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提言編

  提言編は、2つの内容から構成されている。1が総論的提言であり、2が各論的提言である。
  総論は、指導者がV活動ツールを普及する上で、ぜひ心に留めておいていただきたいこと、お願いしたいことを提言としてまとめている。
  各論では、V活動ツールを普及するための技術的な内容をまとめている。

1.総論

V活動ツールについて

1.V活動ツールを知ってもらい、活用してもらおう

  全国的に見ると、このV活動ツールを活用しているボランティア団体や学校は、現在は大変少ない。そのため、V活動ツールの情報をほとんど知らないと推察される。多様なV活動ツール(カード・手帳・パスポート・表彰・地域通貨等)があることを知れば、団体や学校での活用の拡大が期待できる。そこで、多様なV活動ツールの情報を団体や学校に提供し、活用を働きかけることが必要であると考える。

2.V活動ツールは、ネットワークづくりのきっかけとなることを知ってもらおう

  ボランティア団体や活動の場、確認欄等の記載があるV活動ツールは、活用する人たちと地域や社会を結ぶことになり、ネットワークのきっかけを提供することになる。学校では、V活動ツールをボランティア体験学習から自発的な活動に入るための窓口として活用することができる。V活動ツールは、ネットワークのきっかけをつくるものであることを知ってもらうように働きかけることが大切であると考える。

3.V活動ツールは、まちづくりのきっかけとなることを知ってもらおう

  特に、地域通貨は、まちづくりのきっかけとして有効であることが分かった。老若男女を問わず、多世代の人たちに地域通貨への参加を呼びかけることで、子どもの健全育成やお年寄りの生きがいづくり、勤労者層の社会参加などができるようになる。それが、地域に心の交流の輪を広げて、安全や安心を得られるふれあい、支えあいのまちづくりにつながっていく。そこで、多世代が参加できるV活動ツールの普及が望ましいと考える。

4.V活動ツールの活用には、地域の人々に協力してもらおう

  V活動ツールを学校で実施するにあたっては、保護者や地域の人、受け入れ団体等が、活動内容を褒めたり、確認サインをしたりすることで、児童生徒の意欲を喚起し、自己肯定感を持たせることができる。そこで、保護者や地域の人、受け入れ団体等の理解と協力を得ることが必要であると考える。

5.V活動ツールで、地域と学校を結ぼう

  地域には、ボランティア団体や行政が実施するV活動ツールがあり、学校にも、独自のV活動ツールがある。これらを結んで、相互活用できるようにすることで、大人も子どもも活動の場が広がり、新たなネットワークができるだろう。V活動ツール相互の連携を考えることが必要であると考える。また、学校のボランティア体験学習は、一方的な奉仕活動になりがちである。そこで、地域の人と児童生徒、教師がいっしょになって、相互に助け合える共通のV活動ツールをつくることを考えてみることも必要であると考える。

  (事例のコラムの中に、天童市の“ふれあい「こまカード」”がある。これは、地域と学校を結ぶ地域通貨である。このような、V活動ツールのあり方を考えてみてはどうだろうか。)

6.V活動ツールを活用できる場をつくろう

  意欲を持って、地域のボランティア団体に参加するとか、学校でボランティア体験学習やクラブ活動等に参加してV活動ツールを渡されても、すぐに活用する場がなければ、最初の意欲はすぐに弱まってしまう。V活動ツールを渡したら、すぐにV活動ツールを活用できる場の提供が必要であると考える。

7.V活動ツールは、参加者の思いを汲み上げてつくろう

  V活動ツールの体裁やしくみなどの工夫は、これまであまりなされてこなかったのではないだろうか。しかも、活動団体の思いを形にしたものが多く、参加者がどう考えるかという検討が十分とは言えない。これからは、参加者の声を聞き、V活動ツールの形態や内容(独自性・デザイン・記載内容・記録欄・シール・ゲーム性・組み合わせ等)の工夫をしていくことが必要であると考える。

  (V活動ツールは、工夫をすれば安価に作成できる。紙1枚でもできる。地元の商店街や企業、同窓会、PTA等にスポンサーとして協力をお願いするのもよい。自分たちの手で工夫して、使って楽しいV活動ツールをつくれば、主体性が生まれてくるだろう。そのプロセスが何よりも貴重なのである。ぜひ、自分たちのV活動ツールをつくってもらいたい。
  平成11年にある若者が発案した「ヘブンズ・パスポート」という遊びのツールが、一時女子高生を中心に若い女性の間に大流行した。パスポートサイズで、持ち運びが簡単であり、いいことをするたびにシールを台紙に貼り、100個貼れば願い事が叶うというもので、そのシールもジグソーパズルになっており、完成すると1つのきれいな絵になるというものである。「願い事が叶う」という、若い女性の心をつかんで大流行したものだ。その内容の独自性、パスポートそっくりのデザイン、ゲーム性のあるジグソーシール、さらに天国へのパスというテレホンカードサイズのカードを組み合わせるなど、一種の遊び道具とはいえ、V活動ツールを作成する上で十分参考になるだろう。)

