平成15年度専修学校先進的教育研究開発事業

事業名 ITスキル標準に対応した学習評価システムに関する研究開発
学校法人名 中央情報学園
学校名 中央情報専門学校
代表者
理事長 岡本 比呂志
担当者・連絡先
副校長 溝上 太平
事業の概要  平成14年12月に経済産業省が発表した「ITスキル標準」(以下ITSSと称する)は、情報サービスを提供するITプロフェッショナルの11職種に対して、必要とされるスキルの内容とレベルを明確に定義している。当事業は、このITスキル標準に準拠しつつ、業界において高い評価を獲得している情報処理技術者試験などのIT関連資格にも対応した知識レベルとスキルのチェックシステムを構築し、IT系専門学校の学生に対する学習指導と就職活動に役立てることを目標とした。
成果
1.  スキルチェックシステムの構築
 研究対象とするITSS職種はITスペシャリストとし、その上で、スキルチェックシステムの構築を行った。システムは「知識部分」と「達成度指標・スキル熟達度」に分かれる。
 まず、前者の知識レベルチェックシステムとして、コンピュータとネットワーク(インターネット)を用いたテストシステムであるCBT(Computer Based Testing)システムを利用した。システムはNPO法人CBTコンソ-シアムが提供するWEB-CBTを選定した。
 ITスキル標準の未経験レベルからレベル1レベル2までを対象とし、研修ロードマップにあるIT基本1と基本2をもとにカリキュラムを作成した。全体的には問題のレベルを5段階に分け、各ランク別に出題範囲を確定し、300問題を作成しCBTシステムに実装した。その後、実装のテストは、テスト用のサイトで確認し、実証実験を実施した(専門学校3校、3日間で学生68名が参加)。
 次に、後者のITスキルに関する自己申告型のシステムとして、ITSSユーザー協会提供のSSI-ITSSを選定した。達成度指標の検討とスキル熟達度の検討および、これと整合性のある設問項目を作成した。ITスキル標準は実務経験のあるIT技術者を対象としたもので、実務経験要素の比重が高く、実務経験がない学生にむずかしいために、当システムの実証実験は見送った。 
 上記のスキルチェックシステムは、動作仕様等を確認し、学生用と指導教師用の2種類の「利用者マニュアル」を作成した。
2.  各種調査及び啓蒙セミナーの実施
 ITスキル標準適用主体の実態調査として、ITSSユーザ協会のメンバーである企業から任意抽出し、これらの企業に対してヒアリングを行い、ITスキル標準適用の実態についてまとめた。
 IT資格の実態調査として、IT資格について資格試験受験者および資格試験活用企業からのヒアリング調査(Web利用)を行い、その結果をまとめた。
 また、11月19日、東京麹町食糧会館にてITSSに関する啓蒙セミナーを開催した(参加者42名)。
3.  事業の成果
 ITスキル標準を有効に活用し、教育プログラムの一連の開発と教育実践を行い、学生の知識レベルを高め、また学習項目とその到達レベル認定を正確に行うことによって、より効果的で適切な就職指導が可能であることが当事業を通じて確認できた。今回、その一モデルとして「知識レベルスキル評価報告モデル」を作成した。このモデルを参考にして、多くの専門学校でよりよい評価方法が研究開発され、また実際に活用されることを願いたい。



-- 登録:平成21年以前 --