平成15年度専修学校先進的教育研究開発事業

事業名 デジタル放送を利用した遠隔教育の研究開発
学校法人名 学校法人 創真総合技術学園
学校名 日本写真映像専門学校
代表者 理事長 宗澤 政宏
担当者・連絡先
金本 晃一 06-6681-3377
事業の概要
  生涯学習向けのコンテンツ『めばるの煮付けの作り方』『Nervous Flight』を開発し、その開発過程を通して、データ放送に最適のe-Learningコンテンツの作り方や、内容についての知見を得、それを冊子『データ放送用e-Learningコンテンツの作り方』にまとめた。

  各専門学校の学生が共同作業で同様のコンテンツ制作を行った。その作業に必要な知識や技術については、各専門学校の教員や企業の技術者が特別研修(例:BML技術研修)を実施して教授した。そして、このインターンシップの内容と経過、課題などや、実施に関する方法や注意点などを、マニュアル風の報告書『プロジェクト型インターンシップ実施マニュアル&実施報告書』にまとめた。

  デジタル放送用e-Learning教材を制作するに当たり、最も効果的なリアルタイムコミュニケーション方法を教材開発に活用するために、かつて実際に放送された双方向コンテンツの事例を調べ、報告書『デジタル放送で今までに実放送された双方向コミュニケーションの事例について』としてまとめ、双方向放送のモデルを構築した。
成果
  テレビ大阪、松下電器産業、通信・放送融合技術開発テストベッド大阪センターの協力のもと、辻調理師専門学校と大阪外語専門学校がコンテンツ素材を提供してデジタル放送で利用できるリアルタイム双方向e-Learningコンテンツ2本を試作することができた。配信の流れを中断できない放送において、インターラクティブな学習をどう実現するかを検討するため、1本はデジタル放送内容にデータ放送を完全に同期したコンテンツを、もう1本は同期せずに関連ある内容をデータ放送で流すコンテンツを制作した。両コンテンツともに、デジタル放送の特長であるHDによりインパクトの強い映像を流すことができた。デジタル放送は学習者の学習開始や継続の動機付けには大きな効果をもつことがわかったが、放送では番組を中断できないために、インターラクティブなオンデマンドのリターンができず、また放送時間が定まっているため、いつでもどこでもが特長のe-Learning配信には不利であることも判明した。デジタル放送が、e-learningのポータルとなり、番組からインターネットへ誘導し、そこで本格的なe-learningにつないでいくことが、その相乗効果から最も有効な遠隔教育方法になるだろうとの結論に達した。

  調査においては、制作過程で得られた結論と同様に、「双方向性に優れたインターネットを中心にしてデジタルテレビシステムを活用する遠隔教育システムこそが新しい優れた遠隔教育システムとなるであろう」という将来像が示唆され、今後の教育方法の一方向を示すことができた。

  日本写真映像専門学校、大阪外語専門学校、梅田ビジネス専門学校、コンピュータ日本学院専門学校の学生がA、B2つのチームに分かれ、メーリングリストで連絡を密にとりながら、授業時間外にも多くの時間を割いて、熱心にコンテンツ制作に取り組んだ。その成果は、当初の期待以上のレベルでコンテンツが完成し、各専門学校の学生間のコラボレーションも非常にうまく機能した。本事業におけるプロジェクト型インターンシップは、所期の目的どおり、従来からの企業内インターシップでありがちな補助的雑務処理的なものから、より実践的なインターンシップへの進化としての成果を挙げることができた。



-- 登録:平成21年以前 --