萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年1月14日)

令和2年1月14日(火曜日)
教育、文化、その他

キーワード

第3回日中韓教育大臣会合、学校ICT活用フォーラムでの視察、公立学校教職員の人事行政状況調査結果と不祥事、文化芸術活動の支援体制及び基準、大学入試のあり方に関する検討会議

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和2年1月14日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和2年1月14日)

令和2年1月14日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私からは冒頭2件です。まず1月8日から11日まで中国とシンガポールを訪問しました。今回の出張では、北京で開催された第3回日中韓教育大臣会合に出席をし、日中韓3か国での教育協力の在り方や共有する課題等について有意義な意見交換を行い、共同声明を採択をしました。併せて中国及び韓国の教育大臣と、それぞれ会談し、日中及び日韓の両国関係の更なる発展に向けた方策等について意見交換を行いました。またシンガポールを訪問し、教育大臣との会談などを行ったほか、シンガポール国立大学を訪問をさせていただきました。今回の訪問で得た知見を活用し、教育施策の充実に引き続き積極的に取り組んでまいりたいと思います。
 もう1点は、1月16日の木曜日に茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校を訪問し、小学校全学年で発達段階に応じたプログラミング教育など、ICT活用した先進的な学校の取組を視察をしてまいります。この学校視察は、学校ICT活用フォーラムの一環として行うものです。今回の視察、フォーラムを皮切りに、子供たちの学びを保障するための教育ICT環境を全国的に加速化してまいりたいと考えております。また併せて、茨城県守谷市立守谷小学校を訪問し、学校における働き方改革の取組も視察をしてまいりたいと思います。私からは以上です。

記者)
 2点お伺いします。1点目は先ほどおっしゃった日中韓の意見交換なんですが、主な議題としてはどんなことが話し合われたのでしょうか。もう1点目は、少し前の発表になりますが、わいせつ事案での教員処分が過去最悪になっているということで、これに対するご見解と文部科学省の取組として、取り組めなかったところはどんなところかということを教えてください。

大臣)
 第3回の日中韓教育大臣会合では、日中韓3か国での教育協力の在り方や共有する課題等について意見交換を行いました。特にですね、日中韓大学生の交流プログラムや日中韓子ども童話交流事業などの、若い世代の交流、総合理解の促進、それからこの会議を端として始まったキャンパスアジアのプログラムの促進と、アジア高等教育圏確立の促進、それからSDGsの達成に向けたESDの推進など、地域間の協力促進と地域への貢献などについて、共同声明を採択をいたしました。今回の会合の成果を踏まえて、しっかりと交流を進めていきたいというふうに思っております。
 昨年12月24日に平成30年度公立学校教職員の人事行政状況調査の結果を発表いたしました。調査結果の中でも特に今回、わいせつ行為等による懲戒処分の件数が過去最多の282人になったことについては、わいせつ行為とは決してあってはならず、特に児童生徒を守り育てる立場にある教師が児童生徒に対してわいせつ行為を行うなどということは言語道断であり、極めて深刻に受け止めております。任命権者である各教育委員会においては、教職員によるわいせつ行為等の根絶に向けて処分の厳格化や防止のための研修などを実施しておりますが、今回の調査結果を踏まえて、文科省としては今後ともあらゆる機会を捉えて各教育委員会がわいせつ行為等の防止に向けた取組を一層徹底するように指導してまいりたいと思います。具体的には、近年、わいせつ事案が減少している教育委員会の取組事例について、各教育委員会の人事担当者を集めた研修会等で周知をし、効果的な取組を横展開していくこととともに、児童生徒に対してわいせつ行為に及んだ教職員については、原則として懲戒免職とするようにこれまでも各教育委員会に対して指導してきたところでありますが、懲戒免職以外の余地がある処分基準となっていたり、そもそもわいせつ行為に関する処分基準を定めていない教育委員会に対しては、今後個別に指導などを行ってまいりたいと思います。これに加え、わいせつ行為を行うなど、教師として不適切な者が教壇に立つことがないように、免許制度や採用、人事管理などの在り方の抜本的な見直しも含めて検討していきたいと考えております。

記者)
 先ほどの日中韓の会談で、特に韓国の部分だったんですが、昨年の日韓関係が悪化したのを受けて若い世代の交流が途絶えたりとか中止になったりということが多くあったのが記憶に新しいと思います。その点について何か両教育大臣の間で意見が交わされたかどうか教えていただけますか。

大臣)
 その手の話は全くなかったです。

記者)
 先週の職員向けの挨拶で大臣が文化について自由度を尊重するあまりに結果として制度上、いろんな問題が出たというふうにおっしゃっていましたが、これは、「あいちトリエンナーレ」に付属の問題を念頭に置かれているかということと、それから続いて支援する基準の見直しにも言及されていましたが、具体的にはどういうことを考えていらっしゃるのかどうか。

大臣)
 文化庁が地方の文化芸術活動を支援する際は常に地方にしっかりと寄り添っていく姿勢が重要であり、日頃の業務において相互のコミュニケーションを意識し、何か相談があれば丁寧に対応していくことが必要だと思っています。一般的に支援の条件、基準が分かりやすいものであることが大切であり、どのように対応することが可能かどうかを考えたいと思います。私は挨拶の中で特段、「あいちトリエンナーレ」の件のみを前提に申し上げたのではなくて、たまたまその後の映画の補助金のことなどもありました。いずれも訴訟が起きたり、今、不服申出の最中でありますから、具体的にその中に入っていくことは避けたいと思うんですけれども、客観的に見て基準がどうなっているかというのはもう少し分かりやすく内規として作っておく必要があるのかなという思いを職員の皆さんの前で披露したまででありまして、どういう段階でどういう作業をしていくかとかそういう段階ではなくて、新年の思いの中でお伝えをしたまでなので、今後、必要に応じて議論を深めていきたいなと思ってます。

記者)
 そうすると、映画の問題では公益性という基準を入れることを問題視されてましたけれども、そういうものを入れるというよりは基準の分かりやすさをということなんでしょうか。

大臣)
 既に訴訟が起きてますので、具体的な中身については、私はコメントするのは控えたいと思うんですけれど、いずれにしても、文化庁の判断が国民の皆さんからわかりやすいものにしていくことが今後も必要なんだと思うので、そういう努力をしていきたいと思います。

記者)
 明日から検討会議、大学入試の検討会議がスタートすることになりますけれども、改めて、開始にあたっての大臣の所感をお願いします。

大臣)
 1月15日に第1回の会議を開催する予定でいます。今回の一連の経緯やその過程で頂いた様々な指摘も踏まえつつ、委員や様々な関係者のご意見も聞きながら、受験生を第一とする立場に立って、しっかりと検討してまいりたいと思います。

(了)

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