(月曜日)
教育、その他

キーワード

新型コロナウイルスの感染拡大と対策、大学入試のあり方に関する検討会議、大学の設置認可申請について

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年2月10日(月曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年2月10日)

令和2年2月10日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。私からは冒頭1件です。新型コロナウイルスの感染症に関してはこれまで文部科学省としても適時、教育委員会等に対し、感染症対策のための最新情報の提供や対応等を行うとともに、適切な知識を基に新型コロナウイルス感染症を理由としたいじめや偏見が生じないよう周知徹底を図るなどしているところです。一方で、様々な報道等の情報に接して不安を感じておられる方も多いのではないかと思い、先週金曜日に保護者の方や教職員の皆さんに対する私からのメッセージとして、まず正しい知識に基づいて冷静に行動すること、このため正確な情報収集、把握をすること、いじめや偏見は決して許されることではなく適切な対応をとっていただくことについて、文部科学省のホームページの特設サイトに掲載するとともにSNS等で発信をさせていただきました。今後も、政府全体の方針の下で情報収集に万全を期すとともに、状況に変化があった場合に迅速かつ適切に各教育委員会と連携して対応してまいりたいと思います。私からは以上です。

記者)
 先週にあった大学入試のあり方会議の第2回と、大臣も出席されたと思うんですけれども、そこで、終わりのほうの退出される前の発言で、課題があるまま進んでしまったということを申し上げればもしかすると大きな課題というのは私や文科省そのものの体質にあったのかな、というような所感を述べられております。年頭の職員さんへの挨拶にも、おかしいということがあったら声をあげてよ、というような趣旨のことをおっしゃいました。つながっているのかな、と思ったんですけれども、本格的に検証がスタートして、改めてそういう思いを強くされたのかどうなのかそのあたりをお聞かせください。

大臣)
 検討会議での私の発言は、今ご指摘のあった新年の職員向けにも同じ思いをお伝えしているんですが、本来、文部科学省の職員というのは現場を一番よく知っているはずでありますので、その職員が行政のプロとしての意識をしっかり持って、それは相手が大臣であろうが与党の幹部だろうが、主張すべきことは主張していくという態度が必要だと思いますし、当時は、もしかするとそれが十分ではなかったんではないかと、これはこのまま進むとうまくいかないんじゃないかという想像を働かせる職員は、たぶん私は省内にはいてくれたんだと思います。過去のことをいつまで言ってもしょうがないので、新年に、是非そういうことを堂々と我々に意見具申をしてもらえる職員であってほしい、ということを申し上げまして、そこに一つ問題があったのではないかな、という感想を述べたまででございます。いずれにしましても、過去の検討過程にどのような問題があったのかについては、検討会議において議論をしっかりしていきたいなと思っています。

記者)
 今のに、重ねてお聞きしますけれども、職員の方に責任の大部分があったというふうにお考えなのか、それとも下村さんを始め過去の大臣の方々、政治家の方々ももちろん関わっています。職員のほうに重きがあったのか、それとも、そうで、そういう意味で言ったのではないのかどちらでしょうか。

大臣)
 職員に責任を押し付けるようなつもりは毛頭ありません。なかなか意見が出しづらい環境がもし省内にあったとすれば、私の時代にこれを変えていかないといけないという決意も含めて申し上げたつもりでございますので、誰がどの時点でどういう責任があったかということを追及してもそこはあまり意味がないと思いますので、しっかり前向きにやっていきたいと思います。

記者)
 話が変わりまして、冒頭のメッセージの関連で、これまでにですね、いじめや偏見について何か文科省のほうに全国の教育委員会のほうから報告が上がっているものがあるかどうかと、あとは帰国した子供達の受け入れについて、何か対応について相談が文科省にあって対応したものがあれば教えてください。

大臣)
 一部、千葉のホテルに第一便の方たちが滞在をしている関係でそういうことがあるんじゃないかという報道があって、それを受けて鴨川市などにも確認をしましたし、また、今申し上げたように、この問題が発生してからですね、子ども達に理解を深めてもらえるように学校現場、教育委員会への協力をお願いしてますけれども、今のところ具体的な事例は、報告は上がってきておりません。他方ですね、武漢に限らず中国全域から春節のときに帰国をされて、そのまま日本に留まっているお子さんたちがいて、その人たちが学校に編入するのにどうしたらいいんだろうかというような事務的な問合せは何件かきていると承知しています。

記者)
 話題変わりまして、先ほど冒頭にありましたあり方会議についてお伺いします。二点あります。まず一点がですね、前回の会議で委員の方から、今後の英語の4技能の測定につきまして、4技能を測らなくてもいいのではないかというような発言も多々あったと思います。一方で、大臣含め文科省の方針としては、2024年度から4技能を測りたいという方針に変わりないと思いますが、まだもちろん今、会議始まったばかりですが、今の段階でそういった意見が出ていることに対してご所感、どのように考えてらっしゃいますでしょうか。あともう一点、前回、資料を渡されて、文科省の中でも検証されたうえで開示になったと思いますが、そのうえで今回、出ていなかった資料について、今回検証されなかったこと以外についても文科省の中での意思決定についてブリーフィングで出してほしいという意見もあったと思います。次回と今週に会議が開かれますが、それまでに検証していくおつもりでしょうか。それとももう少し時間をかけて文科省内でもんでいくご予定でしょうか。その二点、お願いできますか。

