8月19日、盛山大臣は信州大学国際科学イノベーションセンター(工学部)を訪れ、「水」や「水由来のグリーン水素エネルギー」に関する研究拠点「アクア・リジェネレーション機構」の取組を視察しました。
ここでは、世界の水環境とエネルギーの課題解決に向けて、水とエネルギーの無限循環・地産地消システムを開発し、経済成長とサスティナビリティが両立するカーボンニュートラル社会の実現を目指しており、文部科学省も地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)※を通して信州大学を支援しています。
まず、中村宗一郎学長からこれら信州大学の取組の概要について説明いただいたのち、信州大学で開発した「信大クリスタル※」を搭載した電力不要の浄水装置を設置しているタンザニアでの大規模実証実験や、太陽光と光触媒で水を直接分解することで得られるグリーン水素を新エネルギーとして実証化を目指す「信大人工光合成※」の取組などについて各研究者等から説明を受けました。
また、ナノカーボンを用いた水処理浄化用の膜「信大RO膜※」を用いた実証実験について、サウジアラビア海水淡水化公社(SWCC)との協議が進んでいる様子など、早期の社会実装に向けて応用研究を進める取組や、膜の製造工場などを説明いただきながら視察しました。
最後に、既に県内に31か所に設置され、市民を巻き込んだマイボトル推進運動として行動変容に挑戦している浄水器「swee※」の説明を受け、試飲を行いました。
盛山大臣は視察後、電力を使わずに汚れた水を無害化する研究開発で、世界の水不足の課題解決に取り組んでいることに対して大変感銘を受けたとし、私たちは水が無くては生きていけず、貴重な水を上手くリサイクルし、飲めるようにするという信州大学の研究成果が更に世界各国で活用されることに期待している、と述べました。
※ 地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)は、大学の飛躍的な研究力向上を実現するため、大学の強みや特色ある研究力を核とした戦略的な経営に基づく環境構築を支援する、大学のシステム改革事業です。
(https://www.mext.go.jp/a_menu/kagaku/platform/mext_02062.html)
※ 信大クリスタル(手嶋研究室):https://shindaicrystal.com/about/
※ 信大RO膜(遠藤研究室):http://endomoribu.shinshu-u.ac.jp/
※ 信大人工光合成(堂免研究室):https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/rism/domen-hisatomi-lab/
※ swee:https://shindaicrystal.com/swee/