萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年11月5日)

令和元年11月5日(火曜日)
教育、スポーツ、文化

キーワード

ラグビーワールドカップ2019日本大会の閉幕、日本のラグビーが更に発展するよう関係者が意見交換する場の設定、大学入学共通テストにおいて新たに国語と数学で記述式問題を導入する件、「大学入試英語成績提供システム」の導入の延期に関する件、文化財等の防火対策

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和元年11月5日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年11月5日)

令和元年11月5日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 私からは1件です。先般、アジアで初の開催となったラグビーワールドカップ2019日本大会が閉幕をしました。代表選手の活躍はもとより、感動の輪が、日本、そして世界に広がった大会となりました。私も会場で観戦し、大会の熱狂を肌で感じ、スポーツの力を改めて感じたところです。そのような中、今般、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会より、ラグビー人気をしっかりと定着させ、日本のラグビーが更に発展するよう、関係が意見交換をする場を設けてほしいとの要望がありました。ラグビーワールドカップについては、政府としても、特別措置法を制定するなど、大会成功に向け支援してきたところであり、こうした大会の契機にラグビーはじめ、スポーツの振興につながることは極めて有意義であることから、文部科学省としても、要望の趣旨を踏まえ、検討の場を設定することといたしました。具体的には、ラグビーフットボール協会やスポーツ庁のほか、日本スポーツ振興センター、またラグビーワールドカップ2019組織委員会を構成員として、国際競技力強化やラグビー人口の拡大等について、議論を進めることとしています。今後、本大会の成果を次世代にしっかりと引き継いでいけるよう、選手をはじめ関係者の様々な声も聞きながら、検討を進めてまいりたいと思います。私からは以上です。

記者)
 来年度からの大学共通テストを巡る問題ですが、先週末に発表された英語の民間検定試験の活用延期に加え、国語の採点方法などに対しても受験生などの間に不安が高まっているようです。その点につきましてですね、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

大臣)
 大学入学の共通テストにおいては、新たに国語と数学で記述式問題を導入することとしておりますが、その採点を確実に行うことや受験者の自己採点を行いやすくすることなどが、今後の課題となっており、引き続き大学入試センターと協力しながら必要な措置を講じてまいりたいと思っております。

記者)
 英語の民間検定の活用見送りについて質問させていただきます。2点あります。まず1点が大学入学共通テストの中のリーディングとリスニングの配点ですが、今後、変える可能性はありますでしょうか。もう1点が、今回の延期を受けてですね、各大学からは文科省として4技能をこれからも測るべきなのか、それとも今回の2技能でいっていいのかということで方針を明確にしてほしいという声があがっています。これに対してどのように対応するかお願いいたします。

大臣)
 前段の大学入試センター試験につきましては、来年度は何も変更はございません。再来年以降はですね、今回の延期を機にこの1年間で検討会をまとめますけれども、直ちに傾斜配分をするというようなことは、現時点では考えておりません。それから後段の件につきましては、様々な不安を与えてしまったことは申し訳なく思っております。ただ、この間積み上げてきた4技能をしっかりと強化をしていくという方針はですね、高校の関係者も大学の関係者もご理解いただいているところだと思いますので、その目指すべき方針は、変更することなくどうやって受験生の不安を取り除くことができるのか、限りなく公平な制度に磨き上げることができるのか、また、財政的に厳しい家庭の皆さんにどういったふうな支援ができるのか、こういったものも含めて期限を切ってですね、きちんと検討して方針を示していきたいと思います。できるだけ早く各大学の皆さんにも説明できるようにしたいと思っています。

記者)
 来年度の大学入試を各大学が考えるにあたって文科省として、例えば通知を出すですとか、こういうふうな考え方でいくという通知を出すですとか、もしくは大学にとって参考になるような情報を出すというのは考えてらっしゃいますか。

大臣)
 今回こういう大きな変更をしたことで現場にご迷惑をおかけしている思います。丁寧に今までの経緯とこれからの方針については、説明をしてまいりたいと思っています。もちろん紙ベースのことも考えたいと思いますが、職員の皆さんが、今手分けで準備をしておりますので、しっかりと対面で話ができるような環境も作っていきたいなと思っています。

記者)
 先ほど冒頭で御発言がございましたですね、ラグビーの検討会議の件なんですけれども、これはいつ頃設置されるとか、名称とか、あるいはどなたをトップにされるかとか、そういったあたりもう少し具体的な部分が明らかにできるようでしたら少し踏み込ませていただければと思います。

大臣)
 先ほどラグビーの協会、スポーツ庁、スポーツ振興センター、そして今回運営をしていただいた組織委員会の皆さんというのをお話したんですけれども、人選については、各団体から、またご相談の上選出をしていただきたいなと思っております。少し幅広にですね、ただ単にこの今回の大会のレガシーをどう残すかということではなくて、御案内のとおり、例えば秩父宮の移転改築の話もあります。ハード面でのこともありますし、またプロ化の話もラグビーの中では出ているわけですから、折角これだけ国民の皆さんがラグビーの面白さ、楽しさというものに理解をし始めていただいているので、このレガシーを消すことのないようにですね、しっかりアピールできる、また国のとって将来必要なものは何なのかを、より広く国民の皆さんの声が聞けるような環境を作っていきたいなと思ってます。第1回会合を年内には開催をしたいと思ってます。名称についてはまだ考えておりません。

