萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年10月8日)

令和元年10月8日(火曜日)
教育、科学技術・学術、文化

キーワード

第16回STSフォーラム年次総会への参加、「大学入試英語成績提供システム」の2020年度からの導入に関する件、あいちトリエンナーレに対する補助金の不交付の決定に関する件、ICT環境の整備

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和元年10月8日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年10月8日)

令和元年10月8日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から1件です。10月6日(日曜日)に京都で開催されたSTSフォーラム第16回年次総会に出席してまいりました。安倍総理も出席をされました。私は、「社会のための科学技術教育」をテーマとするセッションにおいて、我が国の教育現場でのICT環境をベースにした先端技術活用、高等教育の修学支援、高等専門学校の高度化について講演をした上で、議論を行いました。加えて、欧州委員会研究イノベーション総局総局長、リトアニアの教育・科学・スポーツ副大臣、スウェーデンの高等教育・研究大臣、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの学長らの各国要人との会談を行い、科学技術の諸情勢や今後の協力について意見交換を行いました。STSフォーラムのような会議が日本で開催される意義は極めて大きく、引き続き、このような場を活用して、我が国の科学技術外交を一層推進してまいります。私からは以上です。

記者)
 英語の民間試験についてなんですけれども、昨日の代表質問でも延期を求める声というのがありました。今後も委員会等で議論になっていくことが予想されますが、大臣の御所感、またどのように議論を進めていかれる御予定かというのをお伺いできますでしょうか。

大臣)
 大学入試の英語成績提供システムについては、高等学校・大学関係者の合意に基づいた方針によるものであり、受験生はその実施を念頭に既に準備を進めていることから、当初の予定通り2020年度から導入することとします。ただし、初年度に限り、受験者等の不安解消を図るため、原則9月中に活用方法を公表した大学・学部を対象としてシステムを運営するとともに、2021年度以降は、受験者がより一層安心して英語民間教育を受験することができるよう、高校・大学関係者代表らの協議の場を設けて、システム運営の更なる向上を図ってまいりたいと思います。このような取組みについて、今後の国会質疑等を通じて丁寧に説明していきたいと思っています。

記者)
 今の英語の民間検定に関連しまして、昨日、英検が予約期間の延長、それから予約金の返還期間の変更を行いました。これについて、大臣、どのような感想をお持ちなのか教えていただけますでしょうか。

大臣)
 英検協会に対してまして、これまで英検のS-CBTの予約申込期間や返金受付期間の延長を要請してきたところですが、昨日、予約申込受付終了日を11月11日の月曜日まで延長するとともにですね、返金の申込受付期間を11月5日から11日までとする旨、公表したことは承知をしております。文科省において、大学に対して、一定の猶予期間を設けつつ、9月中に活用方法を公表した大学・学部を対象としてシステムを運営することを通知しており、他の試験実施団体に対しては11月1日までに試験日時、場所等どの公表を要請しています。これらの情報を前提とすれば、今回の英検協会の対応により、受験者は、「英検S-CBT」を受験すべきかについて検討することができるようになったのではないかというふうに受け止めています。

記者)
 今の話なんですけれども、野党だったり一部の受験生からは、浪人をしてから返金をはじめて考えるのであって、浪人する前にですね、11月にいくら返金できてもあまり意味がないのではないかと、返金が可能になるのは3月以降まで延長するべきではないかという話が出ていました。大臣はどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 とりあえず英検側が一時的にですね、省の要請に答えてこの11月まで延期をしたことは評価したいと思いますが、事務方について英検協会に引き続きですね、今の現高校3年生の扱いについて確認をしているんですが、まだ検討を続けているということです。

記者)
 今後も英検が変わるかもしれないということと、大臣はそれを求めていくということでしょうか。

大臣)
 何度も記者会見で答えていますけれども、受けなかった人にですね、お金を返してあげてというのは、これは普通の考えだと思うんです。他方、受験会場も増やせということを、我々は要請というかお願いをしているわけですから、受験会場は増やしたけれども受験生が一斉にキャンセルされたら、これもまた困るということもあるので、その辺のバランスを見ながらできることを最大限やっていきたいと思っています。

記者)
 あいちトリエンナーレの関係で2点お聞きしたいんですが、表現の不自由展が今日から再開されます。それに対する受け止めと、それから補助金の不交付を文化庁が決める関連で、採択を決めた審査員の方が辞職をされたりという動きが出ていまして、これまで文化行政を支えてきた方からも抗議の声が出ているので、こういったことがこれからの文化庁の行政にどういう影響を与えると見ていらっしゃるか、それから対策など考えておられましたら併せてお願いします。

大臣)
 展覧会の開催につきましては、主催者である、あいちトリエンナーレの実行委員長において判断すべき事柄だと考えます。あいちトリエンナーレに対する補助金を不交付にしたのは、補助金申請上、補助申請者において不適当な行為が認められたことによるものであり、このたびの展覧会の再開の有無とは関係がないというふうに考えております。人事については、人事のことはコメントは差し控えたいと思いますけれども、一部誤解をされてですね、展示内容について文化庁が何か解釈を持ってこういう動きになったんじゃないかという誤解があるとすればですね、それは全く違います。あくまで事務的な手続きの不備によって、こういう決断をしたので、引き続き、文化庁としては芸術家の皆さんの活動というのはしっかり支えていきたい、そういうふうに思っています。

記者)
 もう1点だけ、不交付の決定に関して、大臣が相談を受けたりとか、助言されたり、指示をされたりということは、決定前にありましたでしょうか。

大臣)
 私はですね、大臣就任後に9月26日の発表までの間に文化庁の事務方から方針案の報告を受けて了承したものであって、私から文化庁に何かを指示をしたりということはありません。

記者)
 話題変わりまして、学校のICT整備の関係で確認なんですけれども、昨日も改めて整備に向けた決意を語られていましたが、現状で地方財政措置の課題などいろいろ解決するべき面もあると思うんですが、どういった点が課題で、今後どういう取組みをされるのかというのを改めて教えてください。

大臣)
 このICT環境の整備は、私の大臣就任と同時にですね、全力を挙げて是非、ボトムアップをして、全国の教育環境をよくしていきたいと思っています。そのためにはですね、今までのような地財措置で地方の自治体任せでやっていますと、理解のある首長さんは、やっぱり優先的にそういう整備をしてくれますけれど、なかなか理解がなかったり、あるいは財政的に様々な困難を抱えていてどうしても優先順位が上がってこない自治体は、結果として今こういう状況が続いているわけです。それでプログラミング教育などは、やっぱり小学生のうちから学んでいただくことが、これからの時代を考えた時に極めて有用だと思ってますから、できるだけスタンダードの底上げをしたいと思ってます。そのためには自治体任せではなくて、国がきちんとした方針を定めてですね、これは財政上のこともありますから文科省だけで一人よがりの発言できませんけれども、国家としてきちんとしたプロジェクトとして、一定期間で一気に整備をしていくということが必要ですし、それからインフラを持っている企業の皆さん、あるいは端末を作っているメーカーの皆さんとも胸襟を開いて話しをさせていただいて、お店に並ぶものはですね、自分の好みでどういう機能がついていてどういうものが欲しいかというのは、当然、商品の競争があっていいんですけれど、極めてスタンダードな学びの場の環境整備については、メーカーの皆さんに協力を頂いてですね、是非、コストダウンをして、社会総ぐるみで環境向上を目指していく、そういうプロジェクトをしっかり立ち上げて努力をしていきたいなと思っています。

(了)

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