萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年9月27日)

令和元年9月27日(金曜日)
教育、科学技術・学術、スポーツ、文化

キーワード

H-ⅡBロケット8号機による宇宙ステーション補給機「こうのとり」8号機打上げ結果、千葉県被災自治体への訪問の報告、横浜市への視察の報告、福島県への視察、あいちトリエンナーレに対する補助金の不交付の決定、幼児教育・保育の無償化の対象外となっている各種学校に関する件、関西電力の八木会長等が原発が立地する福井県高浜町の元助役から多額の金品を受け取っていたとの報道の件、全日本テコンドー協会に関する報道の件

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和元年9月27日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

萩生田光一文部科学大臣記者会見録(令和元年9月27日)

令和元年9月27日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 冒頭、私から4点御報告がございます。まず一つは、9月25日にH-ⅡBロケット8号機による「こうのとり」8号機の打上げに成功し、現在、順調に所定の軌道上を飛行しております。今回のH-ⅡBロケットとしては8機の全てが打上げ成功となり、着実に信頼性を向上させていることを喜ばしく思っております。文部科学省としては、打ち上げた「こうのとり」8号機が、無事に国際宇宙ステーションへの物資補給を完了できるよう、引き続き、着実な運用に向けて、関係機関と協力をしてまいります。
 次に、今週24日の火曜日に台風15号により被害を受けた千葉県君津市の秋元小学校を視察するとともに、千葉県教育長、君津市の教育長をはじめ関係の皆様と意見交換をしてまいりました。訪問した秋元小学校においては、暴風雨により校舎1階及び2階が浸水し、教室が使えない状態になっている状況や、その中でも暫定的に3階の特別教室を活用して、授業を受けている子供たちの様子を実際に確認をしました。意見交換では、学校施設、社会教育施設の早期復旧や、被災した子供たちの心のケア、きめ細かな教育的支援等の課題について要望を伺いました。私からは、子供たちが楽しみにしている学校行事等が中止にならないよう、時期の延期等の工夫をお願いするとともに、給食センターが被災した場合のバックアップ体制の検討が必要である旨をお話ししたところです。
 もう1点、25日(水曜日)に、横浜市立鴨居中学校における働き方改革の取組について、職員室や部活の様子を視察させていただくとともに、校長先生や教員の方々とも意見交換をさせていただきました。どれも参考になる取組でしたが、ICTを活用した業務効率化により、先生方の事務負担が軽減されている様子や、スクール・サポート・スタッフや部活動の指導員、ICT支援員などの専門スタッフの配置により、先生方との役割分担を進め、子供と向き合う時間が増えている様子などが印象に残りました。その意味で、先日24日の記者会見で「元々の教員のプライドである給特法」と申しましたが、正確には、教師という職業は子供たちと向き合い、その人生観を変えるほど尊い仕事であり、それが先生方のプライドであるからこそ、教育人材確保法を踏まえたしっかりとした処遇を前提に、働き方改革を進め、教師という職業の魅力を高めるための環境を整備していかなければならないということであり、そのことを先生方との意見交換を通じて、改めて感じました。今回の先進事例を大いに参考にしながら、学校における働き方改革に向けた取組を着実に進めてまいりたいと思います。
 最後に9月30日の月曜日に、就任後できるだけ早く訪問したいと思っていた福島県に、青山政務官とともに出張する予定です。具体的には、JAEA廃炉国際共同研究センター国際共同研究棟において、廃炉に向けた研究開発の現場を視察するとともに、富岡町立富岡小中学校及び福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校において、授業の様子を拝見することとしています。内閣全員が復興担当大臣であるという気持ちを持ち、被災地の実情や関係者の方々の御意見を直接お伺いしながら、復興に引き続き全力で取り組んでまいります。私からは以上です。

記者)
 文化庁が、昨日、あいちトリエンナーレへの補助金の全額不交付決定をされました。これを受けまして、大村知事が昨日夕方ですかね、表現の自由を侵害するものだとして国を提訴する意向を表明されました。御対応についてお聞かせください。

大臣)
 大村知事がですね、そのような発言をしたのは報道で承知をしておりますが、詳細は把握してませんので、コメントは差し控えたいと思います。

記者)
 来週からスタートする幼保無償化で各種学校が適用外になっていることについてお伺いします。各種学校に認定されている主に外国人の方が通われている学校、3歳から5歳のお子さんが通っている学校もずいぶんあるということですけれども、関係者からは、何故自分たちが無償化の適用外になっているのかという声が届いています。昨日、文科省にも要望が出されたということですけれども、その件に関して御見解をお願いいたします。

