OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の結果公表に合わせた国際イベントに盛山大臣が登壇

12月5日(火曜日)
教育

  12月5日、4年ぶりとなるOECD生徒の学習到達度調査2022年調査(PISA2022)※¹の結果公表に合わせたOECD主催の国際イベントがパリにて開催され、パネルディスカッションにオンラインで盛山大臣が登壇し、プレゼンテーションを行うとともに、パリの聴衆からの質問に答えました(他にはウクライナ、韓国、エストニアの閣僚が登壇)。

  今回の調査結果※²を踏まえ、 OECDのシュライヒャー教育・スキル局長は、日本について、“新型コロナウイルス感染症の流行に関連する混乱を乗り切り、不利な状況下でも学習が継続できるように、より良く準備された「レジリエントな」国”と評価しました。

  盛山大臣は、この評価に対し、
「先生方が感染予防の様々な工夫を講じながら、学校を再開することに尽力していただくとともに、対面での、教師と子供や子供同士の関わり合いを通じた学習の機会を極力確保されるなど、学校ならではの学びの充実に取り組んでいただいたことが、今回の結果につながった」
と述べました。

  また、日本では、教科指導、生活指導、清掃、給食の指導等を一体的に行い、確かな学力、豊かな人間性、健やかな体をバランスよく育む「日本型学校教育」を行っていると紹介し、
「コロナ禍を通じて、学校は対面での教育や協働的な学びの場を提供するほか、居場所・ セーフティネットとしての役割を果たし、子供たちのウェルビーイングの向上に寄与していることが明らかになった。また、学校は、多様な他者を尊重し、包摂的な社会を形成するための重要な基盤でもある」
と述べました。

  更に、聴衆から「AIなどの技術を活用したバーチャルな教育を重視すると、かえってグループで生徒同士がコミュニケーションを取り合うような学びの機会を失うリスクもあると考えるが、各国の見解を伺いたい。」という質問が出た際には、「バーチャル世界のみで学ぶのではなく、五感を重視し、実世界を体験することが学習において非常に重要であると考えている。日本では、一つの教室で35人程度が集団で学び、一人一台端末などのICT機器も活用するが、他の生徒と討議したり、集団で外に出て実世界を体験したりする学習も重視している。」と回答しました。

  併せて、「日本が今回好成績を達成できたのは、教師の献身的な取組によるところが大きいが、それのみに頼ることは持続可能ではない。引き続き、教師の厳しい勤務実態の改善に努めたい。」という考えも述べました。

  パネルディスカッションの模様は、以下のURLから御覧いただけます(日本語音声への切替可)。
https://video.oecd.org/64dcc9ae1ba4df208be4ffbdfd056883/ja/Launch-of-PISA-2022-Results.html別ウィンドウで開きます

※1 OECD生徒の学習到達度調査(PISA)とは
義務教育修了段階(15歳)において、これまでに身に付けてきた知識や技能を、実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測るOECDの調査。読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野(実施年によって、中心分野を設定して重点的に調査)あわせて、生徒質問紙、学校質問紙による調査を実施している。

※2 OECD 生徒の学習到達度調査2022年調査(PISA2022)のポイント(9.63MB)
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2022/01_point.pdfPDF
▶PISA2022の結果資料についてはこちら(国立教育政策研究所HP)
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/index.html#PISA2022別ウィンドウで開きます

左:OECDのシュライヒャー教育・スキル局長