専修学校における留学生管理等の徹底について(平成22年9月14日)

 22生生推第51号
平成22年9月14日

各都道府県専修学校主管課長
各都道府県教育委員会専修学校主管課長 殿

文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課長
藤野公之
(印影印刷)

 専修学校における留学生管理等の徹底について(通知)

 専修学校における留学生の適切な受入れの促進等については、従前より、御配意をいただいているところですが、このたび、平成22年9月14日付け22文科生第473号生涯学習政策局長通知(「専修学校及び各種学校における留学生の受入れについて」)にて別途通知しましたとおり、「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律」(平成21年法律第79号)による改正事項のうち、在留資格「留学」と在留資格「就学」の一本化等に係る事項が、平成22年7月1日から施行されました。また、同通知では、専修学校における留学生の受入数について、総入学定員の2分の1までとしてきた一律の取扱いを改め、留学生の在籍管理点を適正に行っている専修学校にあっては、充実した教育指導及び適切な留学生管理を確保できる範囲内で、総入学定員の2分の1をこえて留学生を受け入れることを可能としています。
 文部科学省としては、「質の高い外国人学生の受入れを30万人にすることを目指す」とした政府の目標(「新成長戦略~『元気な日本』復活のシナリオ~」 (平成22年6月18日閣議決定))等も踏まえ、これらの措置を通じ、専修学校における留学生の受入れを更に促進していくこととしていますが、同時に、積極的な受入れの推進が不法残留等の増加につながることのないよう、各専修学校における留学生管理等についても一層の徹底を図る必要があると考えます。
 ついては、各項道府県及び各都道府県教育委員会におかれては、専修学校における留学生管理等について、下記に留意の上、遺漏のないよう、所管の専修学校に対する御指導をお願いします。

1 留学生管理等に関する具体的留意事項

 専修学校における留学生管理等については、平成22年9月14日付け22文科生第473号生涯学習政策局長通知記2に掲げる留意事項の徹底を図るものとするが、具体的には、留学生を受け入れる専修学校において、以下の事項に関し、特に留意するものとすること。

(1) 入学者の募集・選抜について
 1 入学者の募集について
 留学生の入学時及び在学中における注意事項等を、あらかじめ留学生の募集要項等で示すこと。
 2 入学者選抜について
 留学生の入学者選抜に当たっては、入学志願者の中に、不法就労・不法滞在を目的とする者がいる場合等も想定した上で、真に修学を目的とした者が選抜されるよう、次のア~ウに留意しつつ、適切に行うこと。
 ア 書類審査、面接、筆記試験等について
 諸外国における教育の実情等を勘案しつつ、専修学校の教育を受けるに足る能力、適性等を総合的に判定し、入学許可するよう配慮すること。入学志願者の目的意識、学習意欲等を適切に判定するため、書類審査に加え、可能な限り面接による審査を行うこと。また、入学志願者の実態に応じ、可能な限り筆記試験を行う等の適切な方法により、当該専修学校の課程の履修に必要な学力等の有無を的確に判定すること。
 イ 日本語能力の判定について
 留学に係る在留資格の取得については、法令上、法務大臣が告示をもって定める日本語教育施設における6か月以上の日本語の教育を受けた者又は学校教育法第1条に規定する学校(幼稚園を除く。)において1年以上の教育を受けた者であれば、日本語能力に関する試験の成績如何にかかわらず、その他の諸要件を満たすことにより、在留資格の取得が可能な取扱いとなっているが、専修学校における入学志願者の日本語能力の判定に当たっては、これらの者についても、志望学科(日本語に関する学科を除く。)の教育課程を履修し得る日本語能力を有しているか否かを適切に判定する観点から、財団法人日本国際教育支援協会及び国際交流基金が実施している日本語能力試験(N1若しくはN2レベル)又は独立行政法人日本学生支援機構が実施している日本留学試験(試験科目「日本語」)などを活用することが望ましいこと。
 ウ 支弁能力の確認について
 入学許可に際しては、面接等を通じ、留学に伴う学費や留学期間中の生活に要する費用の支弁方法等を含め、わが国における留学生活を維持できるだけの経済的基盤を有することについて、十分な確認を行うこと。

