提案した新カリキュラムの遂行により、基礎技術の修得を基本として、さらなる技術向上を推進する際に、これまでの座学のあり方や実習のあり方とは異なり、それぞれの科目が単独で実施されるのではなく、習得した技術なり、知識なりがそれぞれの場面ですべてがかみあっていることに気付かせることができた。
新しいカリキュラムの実行により、これまでの座学中心の授業体系から、学外と関わりを持ちながら授業を進めていく新たな授業形態を導入することにより、学生の主体性を重視し、調理の指導体験や大規模な行事の企画から実行まで、自ら培った調理技術を活かしながら、その成功体験から学ぶことの喜びを知り、責任感や指導性を育む新たな人格の発見を可能にし、やる気を起こさせるような魅力ある独自性のあるカリキュラムを生み出す原動力に成りえることが分かった。
本事業により、調理師専門学校生は、自分自身が就学中に身につけつつある専門技能が、社会において何に役立つのか、何に貢献するものなのか、何が足りないのか、専門職能を有する技能人としてどうあれば良いのか、などを卒業前に自覚する機会を得ることにより、カリキュラムの実質的試行がなされたと考える。その機会とは、同級生同士の競争、公募機会を利用した競争、学校教育の場を助手として活用した児童・生徒への指導、市民の食に対する意識の整理という側面を理解する場であり、それを提供することができたことは大きな成果となった。
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