国産量子コンピュータ初号機が公開されました

3月27日(月曜日)
科学技術・学術

  3月27日、理化学研究所が国産量子コンピュータ初号機を公開しました※¹。公開に伴い、インターネットを経由して、大学・企業等の外部機関のユーザーが遠隔地から利用することが可能になりました。

  量子コンピュータは、現在のスーパーコンピュータでは1億年以上かけても解けないような問題を、短時間で解くことができるとされています。量子コンピュータによる飛躍的な計算性能の向上により、新素材開発、創薬、金融、エネルギーなど、幅広い分野における産業の成長機会の創出や社会課題解決の実現をもたらすことが期待され、米中を始めとする世界各国で開発が進められています。

  今回、公開に至った国産量子コンピュータ初号機は、文部科学省の研究開発プロジェクト「光・量子飛躍フラッグシッププログラム Q-LEAP(キューリープ)※²」において、2018 年から、理化学研究所が大阪大学や富士通株式会社などと連携して開発を進めてきました。
  同日、お披露目会が開かれ、井出副大臣が出席しました。井出副大臣は挨拶で、
「今回整備した初号機が、産学官で幅広く活用されることにより、ハード本体からソフトウェアまでの様々な技術の進展に貢献し、将来の実用化に向けて、大きな一歩となることを期待します。」
と述べました。

  当面は試運転として、既存の共同研究先のユーザーに公開し、その後、利用可能な時間や運用人材の充実化等を図り、本格的な運用時には産学官の幅広いユーザーを公募する予定です。

※¹ 国産量子コンピュータ初号機公開のプレスリリース(理化学研究所)
https://www.riken.jp/pr/news/2023/20230324_1/index.html別ウィンドウで開きます
※² 「光・量子飛躍フラッグシッププログラム Q-LEAP(キューリープ)」
https://www.jst.go.jp/stpp/q-leap/別ウィンドウで開きます

国産初号機前での記念写真撮影 
左から:理化学研究所 五神真理事長、井出副大臣、星野剛士内閣府副大臣、
理化学研究所 中村泰信 量子コンピュータ研究センター長

国産初号機の見学中に説明を受ける様子

お披露目会にて国産初号機のデモンストレーションについて説明を受ける様子

お披露目会での井出副大臣挨拶