萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年2月7日)

令和2年2月7日(金曜日)
教育、スポーツ、文化

キーワード

文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案、大学入試のあり方に関する検討会議、医学部医学科の入学者選抜における公正確保等、JAPAN e-Portfolio、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会、2030年冬季オリンピック・パラリンピック札幌招致

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年2月7日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年2月7日)

令和2年2月7日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。冒頭、私からは先ほど閣議で了解された法案について報告します。本日、「文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律案」が閣議決定をされました。本年、開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機に、文化の振興、観光の振興、地域の活性化の好循環を創出するためには、地域において文化についての理解を深める機会を拡大し、国内外からの観光客の来訪を促進することが重要であります。本法案はこのような観点から、博物館等の文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光を推進するため、主務大臣が定める基本方針に基づく拠点計画及び地域計画の認定や当該認定を受けた計画に基づく事業に対する特別の措置等について定めるものです。今後、国会において、本法案をしっかりと説明を行い、ご審議をいただき、速やかに成立させていただけるように努力をしたいと思います。私からは以上です。

記者)
 二つお尋ねします。まず一問目。本日午後に、大学入試のあり方検討会議の第2回が開かれます。大臣、それにご出席されるかどうかということと、あと過去の議事録などを基にした本格的な経緯検証がスタートすると聞いておりますが、期待することについて教えてください。二問目がですね、聖マリアンナ医大などの大学に対して、一昨日、大学基準協会が不適合という評価をしました。その後ですね、聖マリアンナ医大に対する文科省の調査の、どう進んでいるかということについて教えてください。以上です。

大臣)
 まず、本日、検討会議の2回目が行われますが、他の公務がございますのでフルタイムでちょっと出席することはどうかなと思っているんですけど、できる限り出席して委員の皆様のご意見に耳を傾けてまいりたいと思っております。本検討会議は、英語成績提供システム及び記述式問題の導入について、来年度からの実施を見送ったことを受け、受験生が安心して受験できる、より良い制度を構築するために、指摘された課題や延期や見送りをせざるをえなかった経緯を検証しつつ、改めて方向性をご議論いただくために設置したものです。これまでも申し上げている通り、高大接続改革そのものや、英語によるコミュニケーション能力や思考力・判断力・表現力を育成・評価することの必要性は変わるものではなく、これらの重要性は踏まえたうえで、入試と高校教育や大学教育との役割分担をどう考えるか、どこまでを入試で問うか、共通テストと各大学の個別入試との役割分担をどう考えるかなどについて外部の有識者からのヒアリングも交えつつ、率直なご議論をいただきたいと考えてます。
 聖マリの件ですね。今般、認証評価機関の一つである大学基準協会より、医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る緊急調査最終まとめにおいて指摘を受けた7大学に対して再調査を行った結果、評価基準に反する事実を確認したため、認証評価の適合判定を取り消し、不適合へと判定を変更した旨の報告を受けました。大学基準協会が、評価機関としての責任を果たす観点から、自らの判断により再調査を実施したものであり、当該大学においては、改めて評価結果を踏まえ、学生の受入れや管理運営などについて適切に行っていただきたいと考えています。
 なお、当該大学の平成31年度の入学者選抜については、フォローアップを実施しており特段の問題はなかったと確認をしております。よろしいですか。

記者)
 聖マリアンナについて。

大臣)
 聖マリアンナ医科大学の件ですけれども、医学部医学科の入学者選抜については、受験生や社会からの関心が高いことを踏まえ、大学としての第三者委員会の報告書に対する受止めやそのような見解に至った理由などを大学自らが社会の納得を得られるよう丁寧に説明することが必要であると考えてます。文科省としましては、まず大学からしっかりとした説明を受けて、その合理性を確認したうえで、今後の対応を考える必要があると考えており、現在、大学に対して、大学としての第三者委員会の報告書に対する受止めやそのような見解に至った理由等について聞いているところです。
 なお、今回、公正かつ適切な学生の受入れが実施されているとはいえないなどとして認証評価結果が不適合とされたことについては、大学としても重く受け止めていただく必要があると考えております。聖マリアンナ医科大学の医学部医学科の入学選抜が、今後、不適切な事案として整理された際には、日本私立学校振興・共済事業団の運営審議会において私立大学等経常費補助金の減額についてご議論いただくことになると考えています。以上です。

記者)
 話題変わりまして、大学入試には関連するんですけども、JAPAN e-Portfolioの関係で伺いたいんですけども、入試改革の一環で主体性を問うという観点から採用されているサイトなんですけども、この利用するためにベネッセのIDが必要だったりですね、ちょっと懸念の声も出ているわけなんですけども、この問題に関する大臣の所感とですね、今後の対応方針、どう考えていらっしゃるかというのをお聞かせください。

