平成15年度専修学校先進的教育研究開発事業

事業名 ロボットの開発におけるプロジェクト型学習ケーススタディの開発およびその実践
学校法人名 学校法人 工学院大学
学校名 工学院大学専門学校
代表者
理事長 大橋 秀雄
担当者・連絡先
校務主事 住野 和男
電話  03-3340-0141
事業の概要
 現在、機械系・制御系の専門学校においては、知識や技術、資格取得等の教育については高いレベルの教育が行われているが、学んだことの応用や開発者同士のコミュニケーション、品質、コストなど、開発過程での各種管理、具体的な商品化等についてはなかなか取り組めていない状況にある。
 しかし、企業が求めている技術者は、開発に必要な知識や技術を身につけていて、かつ、それを活用できる応用力を持った人材である。つまり、「知っている」という人材より、「できる」という技術者が求められているのである。
 本事業では、上記のような「教育」と「企業ニーズ」のミスマッチを解消することを目標に、企業で行われている一般的な開発工程、「要件分析→企画→設計→開発→テスト→評価→改良→再評価→納品」といったプロセスを理解させるための教材を開発、学生にもの作りの流れを理解させることを第一の目的とした。
 また、それを実践する場として「ロボット大会」を企画、参加ロボットを学生に対して仮想的に「発注」し、大会当日に「納品」してもらうというシナリオで参加させ、学生の理解を高めるとともに技術力や発想の豊かさを引き出すことを目指した。

図
成果  本事業で開発した「ロボット開発プロセス教材」は、上図の企画力やマネジメント部分の教育を補完する教材であり、当該教育の新しい形態として提案的な開発ができた。ハード系専門学校教育における、知識+技能習得の考え方から、実社会に出るまでの下準備をさせることを目的としており、学生の付加価値を高める上で、また、新しいハード系専門学校の方向性を示唆する上でも、今までにない画期的な教材であった。
 プロジェクト参加校にて上記教材を利用して教育を行ったところ、学生からは「このような管理がなされていることは知らなかった」「プログラムを書くことばかりを気にしていた」「チームワークの大事さが理解できた」「大会まで計画的に開発を進めることができた」など、事業目標を達成する内容の回答が得られた。
 また、本教材を利用してロボット大会に参加したチームの成績は総じて良好で、対象チーム全てが決勝リーグに進出、準優勝2台という好成績を成し遂げ、教材の効果的内容を裏付けた。結果は技術レポートとして取りまとめ、関連学科を持つ専修学校に配付した。



-- 登録:平成21年以前 --