8.V活動ツールで、活動を、認めて、褒めよう

  子どもでも、大人でも、認められて褒めてもらうことは嬉しいものである。V活動ツールを活用する場合、活動記録欄が設けられていて、その内容を認めて褒めることは、参加者の意欲を持続させる重要な要素となる。われわれは、誰かが活動内容を認めて褒める機会を日常的につくることが大切であると考える。

  (ある小学校では、多忙な教師の替わりに、地域の大人やNPO団体が定期的にV活動ツールの確認をした。これが子どもたちに人気であった。)

9.V活動ツールで、達成感を持たせよう

  かなり努力しなければ達成できないような「達成基準」は、ボランティア活動を始めたばかりの人たちには、苦痛に感じられるものである。達成基準を設ける場合、大人も子どもも、それぞれが、簡単に到達できて、次の活動への意欲をかき立てられるような「達成基準」にすることが大切であると考える。

ボランティア活動について

10.ボランティア活動は、人と人、人と社会(地域社会)を結ぶものであることを知ってもらおう

  ボランティア活動は、社会のさまざまな局面で、一つの社会的課題の解決に個人的に取り組んだり、共通の社会的課題を解決したいと考える人たちが集まって行動したりする活動である。そのとき、人と人とが活動を通じて同じ価値観や信頼で結ばれたり、今まで知らなかった社会を知ったりして、新たな成長をすることが多いものである。何よりもこのようなボランティア活動の側面を知ってもらうことが大切であると考える。

11.ボランティア活動の情報を提供しよう

  さまざまなボランティア活動の機会や場が用意されていることは、V活動ツールを使って活動に参加する人の満足と継続につながるだろう。そこで、地域のボランティア団体や学校等に合わせて、さまざまなボランティア活動情報を収集し、提供することが必要であると考える。

12.自分ができるボランティア活動から始めてもらおう

  最近よく、「ちょボラ」という言葉が使われている。「ちょボラ」は、近所のゴミ拾いのように誰でも簡単にできるボランティアのことである。ボランティア活動をあまり厳密にとらえずに、「ちょボラ」でも、まず、自分ができるボランティア活動から始めればよいことを認識してもらうことが大切であると考える。

13.ボランティア体験学習を続ける中で、その意義を学んでもらおう

  特に、児童生徒の場合、動機の如何にかかわらず、まずボランティア体験学習に参加してもらい、活動を続けてもらう中で、ボランティア活動に興味・関心を持ち、理解を深めてもらうことが、大切であると考える。そのため、教師はもちろん、地域の大人も、ボランティア体験学習に児童生徒を積極的に参加させ、活動を続ける中でその意義を学んでもらうようサポートすることが大切であると考える。

  (都内のある区では、地域にある河川のクリーン作戦に子どもたちにも参加してもらい(大人の半数近く)、後片づけのときに、ゴミの分別と同時に、環境の変化と生態系についての勉強を行っている。)

14.地域に今ある活動を、広げよう

  今、地域には子どもから高齢者まで、さまざまな人が集う場ができてきている。その中で、必要なニーズが生まれ、みんなが参加するボランティア活動が展開されている。そこで、指導者は、このような地域の既存の活動を認めて、紹介し、サポートすることも必要であると考える。

2.各論 ― V活動ツールの具体的な取り組み方について

  ここでは、V活動ツールのうち、その性格が似通ったボランティアカード・手帳・パスポート・表彰と地域通貨を分けて、その取り組み方について紹介する。

(1)ボランティアカード・手帳・パスポート・表彰の取り組み方について

1)V活動ツールを使って活動するためには

1.地域の中で、交流を図ろう

  V活動ツールを活用している団体や学校同士が、お互いに情報交換をし合うことは、自分たちのV活動ツールの見直しとさらなる工夫への意欲につながり、お互いのV活動ツールの発展、活動の場の拡大にもつながるだろう。そこで、地域の団体同士や学校との交流を働きかけてみることが必要であると考える。

2.年齢層に応じたV活動ツールを提供しよう

  子どもから大人まで、年齢層によって、興味関心は違ってくる。そこで、V活動ツールは、利用者の年齢層によって、掲載する内容やインセンティブに工夫をした方がよいだろう。その工夫をするためには、V活動ツールを使うことになる多くの対象者の意見を聞くことが大切であると考える。

3.多様なインセンティブを考えよう

  V活動ツールは、様々なインセンティブ(ボランティア活動を活性化するための誘因:表彰・寄付・証明・割引・寄付・優先等)をつけているものが多い。V活動ツールは、インセンティブそのものを目的としているわけではないが、活用する人を励ます効果を持っている。V活動ツールの活用にいきづまっている団体や学校に、インセンティブやその組み合わせの工夫等を提案してみることが必要であると考える。