大臣)
 JAPAN e-Portfolioはですね、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を大学入試で評価するツールとして高校生活における活動成果を記録し、大学入試等に利用することができるもので、文部科学省の委託により、関西学院大学等が開発をし、現在、一般社団法人教育情報管理機構が運営を行っています。文部科学省としては、JAPAN e-Portfolioが不適切な営業活動に利用されているのではないかという社会的疑念を招くことのないよう、ベネッセコーポレーションからのID管理システムの借用解消等について同機構に取組を求めているところです。他方、学力の三要素の一つである「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を大学入試で評価すること自体は高大接続改革を推進していくうえで引き続き重要なことと考えます。このため、これまでの取組を踏まえ、調査書の内容やe-Portfolioなどの学びのデータをどのように入試で活用し、どこまで評価していくのか、あるいは国としての支援のあり方などについて、高校と大学の相互の考えをよく聞きながら検討することが必要であり、公開での議論の場を設け、しっかりと検討していきたいと考えております。

記者)
 それに関連してなんですけども、e-Portfolioを活用するために、今、ベネッセのIDを借りているのでその取得が必要だということなんですけども、そもそもそのシステム自体を独自に開発するなど、変えなきゃいけないというか、変えるという理解でいいんでしょうか。

大臣)
 教育情報管理機構からは、現在、新たなID管理システムの移行に向けての作業中だということで、すでにその作業をしているというように聞いています。文科省としても、不要な社会的疑念を抱かれることのないように、当機構に対し、早期の移行について必要な指導・助言を行ってまいります。今、私が申し上げたのは、今、現状の誤解を招くような運用の仕方は直ちに改めるべく、機構は努力しているんですけど、加えて、主体性を評価することは大事なんですけど、そもそもこのPortfolio、どのくらい利用されているのか、どういう評価として使っているのかが非常に不明な点がございますので、公開の場で一回、しっかり高校や大学の関係者の皆さんともう一回話し合いをしてみようと思っているんです。といいますのは、結局、このデータ化をしても、高校は、調査書は手書きあるいはパソコンで打ったものを大学入試のときに各学校、担任の先生が作っているわけですよね。それと学校によっては二重の手間になってしまっている可能性もありますので、こういうのも含めて、いい機会ですから、しっかり見直していきたいと思います。

記者)
 重ねて、入試シーズンが迫っているというか今、最中なわけなんですけども、見直しの目処というか、いつぐらいまでに結論を出すというお考えなのかという、その辺もお聞かせください。

大臣)
 そんなに時間をかける必要はないと思うんですけど、幸か不幸か、採用している学校がそんなにございませんので、直ちに、今回のこの受験で影響を与えるようなことはなく、粛々とやっていきたいなと思っています。

記者)
 話題変わりまして、五輪について二点お伺いしたいと思います。まず一点、30年の冬季五輪になりますが、昨日、札幌市の秋元市長から、大臣の方に支援の要望があったと思います。それについての受止めと今後の対応をお願いします。もう一点、2020年の東京五輪の開会式についてになります。開会式でこれまでアイヌ舞踊を採用する可能性が取り沙汰されていたんですけれども、これまでに、内閣府の方から北海道アイヌ協会の方に、アイヌ舞踊を開会式ではやらないというふうに伝達があったというふうに聞いております。政府としても、昨年のアイヌ新法施行ですとか、それから文化庁の方がウポポイを今度4月にオープンするということで、民族の権利回復に努めているところですが、そういう、開会式でアイヌ舞踊をしなくなることについての受止め、もしありましたら、お願いできますでしょうか。

大臣)
 昨日、札幌市長より、JOCが札幌市を2030年大会の国内候補地として正式決定し、札幌市とJOCが共同してIOCとの対話に参加することとなり、国の支援をお願いしたいということで、市長さん、あるいは県の副知事さんがお見えになりました。札幌市におかれましては、JOCとしっかり連携をし、今後ともIOCとの協議や関係団体、自治体としっかり検討し、招致に向けた開催計画の策定や地元の機運醸成を進めていただきたいと思います。また、東京大会では、札幌市において、マラソン、競歩、それからサッカーの予選が開催されますので、まずはこの夏の大会の北海道札幌市での競技をですね、成功にしっかり導いて、その札幌市の能力を内外に知らしめていただきたいなと思っております。2030年の大会の招致に向けて、大きな評価の一つになるんじゃないかというふうに期待しております。文科省としては、そういう状況も踏まえつつ、招致に向けた相談にのってまいりたいというふうに思っております。
 開会式の件は、私も大臣就任まで組織委員会におりましたけれど、これは開会式をどうコーディネートするかも含めて、すでに選ばれた組織委員会の中で外部の人たちに発注してますので、あらかじめ何を入れるとか入れないとかいうことを過去に決めた経緯はないと思うんですね。例えば、そのアイヌのことを世界の皆さんにアピールすることは決して否定することじゃないですし、いい機会だと思いますけれど、開会式でやる予定だったものがなくなったという認識は、ちょっと私はないんで念のため確認してみます。開会式でやるという発表があったの、国で。

記者)
 これまで森喜朗さんですとかが入れるようにお願いしていきたいとかという形で発表されました。

大臣)
 決まったのが翻ったんじゃなくて、そういう案もあったものが、もしかしたら開会式の中では披露されなく、出番がなかった、なくなりそうだということだと思うので、決してあったものをなくしたんではないと思います。ちょっと調べてまた報告します。
 はい。よろしいですか。じゃあありがとうございます。

(了)

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大臣官房総務課広報室