平成15年度専修学校先進的教育研究開発事業

事業名 「学生の創造性を発揮させる新しい授業形態の研究開発」
学校法人名 川島学園
学校名 九州調理師専門学校
代表者
理事長 川島 壽元
担当者・連絡先
事務長 谷坂 敏 095-861-7008
事業の概要  現代社会が「食のリテラシー」に希薄になっている今日「食育の大切さ」を痛感し、幼児期から成長期までの食生活に関するしつけや健康、それに栄養など今日の日常生活の実態を把握し、これから調理現場で実践を踏む学生にとって調理技術だけでなく一人の人間として、また調理師として社会に貢献できるような「食つくり」、「人つくり」を目視し、人格形成の原動力と成りえる新しいカリキュラムの創出のための事業に取り組んだ。
 取り組んだ事業内容は次の通りである。
1   健康と病気の実態や幼児期における食育(食に関するしつけ)の実態についてアンケート調査を実施した。
2   学生を家庭科の料理授業に助手として参加し、生徒の調理実習に日頃身に付けた調理技術を持ってアドバイザーとしての役割を果たした。
3   学習の集大成として、食フェスティバルを学生主体で実施した。食フェスティバルでは地産地消や食育を目的として、児童を対象にした料理教室やしつけに関する食育基調講演、栄養・健康に関する健康相談などを実施した。
4   全国規模および地方規模の料理コンテストに参加した。
成果  提案した新カリキュラムの遂行により、基礎技術の修得を基本として、さらなる技術向上を推進する際に、これまでの座学のあり方や実習のあり方とは異なり、それぞれの科目が単独で実施されるのではなく、習得した技術なり、知識なりがそれぞれの場面ですべてがかみあっていることに気付かせることができた。

 新しいカリキュラムの実行により、これまでの座学中心の授業体系から、学外と関わりを持ちながら授業を進めていく新たな授業形態を導入することにより、学生の主体性を重視し、調理の指導体験や大規模な行事の企画から実行まで、自ら培った調理技術を活かしながら、その成功体験から学ぶことの喜びを知り、責任感や指導性を育む新たな人格の発見を可能にし、やる気を起こさせるような魅力ある独自性のあるカリキュラムを生み出す原動力に成りえることが分かった。

 本事業により、調理師専門学校生は、自分自身が就学中に身につけつつある専門技能が、社会において何に役立つのか、何に貢献するものなのか、何が足りないのか、専門職能を有する技能人としてどうあれば良いのか、などを卒業前に自覚する機会を得ることにより、カリキュラムの実質的試行がなされたと考える。その機会とは、同級生同士の競争、公募機会を利用した競争、学校教育の場を助手として活用した児童・生徒への指導、市民の食に対する意識の整理という側面を理解する場であり、それを提供することができたことは大きな成果となった。

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-- 登録:平成21年以前 --