資料1 財団法人日本中学校体育連盟資料

 スポーツ立国戦略」の策定に向けたヒアリング要旨 

(平成22年4月9日(金曜日)19時15分~文部科学省にて)

財団法人 日本中学校体育連盟 専務理事 三辻 陽夫

◎本連盟は、昭和30年 全国中学校体育連盟として発足。平成元年2月17日 財団法人 日本中学校体育連盟設立認可。現在に至る。

◎スポーツ振興に関するこれまでの取り組み

中学校における保健体育の授業、及び学校教育活動の一環としての運動部活動を基盤にして

  • 中学校における体育・スポーツ活動の振興と推進
  • 中学生の体力の向上
  • 競技力の向上・スポーツ運動技能の向上
  • 中学生の心身ともに健全な発達と育成
  • 中学生の望ましい人間形成、人間関係

等を目指しながら、生きる力を育むべく、生涯体育・生涯スポーツの基礎・基盤づくりに寄与、更には、中学校教育の充実と発展に資すべく、半世紀以上にわたって活動してきている。

◎具体的活動内容

  • 全国中学校体育大会(全18競技)の実施(全国9ブロックにて輪番開催)
    陸上競技・水泳・バスケットボール・サッカー・ハンドボール・軟式野球・体操・新体操・バレーボール・ソフトテニス・卓球・バドミントン・ソフトボール・柔道・剣道・相撲・ 駅伝・スキー・スケート・アイスホッケー
    (今後、競技数は増加する傾向にあり、新加盟の窓口も開いている)
  • 各競技部の充実と活性化
  • 各競技と各競技団体との連携
  • 運動部活動の充実と活性化
  • 都道府県大会・ブロック大会(全国9ブロック)の充実と連携
  • 財団法人日本中学校体育連盟研究大会の振興と充実発展
  • 47都道府県中学校体育連盟、全国9ブロック中学校体育連盟との連携等
    ※平成12年、54通知の廃止に伴い「児童・生徒の運動競技に関する基準」について自主通知文作成、交付。
    ※現在、9ブロック編成で全国大会を開催しているが、平成23年度(全国中学校体育大会夏季大会ブロック開催4巡目)より8ブロック編成で夏季大会を実施することになっている。ただし、参加チーム数、選手数は従来どおり、9ブロックで割り当てる。この8ブロック編成は、夏季大会のみに適用する。また、大会規模については、各競技部ごとに、適正規模を検討し実施する。

◎運動部活動の現状(推移 別添資料参照)

  • 運動、スポーツ等に興味と関心を持つ同好者が組織する生徒と教師(顧問)の自主的、主体的な活動
  • 全国の中学校 10,864校(平成21年度)
  • 本連盟加盟校数 10,790校 加盟率約99.3%
  • 全国の中学生 約360万人 男子 約184万人 女子 約176万人
     運動部活動加入生徒数 234万人 男子 139万人 女子 95万人
     運動部活動加入率 約64,9% 男子 約75.5% 女子 約53,8% 
  • 年々生徒数の減少、学校小規模化の進展は多少あるが、生徒加盟率は、横ばい若しくはやや上昇傾向も見えている。
  • 運動部活動生徒の減少傾向
  • 顧問教師の高齢化傾向
  • 運動部活動顧問の敬遠傾向
  • 専門的指導のできる教師の減少傾向
  • 運動部顧問の絶対数の不足
  • 指導の過熱化傾向、勝利至上主義的傾向  等
  • 運動部活動をめぐる諸課題は山積しているのが現状である。

◎大会運営上の現状

  • 大会経費の厳しさ(特に冬季大会)
  • 大会役員、競技役員の服務(公務災害等の適応)
  • 人的対応厳しい
  • 開催困難競技  
  • 施設設備
  • 緊急時対応(自然災害、感染症対応等)
  • ブロック開催への対応   等

◎具体的施策

  • 複数校合同部活動の導入
  • 外部指導員(コーチ)の導入
  • 大会引率枠の拡大(個人競技の引率、外部指導員認可)
  • 部活動の学校教育活動内への位置づけ促進
  • 大会経費の削減
  • 各競技大会の適正規模の検討・ブロック開催の検討
  • ナンバーカードの広告協賛の導入
  • 公務災害の適用へ向けての努力と保険加入
  • 拠点方式の導入への啓発
  • 競技団体等との連携
  • 教育委員会等との連携
  • 競技大会の開催と分離開催  等