大臣)
 前回、いろんなご意見を賜りました。冒頭、私も出席をしたときにご挨拶で申し上げた白紙からの検討の白紙というのはどこまでなのかという基準を私なりに申し上げたつもりでいるんですね。すなわち、今、お話しがあったように、4技能の習得は必要ないんだというとこまで戻っちゃいますとね、これは結構大変な話になるんで、大前提として4技能は大事ですよねということは、その間、反対の意見はなかったわけですから、戻るとすればそこまでなので、その考査の仕方としてですね、その果たして大学入試の共通テストのようなものでやることがいいのかどうなのか、あるいは今回のように民間の事業者を使うことが本当に可能なのかどうなのかというのは大いに議論してもらいたいんですけど、試験やらなくていいんじゃないかというとこまで戻っちゃうと、これはそもそもじゃあ英語教育どこまで必要かとかいう、あるいは記述式はね、本当に必要なのか必要じゃないのかという話になると思うんで、必要だったんだけど前に進めなかった、これを果たしてどういうふうに評価をしていくかということも検討していただきたいということで、基準を示したつもりでおりますので、自由な意見を言っていただいても結構なんですけど、試験そのものいらないんじゃないかと、4ついらないんじゃないかと、2つでいいんじゃないかとか、こういう話までいくと結構幅が広くなっちゃうので、その辺は何回か重ねていくうえで方向を少し皆さんで共有していただいたらどうかなと思っています。別段、意図として公表してない資料があるわけじゃないんですけど、これあの、検討会設置する時にも皆さんに申し上げましたけれども、受験の機微な情報が入っているやりとりがありますので、出すとしてもそこを結構黒塗りで出さなきゃならなくて、かえって、なんといいますか、分かりづらくなる可能性があるので、その辺は今後、別に求められた資料を非公開にし続けることを目的じゃないんですけど、そうすると分かりづらい資料を出すことで皆さんの議論に影響するかどうかというのは、冷静に考えて対応していきたいなと思っています。

記者)
 重ねてすみません。一点目のほうだった、4技能のほうだったんですけれど、意見が出てたのは教育をすることについては異論はないと思うんですけれど、それを測定できるかどうかというところは見なければいけないということでしたけれど、その測定できるできないというところまで戻ってしまうとまずいというお考えですか。

大臣)
 そこは尊重して意見を聞いていきたいと思います。例えば授業の中で十分、把握をされて、調査書で十分、大学にはその情報提供ができるという方も中にはいらっしゃるかもしれないので、その辺は対応していきたいと思います。

記者)
 あと後半のほうももう一点だけ。資料については黒塗りというのは理解が広がっていると思うんですけど、一方で、文科省の中での意思決定がどうだったのかというところに疑問があった点が出てきたと思うんですけれど、そこら辺、文科省の中での検証というのはされますでしょうか。

大臣)
 職員は職員でやるのね。職員は職員でやります。

記者)
 分かりました。ありがとうございます。

記者)
 国会で少し質問がありました幸福の科学大学の設置の関係でお聞かせください。現在、幸福の科学学園のほうから設置認可の申請があって、諮問されているということですが、国会でご答弁された時に、前回の申請の際に幸福の科学学園の関係者の方と会われたということ等をお話しになっておられますが、現在、改めて申請があった中で、何かですね、中での、まさに答申待っておられるという段階であるとは思うんですが、どういった姿勢で申請というのを見られるか、というお考えをお聞かせください。

大臣)
 国会でも答弁させていただきましたけど、当時、学園の関係者から、党の担当ということで、通常の陳情の一環としてご相談がありました。学長予定者についての相談でありまして、学長の資格について条文があるんですけれども、これだとよく分からないんで教えてもらえないか、ということでそのことを私が文科省に照会をしたのは事実であります。ただ、それ以上でもそれ以下でもなくですね、他のこともいろいろあって設置に至らなかったという経緯があったんだと思います。今、ご指摘のように、現在、新たに申請されておりますので、国会の質問もちょっと尻切れで終わっちゃってですね、あたかも恣意的に設置審が行われるかのように、誤解を招く発言に私自身はちょっと受け取れたんでもう少し説明をしたかったんですけど。設置審につきましては、これは本当に独立した機関なんで、大臣であろうが歴代大臣だろうがですね、どんな方がこの大学を認可してくれと言われても、それはもう外形的要件、学術的な内容がきちんとできていなければ認可しませんし、逆に認可しないでくれと言われてもちゃんとした要件が整えばこれは認可をするという、こういう性格なので、静かな環境の中でしっかり審査をしていただきたいなと思っています。

(了)

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