大臣)
 今回の幼児教育の無償化は、これまでの段階的な取組を一気に加速をし、法律により幼児教育の質が制度的にも担保された施設であり、広く国民が利用している幼稚園、保育所、認定こども園等の費用を無償化するとともに、保育の必要性のある子供については、認可外保育施設等も無償化の対象とするものです。各種学校については、各種学校規程という基準はあるものの、幼児教育を含む個別の教育に関する基準とはなっておらず、多種多様な教育を行っており、法律により幼児教育の質が制度的に担保されているとはいえないこと、また、学校教育法に基づく教育施設については、児童福祉法上、認可外保育施設には該当しないことから、今般の無償化の対象とはならないものと承知をしております。

記者)
 関連して、かなり広い範囲で民間の保育施設とかも範囲になっていると思うんですけれども、各種学校だけが適用されていないことについて、外国人を狙い撃ちにしているんじゃないかというような声もあるようですけれども、そのことについてはいかがですか。

大臣)
 そのような趣旨は全く持ってません。できるだけ多くのお子さんを子育てのしやすい支援対策を組みたいと思っていますので、今回、法律で線引きをした中にはこういった形で各種学校は対象になっていないと、現状はこういうことです。

記者)
 最後にしますけれども、特に今後、救済策、支援策等を検討されるお考えはありますでしょうか。

大臣)
 各種学校というカテゴリーの中では、なかなか直ちに法律の枠の中に入ってくるのは難しいと思いますけれども、私が取り組んでいますのは認可外等であって、それぞれ歴史的な経緯があったりして存続をしている園の中でですね、やっぱり国がその園の良さというのはなかなか分かりません。従って、地方自治体の皆さんの判断をお聞きをしながらですね、できるだけその枠というものを広げていく努力を、これは予算との関係もありますから直ちに文科省だけで決定することではありませんけれども、基本的にはそういう活動を今までもしてまいりましたので、枠を広げてできるだけの救済枠を広げていくということには、引き続き、努力をしてまいりたいというふうに思います。

記者)
 関西電力の八木誠会長ら6人が、原発が立地する福井県高浜町の元助役から7年間に1憶8千万円を受け取っていたということが、たまたま国税庁の税務調査で判明しました。関電は11時から会見をするとしていますが、電力会社と原発立地地帯との間に不透明な関係が出てきたことについて、大臣の所見をお願いします。

大臣)
 報道ベースで承知しているだけですけれども、当然のことながら不透明な疑念をかけられるような関係は望ましいことではないと思います。

記者)
 関電は昨夜ですね、一時的に各個人の管理下で返却の機会を伺いながら保管していたものはあるが、現時点では儀礼の範囲内以外のものは既に返却を完了したとコメントしています。7年前からもらっていたということで、これで問題は解消したというふうにお感じになりますでしょうか。

大臣)
 詳細は、ちょっと私は承知をしていないのでよく確認をしてからまた答えさせてください。

記者)
 あいちトリエンナーレの補助金交付廃止ですが、そもそもこの不自由展が混乱した原因となっている言論弾圧、この点に関して大臣はどのふうな御認識でしょうか。

大臣)
 表現の自由がですね、暴力や圧力によってその機会を奪われるということは、文化を振興する我が省、あるいは文化庁にとってあってはならないことだと思っていまして、容認すべきことではないと思っています。

記者)
 関連でですね、あってはならないということだと思うんですが、結果、今回の交付金の廃止ということが、言論弾圧によって混乱していた展示も含んだとトリエンナーレ全体への否定というふうにも関係者によっては受け止められているんですが、つまり弾圧をすることによって展示を中止に追い込める、かつ交付金が受け取れないという状況にもなり得ると、半ば脅迫行為というようなものを補助金の廃止によって肯定してしまっているという状況もちょっと生まれていると思うんですが、この点はどういうふうに。

大臣)
 それはその人たちの認識だと思います。私は、昨日、詳しく説明しましたけれども、文化庁は展示物の内容について一切コメントする立場になくてですね、それは自由な発想でいろんなことをやっていただいて結構なんですけれども、愛知県の場合はこれが初めてではなくて、3年に1回ずっと継続的にやってきて、我々も期待している芸術展なわけです。ですから文化庁の人たちとのコミュニケーションというのは今までもとってきたと思うし、他の団体以上に精通していたはずなんですけれども、実施のプロセスの段階で申請書類と実体に乖離があったということで補助金の交付を見送ったという判断なので、今の問題意識というのは決して否定するものではなくてですね、今後、そういうことが前例になって大騒ぎをすれば展示会が辞められて、そして補助金がもらえなくなるような仕組みにどんどんしていこうとは全く思っていません。