◎これからの活動

 生きる力を育む運動部活動の進展、各中学校における保健体育の授業を基盤にして、学校教育活動の一環としての運動部活動の推進に向け努力する。又、各競技大会は、日頃の活動の成果を発表する重要な場である。学校、地域、ブロック、行政における体育大会への支援(特に、財政的な支援、国庫補助金増等も含む)を強く要望していきたい。生涯体育、生涯スポーツの基礎作りや、中学生のアスリートの育成等に資すべく、中学校体育の充実発展、活性化、更に、これまで中学生の健全育成に努力してきた原点を見失うことなく取り組む必要性、重要性を実感している。又、中学校体育連盟の果たすべき役割を再認識し、当面する諸課題に対して具体的対応対策について更に取り組んで生く所存である。

 

意見要旨

1、本連盟の主たる活動である全国中学校体育大会(中学生のアスリートの大会でもある)への参加等については、全て、参加各中学校の学校長の責任のもとに行っている。
 又、その原点は、各中学校の運動部活動にあると考えている。生徒も保護者も学校で実施する運動部活動を望んでいる。平成20年3月学習指導要領の総則に部活動の明確な位置づけをしていただきました。是非、運動部活動をひとつの重要な学校教育活動として、また、今後の重要なスポーツ人口の底部拡大、スポーツ技術・競技力の向上等のためにも、意義を理解し、定着しますように更なるご配慮とご指導をお願いしたい。

2、次に、運動部活動や競技大会の運営にかかわる教員の職務・服務と公務災害の適用についてですが、現在、運動部活動については、教育活動として実施運営されている。又、競技大会への生徒引率としての教員の参加は、出張扱いとなっている。しかし、生徒引率を伴わない競技大会の運営や競技役員としての参加は、ほとんどが職免扱いか休暇をとっての参加となっているのが現状である。(地域により多少違いもあるが)したがって、万一、傷害等が発生した場合、公務災害が適用されない。競技大会は、生徒の運動やスポーツや運動部活動の集大成の場であると考えている。競技大会の運営や競技役員としてかかわる教員の職務・服務について、出張扱いとして認知し、是非、教育活動に関連する、準ずる職務・服務として取扱をしていただけるよう配慮してほしい。又、公務災害の適用についても、是非、職務・服務との整合性、関連性も配慮し検討してほしい。
 個々の中学生が懸命に努力し、トレーニングに励む、その大切且つ重要な発表の場でもあり、中学生アスリートの闘いの場でもある、望ましい全国大会の運営を是非とも充実・発展させていきたい。

3、続きまして、各地域で運動部活動や大会を掌握する各中学校体育連盟の運営や諸活動についても教育活動に準ずる活動として認めていただきたい。又、運営や諸活動を取りまとめている教員の事務負担の軽減を図るため、人的配置を(加配、時間講師の配分等)についてご検討をいただき、改善をしてほしい。更に、教育諸活動の実務負担を軽減するために、教員定数の改善、運動部活動を積極的に指導できる教員の採用についても推進をしてほしい。運動部活動は、教員と生徒が真摯に向き合い、触れ合う貴重な時間と考えている。きめ細かく、適正で効果的な指導時間が確保できるよう是非にもご配慮をお願いしたい。中学生のスポーツや運動の原点である運動部活動、また重要な発表の場でもある競技大会の開催等に関わる中学校体育連盟の運営等への参加は、中学生のスポーツ・運動の充実、発展のために、不可欠な要素であると考える。是非、ご理解いただきたい。

