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平成16年12月7日大臣会見概要

平成16年12月7日
10時47分〜11時6分
文部科学省記者会見室

一般案件

オーストラリア国特命全権大使アリステア・マレー・マクレーンの接受について(決定)
(外務省)
エリトリア国駐箚特命全権大使宮村智外1名に交付すべき信任状及び前任特命全権大使浅見眞外1名の解任状につき認証を仰ぐことについて(決定)
(同上)


国会提出案件

衆議院議員小宮山泰子(民主)提出テロ特措法に基づく海上自衛隊の協力支援活動に関する質問に対する答弁書について
(防衛庁)
参議院議員尾立源幸(民主)提出独立行政法人の会計及び監査に関する質問に対する答弁書について
(総務省)
衆議院議員照屋寛徳(社民)提出国際自然保護連合(IUCN)総会における勧告に関する質問に対する答弁書について
(外務・環境省)
衆議院議員小宮山泰子(民主)提出自衛隊のイラク派遣延長に関する質問に対する答弁書について
(外務省)
衆議院議員岡本充功(民主)提出在外公館における国籍不明者ならびに北朝鮮脱北者に関する質問に対する答弁書について
(同上)
参議院議員糸数慶子(無)提出在日米軍の再編と沖縄の負担軽減に関する質問に対する答弁書について
(同上)
衆議院議員中川正春(民主)提出税制改正に関する質問に対する答弁書について
(財務省)
参議院議員齋藤勁(民主)提出納税者保護に関する質問に対する答弁書について
(同上)
参議院議員大田昌秀(社民)提出教科書準拠教材の著作権侵害及び教科書検定における「白表紙本」流出への対処に関する質問に対する答弁書について
(文部科学省)
衆議院議員長妻昭(民主)提出いわゆる監修料に関する質問に対する答弁書について
(厚生労働・財務省)
衆議院議員長妻昭(民主)提出予算執行職員等の責任に関する法律に関する質問に対する答弁書について
(厚生労働省)
衆議院議員長妻昭(民主)提出社会保険庁の職場での監修作業及び法務省の違法性の疑いのある原稿料受領に関する質問に対する答弁書について
(厚生労働・法務省)
衆議院議員首藤信彦(民主)提出精神障害者福祉施策に関する質問に対する答弁書について
(厚生労働省)
衆議院議員中根康浩(民主)提出介護保険改革に関する質問に対する答弁書について
(同上)
衆議院議員樋高剛(民主)提出介護保険制度見直しに関する質問に対する答弁書について
(同上)
衆議院議員内山晃(民主)提出社会保険庁の来年度からの国民年金保険料徴収業務と年金相談業務の一部を外部委託する件に関する質問に対する答弁書について
(同上)
衆議院議員佐藤謙一郎(民主)提出遺伝子組み換え大豆(GM大豆)の生産に関する質問に対する答弁書について
(農林水産省)
衆議院議員佐藤謙一郎(民主)提出国有林野事業に関する質問に対する答弁書について
(農林水産・国土交通・環境省)
衆議院議員松野信夫(民主)提出土地改良事業の受益者負担金の未納に関する質問に対する答弁書について
(農林水産省)
衆議院議員山内おさむ(民主)提出国営中海土地改良事業の計画変更に関する質問に対する答弁書について
(同上)
衆議院議員佐藤謙一郎(民主)提出家畜排せつ物処理施設に関する質問に対する答弁書について
(同上)
衆議院議員赤嶺政賢(共)提出長崎県対馬・壱岐・五島列島の漂着ゴミ処理対策並びに長崎県大瀬戸町松島海岸地区のボタ山の撤去に関する質問に対する答弁書について
(国土交通・経済産業・環境省)
衆議院議員内山晃(民主)提出新潟県中越地震による鉄道・道路等の被害状況に関係し、阪神・淡路大震災を教訓とした補修工事に関する質問に対する答弁書について
(国土交通省)
衆議院議員赤嶺政賢(共)提出福岡県大牟田市に設置されているゴミ固形燃料焼却・発電施設の事故に関する質問に対する答弁書について
(環境省)


公布(法律)

日本郵政公社による証券投資信託の受益証券の募集の取扱い等のための日本郵政公社の業務の特例等に関する法律(決定)
裁判所法の一部を改正する法律(決定)
特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(決定)
金融機関等による顧客等の本人確認等に関する法律の一部を改正する法律(決定)
発達障害者支援法(決定)


政令

個人情報の保護に関する法律施行令の一部を改正する政令(決定)
(内閣府本府)
道路交通法施行令の一部を改正する政令(決定)
(警察庁)
武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律の施行期日を定める政令(決定)
(防衛庁)
武力攻撃事態における外国軍用品等の海上輸送の規制に関する法律施行令(決定)
(同上)
武力攻撃事態における捕虜等の取扱いに関する法律施行令(決定)
(同上)


