4月29日、ベトナムを訪れた盛山大臣は、同国のソン外務大臣を表敬し、教育・文化等の幅広い分野について意見交換を行いました。
盛山大臣は、昨年11月の日越首脳会議における共同声明を踏まえ、教育・人的交流、文化芸術、科学技術及びスポーツの分野における協力を強化することが両国間の友好関係の増進に重要であると述べつつ、特に日本がこれまでに実施したハノイのタンロン遺跡の発掘調査等や現在実施中のホイアンの「日本橋」修復事業に対する技術協力に触れ、このような協力を通じた日越関係の一層の強化が極めて重要である旨を述べました。
また、このような文化面での健全な友好関係の進展のため、海賊版サイト対策をはじめとする著作権侵害等の共通の課題に対し、両国が引き続き対策を進めていくことが重要である旨を述べるとともに、スポーツ分野においてもASEANスポーツ協力の枠組みを中心に、引き続き両国が必要な協力を行っていきたい旨を伝えました。
ソン外務大臣からは、多くのベトナム人が日本に居住・留学するなど密接な関係にある両国の現状を述べつつ、さらに今後はAIや半導体、水素エネルギー、GX等の新たな分野における人材育成に関する協力が重要であることや、文化遺産の保護に係る協力を引き続きお願いしたいなどの発言がありました。
併せて、盛山大臣は、初代ベトナム民主共和国主席であるホーチミン氏の霊廟であるホーチミン廟を訪問し、献花を行うとともに、11世紀にベトナム最古の大学である「国子監」が置かれた文廟及び世界遺産であるタンロン遺跡を訪問し、現地の専門家等からそれぞれの場所の歴史や価値について説明を受け、遺跡の保護・管理の状況等を確認しました。
文部科学省では、今回の盛山大臣のベトナム訪問の成果も踏まえ、包括的戦略的パートナーシップに基づく両国の関係が一層前進するよう、引き続き、文部科学行政における協力の強化に取り組んでいきます。