記者)
 展示は今回申請通りではないと、これまでの展示に関しては申請通りしっかり手続きが。

大臣)
 展示が申請通り、展示の中身は全然聞いていないんですよ。

記者)
 経緯について若干報告等がなかったというお話ですよね。

大臣)
 補助金の申請上、補助申請者において不適当な行為が認められたことによるものであって、展示会の具体的な内容とはなんら関係ありません。

記者)
 そうすると加計学園に関してはですね、総理に会ったと愛媛県に対して虚偽を報告した加計学園にも、これは大臣もご存じだと思いますが、補助金を出していますが、ちょっとこういうことを含めるとダブルスタンダードじゃないかなというふうにも見えるんですが、いかがでしょうか。

大臣)
 それと比較をするのはどうかと思いますけれども、我々はどちらかといえば文化を応援する立場なので適正にルールに乗っ取って申請をしていただいて、そして文化庁の専門家も含めた皆さんが採択をしたものについては、応援をしてあげるというのが基本姿勢です。ただ、今回の場合は開催までの間の申請書類や文化庁とのやり取りの間の中で、本来予見をして準備をするべきことをしていなかったり、あるいは申請通りの中身になっていなかったということで、これは残念ながら補助の対象にならないという判断をしたので、中身についてはですね、我々は全く関与してません。

記者)
 表現の自由をそもそも推進する側の立場の文化庁が、内容に関しては今回は問題視してないということなんですが、結果として県の第三者委員会の調査によって、表現の不自由を損なわないためにも再開をしなさいと、再開をするべきであるという、こういう結果が出た直後にですね、やはり政府の側として交付金廃止ということをタイミングも含めてですね、打ち出したということ自体が、やはり逆に一連の報道の流れで見れば、政府として問題があった点というものは、中身の手続きという後付け的な理由をつけながらも、開始をしなさいという委員会の話の直後に政府がこういうタイミングでね、廃止を打ち出したということ自体は、ちょっと問題なんじゃないのかと思うんですが、このタイミングについてはどうお考えですか。

大臣)
 これは文化庁の方でですね、今までも交付についてどうするかということは慎重に対応してまいりました。唯一、愛知県の方の中間報告の中身も念のため確認して最終判断を下そうということで、それがたまたま昨日だったということで、知事がもう一回やるんだということに合わせてですね、水をかけるように交付金の廃止を決定したわけではありません。

記者)
 長官からするとですね、今、今回も問題視されている天皇の関係の企画展とか、平和の少女像の展示という、そのものの展示そのものは極めて問題のない、芸術作品であり、展示だというご見解ですか。

大臣)
 私はどういうものが展示をされているのかは個別のものは承知してませんし、また、その芸術作品に対する評価というのは人それぞれだと思います。基本的にはどの作品がいい作品で、どの作品がよくない作品だということを我々がですね、コメントすること自体、僭越な話だと思っていますので、全くそれは関係ありません。

記者)
 テコンドーについて伺います。今日からテコンドーのテストイベントが始まりまして、今、合宿の問題とか様々ありましたけれども、金原会長について、結構、いろんな報道が出始めています。一つは若い頃に結構、暴力団組織との係わりがあり今もあるのではないか。それはまだ疑惑の中の話なんですけど、本人はそれについてまだ回答をしておりません。そういった話が出てきて、協会のトップに今いるということで、そういったこと、今後、オリンピックを控えた中で、それが適切であるのか、大臣の御見解があればお聞かせください。

大臣)
 協会内の混乱からそういう話になっているんだと思います。私、会長の人柄ですとか経歴とか、全く存じ上げていません。しかし、その人を会長に仰いで、今まで協会が運営してきたことは事実なわけですから、過去の言動ですとか、過去の様々な営みについて、私、承知をしておりませんけれども、繰り返し申し上げているように、ここは協会自体が武道の団体ですから、しっかりと自助努力をしていただいてですね、言いづらいこともはっきりとお互いに理事の皆さんが言い合った中で、組織の健全化に努力していただくというのが大事だと思いますし、オリンピックまで1年となりましたのでね、選手たちに要らぬ動揺や負担がかからないように、協会としてしっかり頑張っていただきたいなと、そんなふうに思っています。

(了)

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大臣官房総務課広報室