人事


大臣)
 今日の閣議における文部科学省関係の案件としては、質問主意書への答弁書の決定が一件ありました。それから閣僚懇談会におきましては、大野防衛庁長官からイラク及びクウェートへの訪問についての報告がありました。それから、中川経済産業大臣からタウンミーティングの報告がございました。

記者)
 PISA(ピザ)(「OECD生徒の学習到達度調査(PISA2003)」)の結果が出ましたけれども、まず、率直な感想と受け止め等について大臣のお考えをお聞かせください。

大臣)
 PISAの調査結果が報告されましたが、わが国の学力は数学的リテラシー、科学的リテラシー、問題解決能力が1位グループに属しているということで、国際的に見てまだ上位にあるとは考えられますけれども、読解力の平均得点がOECD平均と同程度まで低下しておりまして、全体として世界のトップレベルとはいえない状況にあると私は認識しております。低下傾向にあるということをはっきり認識すべきだと考えております。

記者)
 特に読解力について、OECD平均にまで低下しているということですけれども、今後、文部科学省としてどのような対策を講じるのか、それから、数学的リテラシーもトップグループとはいえ6位まで順位が下がったことについてもどのような対応をしていくのでしょうか。

大臣)
 私も「甦(よみがえ)れ、日本!」で、日本の学力をトップレベルにということを提唱したのは、今申し上げましたように、全体として低下傾向にあるのではないかと感じ、これに歯止めをかけトップレベルを目指す施策を取って行きたいという思いでありました。これまでもやってまいりましたけれども、まず全体として、授業改善のための指導資料を作成するということと、特に読解力につきましては、「読解力向上プログラム」といったようなものを策定して、総合的な学力向上策を講じることにしたいと考えております。また中央教育審議会におきまして、義務教育の改革を進める観点から、全国的な学力調査の実施内容や方法、あるいは学習指導要領の見直しなどの検討を進めることとしています。こういった施策を通じまして、数学も含め全体として日本の義務教育の水準を上げる、また、底上げするということを考えていかなければいけません。また、先般、報道されておりましたが、家で全く勉強をしない中学生が三分の一位いるというショッキングな調査結果が出ていましたけれども、これについても、大学全入時代を目前にいたしまして、もっと勉強しようと、勉強しなければいけないということを、もっと徹底していかなければならないと思っております。いつも申し上げていますが、日本が停滞している間に中国など近隣諸国があっという間に追い上げてきて、日本が取り残されてしまって東洋の老小国になってしまっては、われわれの子や孫たちに申し訳ないという思いで、学力向上策に徹底的に取り組んでいかなければならないと考えております。

記者)
 大臣は、今回、順位が下がったのは何故だとお考えでしょうか。

大臣)
 一言で言えば、要するに勉強をしなくなったのではないでしょうか。小さい頃から本を読むということも大事ですし、いつも言っていますように、子ども同士で切磋琢磨をして、君がそんなに勉強するなら僕ももっとがんばろうということがなくなってるのではないかと思います。ですから、子どもたちに、いかに勉強することの動機付けをさせるかということだと思います。やはり動機付けというのか、何故、勉強しなければならないかということを、もっと小さい頃から、親もそうですけれども、学校でもきちんと教えるべきではないかと日頃から感じておりました。

記者)
 調査結果をご覧になった時に、予想通りという感じなのか、あるいはショックだったのか、どのようにお感じになりましたか。

大臣)
 文部科学省としてはショックだったかもしれませんけれども、私自身としてはそうなっていくのだろうと、このままではいけないと、大臣になる前から思っていました。やはりそういう低下傾向にあり、何とかこれに歯止めをかけなければいけないということで、大臣就任早々に「甦(よみがえ)れ、日本!」ということで、がんばる子どもやチャレンジ精神を応援する施策、あるいは全国的な学力調査を実施して、もう少し切磋琢磨する教育をしていかないといけないという思いをずっと持っておりました。何といっても日本は、人材こそが資源であって、教育水準の高さが一番の国力の基だったわけで、それがなくなってしまったら、いったい何が残るのだという危機感と言いますか、切実感を持つべきだと思います。

記者)
 原因について、勉強をしなくなったというお話ですけれども、これまでの学校週5日制ですとか、ゆとり教育ですとか、文部科学省の政策面での問題点というのは、どのようにお考えでしょうか。

大臣)
 それは、中央教育審議会等の専門的な審議の場でこれからいろいろと分析・検討していただくということになっていますが、全般的な社会風潮というのも影響しているのではないかと考えております。

記者)
 ITER(イーター)(国際熱核融合実験炉)の件ですけれども、今日、一部報道で、日本の示した案が報道されておりますが、その真偽も含めて、これからの対応、また閣僚折衝などの見通しを含めてお伺いしたいのですが。