(2) 留学生向けの入学時オリエンテーションについて
 1 入学時オリエンテーションの実施について
 留学生の入学時には、オリエンテーションを実施し、例えば次のア~オのような注意事項等について周知を図ること。特に入国して間もない留学生に対しては、注意事項等を周知徹底すること。
 ア 留学期間中の勉学に関すること
 イ 日本における生活環境、日本の文化等に関すること
 ウ 出入国管理に係る手続に関すること(例えば、一時出国する場合には事前に再入国許可手続が必要であることなど)
 エ 法令の遵守に関すること
 オ その他の注意事項
 2 母国語によるオリエンテーションについて
 留学生に対し、必要な注意事項等を十分理解させるためには、その日本語能力等も考慮しつつ、できる限り母国語ごとに、複数回のオリエンテーションを実施することが望ましいこと。

(3) 留学期間中の在籍管理等について
 1 在籍管理について
 留学生の入学後は、所期の留学の目的を達成できるよう、勉学状況等の把握に努めるとともに、次のア~オに留意しつつ、各専修学校が自ら責任を持って、その実態に応じた適切な在籍管理を行うこと。
 ア 留学生の住所、電話番号及び帰国時の連絡先並びに経費支弁者等の連絡先などを把握しておくこと。
 イ 日常の出欠管理を徹底するとともに、学業成績が良好でない者や出席状況の低調な者に対しては、面談等により改善指導を行うこと。
 ウ 無断欠席者、長期欠席者に対する指導方針や除籍基準を策定し、留学生に対して周知徹底すること。
 エ 退学者・除籍者及び所在不明者等については、直ちに地方入国管理局等へ報告すること。
 オ 退学(転校・転学を除く。)・除籍させる留学生については、特に、留学という所期の目的が達成できなくなっている状況に鑑みて、できる限り帰国するよう勧めること。また、その後の帰国状況等を十分把握すること。
 2 生活指導について
 留学生に対し、次のア~ウに留意しつつ、日本の生活習慣や住居に関すること、緊急時の対処法など、学校外の日常生活に関する指導(以下「生活指導」という。)を行うこと。特に入国して間もない留学生に対しては、生活指導を徹底すること。
 ア 生活指導担当教職員の配置について
 専修学校への留学に係る在留資格の取得は、当該専修学校に外国人学生の生活の指導を担当する常勤の教職員が置かれている場合にのみ認められるものであるが、当該常勤の教職員については、なるべく、留学生の生活指導に係る業務に専任できる体制を整えること。
 イ 資格外活動(アルバイト)について留学生による資格外活動(アルバイト)については、労働の内容、就業 場所、就業期間及び就業時間、雇用主の連絡先等を常時正確に把握するとともに、留学生に対しては、以下の事項を周知・指導すること。
 (ア)風俗営業又は風俗関連営業が行われる場所でのアルバイトは行わないこと。
 (イ) アルバイトを行うに当たっては、資格外活動許可書(写し)又は就労資格証明書を携行すること。
 (ウ)資格外活動許可の有無、労働の内容、就業場所、就業期間・時間等に変更があった際は、在籍する専修学校の担当窓口に遅滞なく届け出ること。
 ウ その他
 留学生に対して、外国人登録の申請又は変更及び国民健康保険への加入について指導するとともに、その状況を把握すること。
 3 日本語指導について
 専ら日本語の教育を行う学科等以外においても、留学生の日本語能力の向上を図るため、日本語の指導を行う教員を置くよう努めること。

(4)卒業時の指導等について
 留学生の卒業時には、進学、就職又は帰国など、その後の進路を把握すること。帰国することとした者については、確実に本国に帰るまでの確認を行うこと。また、国内での就職を希望するなどにより、在留資格の変更が必要となる者に対しては、その手続等について周知し、指導すること。

2 留学生の受入数に関する取扱い

 平成22年9月14日付け22文科生第473号生涯学習政策局長通知記2(2)に規定する留学生の受入数の取扱いについては、「専修学校教育の振興方策等に関する調査研究(平成21年11月11日生涯学習政策局長決定)」の協力者会議においても検討が行われ、以下のような取扱いの方法例が提言されているので、これらを参考としつつ、適切に取り扱うものとすること。

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(総合教育政策局生涯学習推進課)

-- 登録:平成23年05月 --