盛山大臣が3GeV高輝度放射光施設NanoTerasuと東北大学の研究施設を視察

12月20日(水曜日)
科学技術・学術

  12月20日、盛山大臣は来年度の運用開始に向けて整備が進められているNanoTerasu(ナノテラス:3GeV高輝度放射光施設/東北大学青葉山新キャンパス内)と東北大学の研究施設を視察しました。

  NanoTerasuは日本で初めて国と民間・地域のパートナーが一体となって一つの大型研究施設を整備・運用する「官民地域パートナーシップ」という枠組みで整備が進められています。放射光施設とは、光の速さまで加速された電子の進路を磁石の力で曲げることによって発生する光を利用した「巨大な顕微鏡」として研究開発を行う施設です。
  NanoTerasuの光(軟X線)は世界トップクラスの性能を有しており、学術・産業において重要な元素や分子の動きを可視化できるため、社会課題解決につながる新素材の開発や、健康と医療を支える新技術の創出など社会実装に繋がる幅広い分野での成果が期待されます。
  盛山大臣は関係者から説明を伺い、加速器や実験ホール内のビームラインを実際に見て回りました。視察後、盛山大臣はNanoTerasuの運用開始への期待を示し、特に産業界の東北経済連合会が力を入れて協力いただいていることに感謝するとともに心強く感じる旨述べました。

  続いて、ゲームチェンジング技術とも言われるスピントロニクス省電力半導体(次世代半導体)の開発拠点である「国際集積エレクトロニクス研究開発センター」を視察しました。大学において設計からシステム化まで一貫して本格的な半導体開発が実施でき国内外から注目されており、多くの企業や大学が参画して研究開発と人材育成が進められています。

  最後に、東日本大震災を機に設立され、地域住民の医療情報とゲノム情報を複合させたバイオバンクにより、被災地住民の健康向上と個別化予防等の未来型医療の実現を目指す事業を進めている「東北メディカル・メガバンク機構」を視察しました。バイオバンクが保有する生体試料や情報を活用することで、新たな治療・予防法の開発や創薬に繋がることが期待されます。

  また、東北大学の歴史や現状などについて話を伺いつつ、大野東北大総長らと懇談しました。

  文部科学省では、今回の視察で得られたことを踏まえて、関連施策の充実に積極的に取り組んでまいります。

【3GeV高輝度放射光施設NanoTerasu視察】

【国際集積エレクトロニクス研究開発センター視察】

【東北メディカル・メガバンク機構視察】

【大野英男東北大総長らとの懇談】