4、最後になりますが、全国大会開催地においては、大会経費の捻出に苦慮している。大会経費捻出の努力とともに、大会経費の削減へ向けての努力は、勿論大いに取り組んでいる。又、全国大会開催に伴う各都道府県及び各自治体の財政的負担は、大変厳しいことも理解はしている。施設の指定管理者制度に関わる減免申請ができるよう、又、国庫補助金等の増額も含めて、大会開催に伴う、財政的支援を、これまで以上にご理解とご尽力を賜りますようお願いしたい。都道府県では、国庫補助金にてのご支援を頂いているが、各競技大会の開催地の状況は、財政的に非常に厳しい、業者からの協賛も多々頂いているが、これも厳しい状況にある。是非、国からのご支援とご協力を更に、ご検討していただきたい。
 生涯スポーツ、生涯体育の基礎作り、中学生のアスリート養成等に資すべく、中学生の生きる力を育むべく、又、中学校体育の充実と発展、とりわけ、中学生の健全育成に努力してきた原点を見失うことなく取り組む必要性、重要性を新たに実感をしている。
 これからも、中学校体育連盟の果たすべき役割を再認識し、又、学校教育活動としての運動部活動の趣旨を理解し、山積する諸課題に対して、具体的な対応や対策について更に取り組んで行きたいと考えている。格段のご理解とご配慮ご検討方よろしくお願い致します。

 

資料 本連盟運動部活動加盟の推移(学校数・生徒数・文部科学省学校基本調査)

財団法人日本中学校体育連盟 平成21年9月現在

 

全国中学校数

加盟校

加盟率

平成16年度

11,089校

11,003校 

99.2%

平成17年度

11,004校(85校減 0.8%)

10,925校

99,3%(78校減 0.7%)

平成18年度

10,992校(12校減 0.1%)

10,892校

99,1%(33校減 0.3%)

平成19年度

10,955校(37校減 0.3%)

10,855校

98.9%(37校減 0.3%)

平成20年度

10,915校(40校減 0.4%) 

10,848校

99.4%(7校減 0.06%)

平成21年度

10,864校(31校減 0.3%)

10,864校

100.0%(16校増 0.1%)

 

 

生徒数

加盟人数

加盟率

平成16年度

3,663,512人

2,392,161人

65.3%

平成17年度

3,626,416人(37,096人減 1.0%)

2,349,519人

64.8%

平成18年度

3,601,528人(24,888人減 0.6%)

2,376,285人

66.0%

平成19年度

3,614,552人(13,024人増 0.4%)

2,344,688人

64.9%

平成20年度

3,592,406人(22,146人減 0.6%)

2,339,491人

65.1%

平成21年度

3,600,319人( 7,913人増 0.2%)

2,336,050人

64.9%

(平成15年度以前の生徒数は、約10万人ずつ減っている)
12・140,046減(3.3%)13・111,725間(2.7%)14・129,140減(3.2%)15・114,532減(3.0%)

 

 

男子生徒数

加盟生徒数 

加盟率

平成16年度

1,872,596人

1,410,143人

75.3%

平成17年度

1,854,127人(18,469人減 1.0%)

1,387,406人

74.8%

平成18年度

1,842,102人(12,025人減 0.6%)

1,407,888人

76.4%

平成19年度

1,847,813人( 5,711人増 0.3%)

1,393,649人

75.4%

平成20年度

1,835,217人(12,596人減 0.7%)

1,390,445人

75.8%

平成21年度

1,838,597人( 3,380人増 0.1%)

1,388,369人

72.8%

 

 

女子生徒数 

加盟生徒数

加盟率

平成16年度

1,790,916人

982,018人

54.8%

平成17年度

1,772,289人(18,627人減 1.0%)

962,113人

54.3%

平成18年度

1,759,426人(12,863人減 0.7%)

968,397人

55.0%

平成19年度

1,766,739人( 7,313人増 0.4%)

951,039人

53.8%

平成20年度

1,757,189人(12,596人減 0.7%)

949,048人

54.0%

平成21年度

1,761,722人( 4,533人増 0.3%)

947,681人

53.8%

 

       

 外部指導員数(本連盟加盟競技) 

合同部活数

平成16年度

男 17,834人

女 5,782人

合計 23,616人

683部

平成17年度

男 17,668人

女 8,222人

合計 25,890人

319部

平成18年度

男 18,916人

女 8,921人

合計 28,053人

319部

平成19年度

男 19,792人

女 7,832人

合計 27,624人

430部

平成20年度

男 18,006人

女 9,662人

合計 27,668人

460部

平成21年度

男 20,869人

女 10,125人

合計 30,994人

532部

 

         

お問合せ先

スポーツ・青少年局企画・体育課

(スポーツ・青少年局企画・体育課)

-- 登録:平成22年05月 --