大臣)
 ITER(イーター)誘致をめぐる交渉につきましては、現在、日欧でホスト国と非ホスト国の役割分担等について協議中でございまして、わが国からは、9月に新しい提案を欧州及び他の4極に対して示したところであります。それに対する欧州側からの対案が、先日、示されたところでございます。欧州側の提案に比べてわが国の提案が、非ホスト国への配慮という点で優れており、わが国こそホスト国にふさわしいと考えております。わが国といたしましては、引き続き、日本の提案をベースに欧州及び関係国との協議を重ねまして、できるだけ早期に6極の合意の上で六ヶ所村への誘致を実現すべく努力してまいりたいと考えているところでございます。

記者)
 ITER(イーター)の件ですけれども、11月の次官級会合以降、日欧間の交渉が進んでいると思うのですが、早ければ年内にも閣僚級会合を目指したいということを公表されてますけれども、どういうかたちで意見の差を縮めていったらいいのか、また縮められるのか、大臣のお考えをお聞きしたいのですが。

大臣)
 今、まさに折衝中でございまして、外交交渉上のこともありますから、具体的な発言は差し控えますけれども、今後の協議の状況を踏まえて関係国間で調整されるものだと考えております。私どもとしては、できるだけ早く六ヶ所村への誘致が決まるように引き続き努力するという方針でございます。

記者)
 現段階では、年内に閣僚級会合を開けるという見通しは厳しいとお思いでしょうか。

大臣)
 そうですね。年内にという議論もありますが、今日はもう7日なのでなかなか厳しいと思いますけれども、しかし、引き続き年内に開催も一つの考え方ということで努力しているところだと考えていただきたいと思います。

記者)
 昨日、規制改革・民間開放推進会議から、今、中央教育審議会で検討している教員免許の更新制などについて、一部規制の強化につながるといった提言がなされたのですが、これについてどのようにお考えでしょうか。

大臣)
 昨日のニュースを見てびっくりいたしました。あまりにも唐突だと思います。規制改革・民間開放推進会議がどのような立場で、また、どのような理解のもとに緊急提言をまとめられたものか、文部科学省としては全く関知していないことでございまして、その内容を受け入れることはできません。皆さんご承知のように、義務教育に関わる諸制度のあり方について、本年8月に河村前文部科学大臣が示された義務教育の改革案や、私が公表いたしました「甦(よみがえ)れ、日本!」を踏まえつつ、現在、中央教育審議会で、鋭意、専門的な見地から検討を進めていただいているところでありまして、その審議を尊重していきたいと考えています。

記者)
 今の規制改革・民間開放推進会議の話ですが、三位一体改革の時は財政論からのみの議論であったり、今回の規制改革でも、ある意味では経済的な発想で教育の分野に話が舞い込んでくるというケースが相次いでいるのですが、こういったことについてはどのように思われますか。

大臣)
 規制改革という観点からだけで提案されているわけでございます。私は、以前、自民党の行政改革推進本部の規制改革委員会委員長もしておりまして、この規制改革・民間開放推進会議が、例えば生命保険を銀行で営業するというようなことを提案した時も反対いたしました。どうしてかというと、銀行の優越的な地位を利用して営業するということはどうなのだろうかということです。そうでなくても事業に失敗して、自殺した保険金で銀行に借金を支払うなどといったケースもあったわけで、何でもかんでも規制緩和して自由にすればいいというものではないと言ってきたわけです。
 まさか教育の現場にまで踏み込んできて、中央教育審議会という場で教育の専門家の方々が、日本の教育の水準を向上させるためには、やはり教員の資質が重要だという観点から議論をはじめていただいたばかりの時に、こういうことを言われるというのは非常に不愉快です。経済財政諮問会議におきましても、単に財政論からだけではなくて、義務教育については中央教育審議会の先生方の意見も聞いて欲しいとお願いしました。また、知事の中に教育に熱心な、教育のことをよくわかっていて、義務教育というのは国がきちんとやるべきだというしっかりとした国家観を持った知事もいらっしゃるのだから、そういった方の話も聞いて欲しいということも提案しました。
 ご意見があれば、私どもは真摯に耳は傾けますけれども、聞きかじりみたいなことを、しかも唐突にこういう形で出されることが、どういう意味があるのだろうかと思います。教員免許の他にも免許制度というのはたくさんあるわけで、そういったものについてどういうふうに考えておられるのか、極端に言えばそういうことになるわけです。規制改革や民間開放といった観点からばかりものを見ているわけですけれども、もう少し大所高所からものを見るということも考えてもらわないといけないと思います。与えられたことだけを突き詰めていきますと、こういうことになるのかもしれませんけれども、こういった会議の委員の方々は、広い視野をもった方々が選ばれているはずですから、もう少しそのあたりの影響ということも考えてもらいたいというのが率直な感想でございます。

(了)


(大臣官房総務課広報室)

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