8月21日、盛山大臣は量子科学技術研究開発機構(QST)の千葉地区にある量子医科学研究所、QST病院、量子生命科学研究所、放射線医学研究所を視察しました。
量子医科学研究所・QST病院では、日本が世界で初めて開発し、その後の重粒子線がん治療の国内外での発展を先導した重粒子線がん治療装置HIMAC(ハイマック)やそのHIMACで患者の体にどの角度からも重粒子線を照射できる回転ガントリー、放射性物質を利用して体内からがんを狙い撃ちする新しい薬の研究のほか、複数の製薬メーカー・大学病院と連携し進める認知症・うつ病・がん等の早期診断や治療法の研究など、がん死ゼロ・認知症ゼロの健康長寿社会の実現に向けた研究現場を視察しました。
また、放射線医学研究所では、基幹高度被ばく医療支援センターとして国内外で取り組む被ばく医療に関する技術開発・技術支援、人材育成についてや、放射線被ばくや放射性物質による汚染事故などが起きた時に現場で初期医療を支援する緊急被ばく医療支援チーム(REMAT)などについて説明いただきました。
加えて、量子生命科学研究所では、画像診断の高度化実現などが期待される量子技術を用いた超高感度MRI/NMRをはじめとする、新たな計測技術の開発や今後の研究展望などについて説明いただきました。
盛山大臣は、重粒子線がん治療装置は現在大幅に小型化・低コスト化を目指す「量子メス」の開発が進められていることや、新薬の研究も治験等が進められていることなど、今後の量子医科学、量子生命科学、放射線医学分野での研究開発の進展、社会実装への期待を伝えるとともに、人材育成が重要だと話しました。
文部科学省では、今回の視察で得られたことを踏まえて、引き続き、精神・神経疾患、固形がん、多発・微小がん等に対する診断・治療技術の研究開発や被ばく医療に関する研究開発、人材育成等の健康長寿社会の実現及び量子技術を利用した生命科学の革新に向けて取り組んでまいります。