記者)
 話題が英語民間試験の活用について戻らせていただくんですけれども、大臣が表明された検討会議なんですけれども、今後の具体的なスケジュールやどういった会議の在り方を考えてらっしゃるのかというのを確認させてください。

大臣)
 大学入試において4技能をどのように評価するかにつきましては、大学入学共通テストや各大学の個別試験の中での英語4技能評価をどのようにするのか、それから民間試験を活用する場合には、経済的な状況や居住地域に関わらず、等しく安心して試験を受けられるような配慮が十分なのかなどについて、高校や大学関係者などの意見も聞きながら、今後1年を目途にしっかりと検討してまいりたいというように思います。人選や論点の整理等につきましては、今省内で整理を急いでいるところでございますので、可能な限り速やかに立ち上げたいというふうに考えています。

記者)
 英語民間試験の関係なんですけれども、この民間試験の導入を巡ってはですね、決定プロセスがどうだったのかという点についてですね、検証が必要だという声が出ております。そのあたり、例えば議事録の公開などについてですね、大臣のお考えのことがありましたら伺えますでしょうか。

大臣)
 これだけの大きな決断をしたわけですから、過去から今日までどういう積み上げでこういう制度設計になったのか、その間にですね、もう少し気付くべきことはなかったのか、あるいは判断に誤りがなかったのかなどを含めてきちんと検証していきたいと思います。そのためには、過去からの会議内容については、きちんと検証の対象にしていきたいと思います。国会の中でもですね、資料要求を受けておりますので、別段何一つ隠す必要はないと私は思っておりますが、会議にはそれぞれルールがあって、その出席していただく方々との約束というのもありますから、その辺きちんとさかのぼって確認した上で、出せる資料についてはきちんと出して外からの目も見ていただきたいなと、そう思っています。

記者)
 出す場というのは、国会を想定されているのか、それとも別の、先ほどの新たに設置する会議体を想定しているのか、どのあたりでしょうか。

大臣)
 国会では正式に理事会を通じて資料要求がありますので、これについては速やかに対応を考えていきたいと思いますが、今後、立ち上げる検討会の中で、当然そういった過去の検証というものも一つのテーマになっておりますので、その場でも皆さんに見ていただく必要はあるというふうに現時点で思っています。

記者)
 先週、大きな方針の変更を発表したということで、民間試験団体、それから民間試験を活用する予定だった大学や、あるいは受験生含めた高校側に説明をもうし始めているか、今日から平日ですし、していくと思うんですけれども、またその中で方針が変わったから大学側もそれに対応するのは大変だとはいっても大学の方針をですね、受験生のためには早く示さなければならないという問題もある、その辺の説明とどこにどういうことを求めていくというのが、今お考えはどんな感じでしょうか。

大臣)
 11月1日の導入見送り方針の公表後ですね、事務方から順次、高校・大学関係の団体、試験実施団体等に対して、今回の判断の内容、また理由について説明を始めております。関係団体からは、2020年度の開始に向けて準備を進めてきた中、「延期は残念だが、受験生や学校関係者が混乱することのないよう十分な説明と対応をお願いしたい」といった御意見を頂戴しております。文字通り、今ただちに行うべきは、これ以上の混乱を現場の皆さんに与えないためのきちんとした説明だと思っております。その上で各大学の方針がですね、定まりやすいような様々な内容については、先ほどお話したような検討会を設けてできるだけ早くお示しをしていきたいと思います。

記者)
 別件で、文化財の防火対策についてなんですが、報道で今年度の補正予算に国宝への防火対策の補助率を上げることを検討しているというものがあったんですが、今の検討状況と、それから首里城の火災も関連しているのかということを教えてください。

大臣)
 日本の文化財は木造建造物が非常に多くてですね、火災等によりいったん焼失すればですね、再び回復することが不可能なかけがえのない国民共有の財産です。文化財の防火対策については、本年4月のノートルダム大聖堂の火災を受け、また先日も当然、首里城の火災もございます。国宝・重要文化財の防火設備等の設置状況等について緊急点検を実施するとともに、文化財の防火対策に関するガイドラインを作成するなど取組を進めているところです。今後、貴重な文化財を護るために防火対策として、自動火災報知設備や消火器等の消火設備の適切な設置・管理のほか、防火訓練の実施などを着実に進めてまいりたいと思います。今、御指摘といいますか御例示のあった首里城につきましては、世界遺産ではあるんですけど国宝ではないんですね。したがって今回、ノートルダムの火災以降に全国の国宝や重要文化財について通知を出し、改めて確認をしてくださいと言った中に首里城は入ってないんです。首里城そのものはいわゆる遺構そのものが世界遺産に指定されていて、復元された建物については地元にとって極めて重要な象徴的な建物であることはもちろんなんですけれど、いわゆる国の定めによる国宝・重文ということではなかったものですから、そういうことも考えますと、少し今後幅広にですね、この防災対策は考えていかなきゃならないと思ってます。予算の件は、現段階では明確になっておりませんので確認をして、またお答えをしたいと思います。

(了)

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