平成15年度専修学校先進的教育研究開発事業

事業名 遠隔教育形態での実習中心型授業の実証実験
学校法人名 学校法人 電子開発学園
学校名 北海道情報専門学校
代表者 理事長 松尾 泰
担当者・連絡先 山本 徹
011-831-5511
事業の概要  専修学校の通信制導入時にその実習科目の運用方法を確立するために、10年以上の開発・運用実績のある衛星教育システム及びeラーニングシステムを用いて実施する授業科目のモデルカリキュラムと教材、動機付け等遠隔学習者のメンタリングシステムの仕組み、学習者管理システムなどを研究開発し、その有効性について実証実験を行った。
成果  二つの異なった遠隔教育形態である同期型の衛星教育システム注釈1と非同期型のeラーニングシステム注釈2で学習効果に関する比較検討を行った。実習中心型の科目として「Java開発環境構築のためのLinux入門」を設定し、そのモデルカリキュラムと教材を整えて実証実験を行い、その結果、教育的効果における両者の差は見られず、実習中心型授業においてもeラーニングシステムによる学習で、十分な学習成果が得られるという計数的なデータを得ることができた。
 また、学習意欲を持続させるためのメンタリングシステムについては、非同期型学習において陥りやすい心理的な挫折状況の詳細なデータも数多く収集できた。対応策の一例として、実習課題を解く際の適切なヒント提示や学習者同士による協調学習システムの導入などが考えられる。今後は、これらの収集データをもとに綿密な検討を加えて授業設計を行うことで、より有効なeラーニングシステムを構築することができると確信した。eラーニングシステムが本校ホームページから体験ができます。

注釈1   衛星教育システム(PINE-NETシステム) 学校法人電子開発学園が1991年(平成3年)に日本で初めて通信衛星を高等専門教育に使用した遠隔教育システムのこと。北海道江別市にある衛星教育センターからIT関連の授業や北海道情報大学(HIU)通信教育部の授業を、全国の教育センターに向けて毎日(土日を除く)放送している。現在、「Super Bird B号機」によって運用されており、ISDN回線と併用しながら双方向機能を実現している。これにより単に授業を配信するだけでなく、受講者が質問したり、講師からの発問に受講生が答えたりすることを可能にしている。またSCS(Space Collaboration System)やBNS(Bridge Network System)といった教育ネットワークシステムにも接続しており、幅広い教育を実現した画期的なシステムである。
注釈2   eラーニングシステム インターネット技術を用いた教育システムのこと。時間や場所の制約なく受講できる利便性、個人のレベルやペースに合わせて学習できる柔軟性、また研修コスト削減につながる経済性を追求して構築される。



-- 登録:平成21年以前 --