地域住民が自主的に運営するスポーツの自立した組織一総合型地域スポーツクラブが、我が国のスポーツの仕組みを変えつつあります。総合型地域スポーツクラブを育成することによって、何が変わるのでしょうか。
ある町(人口約8,000人)のクラブを例にみていきましょう。
平成12年4月、7つのスポーツ少年団が中心となってクラブを結成
生涯にわたって誰もが気軽にスポーツに親しむことができるスポーツ環境の基盤づくりと、ゆくゆくはこのクラブから全国で活躍するような選手の育成・輩出を目指す。
年会費:子ども(中学生以下)4,000円、大人(高校生以上)5,000円
会員数:子ども(中学生以下)193名、大人(高校生以上)201名、合計394名
選手育成を目指す7つのスクール(主に小・中学生)と、日常的なスポーツ活動を楽しむ16のサークル(子どもから高齢者まで)、さらに地域住民を対象としたイベントの開催など、「地域に開かれたクラブ」として幅広い活動を行っている。
スポーツスクール | |
種目 | 実施期日 |
剣道 | 水・土 |
柔道 | 水・土 |
野球 | 木・土 |
体操 | 水 |
卓球 | 火・土 |
サッカー | 水・土・日 |
バレーボール | 火・木・土 |
スポーツサークル | |||
種目 | 実施期日 | 種目 | 実施期日 |
卓球 | 水 | テニス | 金 |
陸上競技 | 土or日 | ソフトテニス | 木 |
バスケットボール | 金 | エアロビクス | 月 |
バドミントン | 火・金 | エアロビクス | 水 |
ニュースポーツ | 金 | 健康体操 | 木 |
総合スポーツ 注1 | 土 | ボウリング | 5回コース |
ちびっ子スポーツ 注2 | 土 | サッカー・フットサル | 火 |
注1 小学校上級生の教室、いろいろなスポーツ体験
注2 小学校下級生の教室、遊びを通して基礎体力づくり
イベント | |
種目 | 実施期日 |
ハイキング尾瀬 | 6月10・11日 |
健康まつり | 6月24日 |
海浜清掃ボランティア | 7月20日 |
スポーツフェスティバル | 10月1日 |
講演会 | 2月24日 |
スポーツ写真コンテスト | 2月24日 |
会長、ジェネラルマネージャー、企画・運営委員会(18名)、クラブハウスに事務局員を配置
スクール部門33名、サークル部門26名 計59名
小学校(2校)体育施設、中学校体育施設、町立体育館、町営グラウンド、総合公園グラウンド、保健福祉センター
地域住民の10%以上の会員数(800人)と、NPO法人格の取得
はじめは、7つのスポーツ少年団の間でも意見が分かれ、「これまで別々に活動してきた団体が、一緒になることのメリットがわからない」、「自分のチームや種目、団体の活動に支障がでることが心配」といった雰囲気の方がむしろ強かったようです。
しかし、「子どもの数が減ってくればメンバーの確保が困難になってくる」、「高齢者の割合が増えれば、健康や生きがいづくりのためのスポーツニーズが高まってくる」など、少子・高齢化とスポーツとは切り離せない問題ではないかといった発言から話しの流れが大きく変わりました。
次第に、「チームや種目、団体といった枠を超え、スポーツが地域社会や子どもたちに何ができるのか」といったテーマが中心となり、クラブ設立に向けての具体的な話し合いが続けられました。
最終的に、「地域のスポーツが盛んになることが、結局はそれぞれが所属するチームや種目、団体の活性化へとつながり、現在または将来的に抱えるであろう問題点を解決することにもなる」といった共通理解に至ったことが、クラブ結成に向けての大きな分岐点となったようです。
これまでは、小学生はスポーツ少年団、中・高校生は学校の運動部活動、社会人は職場や地域のサークルといった形でそれぞれが別々に活動しており、種目やチームが違えば、お互いがどのような活動を行っているのかよくわからないというのが一般的でした。
一方、総合型地域スポーツクラブの場合、このクラブのように、種目やチーム、年代の枠を超えた一つのクラブとして、子どもから高齢者、障害者も含め、誰もが生涯にわたってスポーツを楽しむことができる仕組みとなっています。
また、総合型地域スポーツクラブは、運営を支えるためのスタッフや指導者が充実していることなど、継続性、自立性、公益性といった観点からみても、これからの地域スポーツ振興の中心的な役割を担っていくものとして期待が集まっています。
このクラブでは、特に次の2点を挙げています。
スポーツ・青少年局スポーツ振興課
-- 登録:平成21年以前 --