  (事例編から一部紹介する。かわぐち環境通貨プロジェクト発行の環境通貨「キューポラ」は、環境保全活動に参加すると「キューポラ」がもらえ、市内で開催される各種イベント等でのサービス・割引・記念品等に使うか、「キューポラ」を寄附すると協賛団体の支援でラオスの子どもたちのための支援金になるというどちらかを選択することができる。また、千葉市の源小学校の「ふれあいボランティアパスポート」は、10回の活動記録欄にシールを貼り、最後に活動の感想を書くと、企業の協力で全国的な環境団体2団体と、学校が寄附したいところ1団体の計3団体の中から児童が選んで、寄附をすることができる。更に、学期末に「ボランティア賞」を設けて励ましている。)

2)学校で取り組む場合

1.学校の方針の1つに位置づけてもらおう

  人間教育として豊かな人間性を養うボランティア体験学習を学校の教育方針に位置づけてもらうことは、全校的に活動に取り組むことにつながる。そこで、教育方針の1つに位置づけてもらうように働きかけることが必要であると考える。

2.継続的な運営のための組織づくりを働きかけよう

  V活動ツールを活用しようと考える学校には、ボランティア活動担当を校務分掌に位置づけるとか、ボランティア委員会を設けるなどの、継続的な運営が可能な体制づくりを働きかけてもらいたい。また、児童生徒の側にも、主体的にボランティア体験学習に参加してもらうために、児童会や生徒会の中にボランティア委員会を設けたり、ボランティアクラブやボランティア部などの設置を促すことも有効であると考える。

3.教師の理解と納得を得るように努めよう

  学校で、配付しただけで、活用状況の確認等を行っていないV活動ツールは、V活動ツールの実施継続に失敗しているケースが多い。逆に、教師が理解し、納得した上で活用すると、児童生徒は活発に活用し、ボランティア体験学習に取り組むようである。V活動ツールの活用は、現場の教師に理解、納得してもらうことが成功の鍵であると考える。

4.教師のボランティア活動への参加を勧めよう

  ボランティア体験学習に取り組んでいない学校では、ボランティア活動を体験したことのない教師が多いようである。そこで、まず教師にその魅力を肌で感じてもらうことが大切であると考える。教師にボランティア活動への参加を勧めるとともに、体験の場を提供するなど積極的な働きかけが必要であると考える。

5.教師にもV活動ツールを使ってもらおう

  教師が、児童生徒といっしょにV活動ツールを使うことは、共有化による教師との一体感を生み、児童生徒の意欲を喚起することにつながるだろう。教師が、監督者ではなく、同じ活動をする仲間として、V活動ツールを使って活動に参加することが大切であると考える。

6.児童生徒への説明と継続的サポートをしよう

  児童生徒がV活動ツール活用に興味や意欲が湧くように、分かりやすくその趣旨を説明するとともに、声かけや活動状況等の確認により、励ましながら継続的なサポートをすることが望まれる。児童生徒がV活動ツールの趣旨を理解し、納得することが、V活動ツールの活性化につながるものと考える。

7.大学生や高校生に、小中学生の指導者になってもらおう

  小学生や中学生にとって、日頃接する機会の少ない大学生や高校生といっしょにボランティア活動をすることは、親近感を生み、活動が活発になったり、活動の幅が広がったりするとともに、人間としての成長を助長することにもつながる。また、大学生や高校生にとっても同様のことが言えるだろう。積極的に、異年齢の交流を勧めることが大切であると考える。

(2)地域通貨の取り組み方について

  地域通貨は、他のV活動ツールと性格の異なるため、ここに別途取り組み方を紹介する。

1)第一ステップ(はじめの一歩のために)

1.理念や目的を明確にしよう

  地域通貨は、自分たちにとってよりよい地域や社会を実現するための1つの方法である。発行すること自体が目的ではない。今、誰のため、何のために、何が必要とされ、自分たちは何をしたいのか。参加者で理念や目的を確認してから、スタートすべきであると考える。

2.分かりやすいシステムを考えよう

  地域通貨を活用する団体は、地域通貨を楽しいものにして、お互いに楽しもうと考えているようである。また、老若男女を問わず、希望すればすぐに参加でき、システムが難しくない団体が多いようでもある。誰にでも簡単で楽しいシステムをつくることが必要だろう。そのためには、システムの変更も柔軟に考えてみることが必要であると考える。

3.自分たちに合った方式を考えよう

  地域通貨の各方式については(p・参照)に紹介しているが、子どもからお年寄りまで誰もが分かりやすいものを使うとか、コンピュータの得意な現役の勤労者が多い団体では、ITを使うとか、構成メンバーと使いやすさ等を考えて、無理のない方式を考えることが大切であると考える。

4.好きなことや得意なことを役割にしよう

  団体内の役割には、リーダーや企画、広報、コーディネート等がある。役割は、地域通貨の計画段階での会議や話し合いの場で自然と決まり、自分の好きなことや得意なことを役割にする団体が多いようである。役割は、その人の希望に沿って役割を決めるのがよいと考える。

5.少人数で核をつくって、口コミで広げよう

  はじめから大人数でスタートしてもかまわないが、まずは、理念や目的に賛同する5~6人の中核メンバーでやってみてはどうだろうか。友人・知人、町内会や自治会、商店街の人等、気心の知れた仲間で行うことで、共通の意識を持って、身近な顔の見える範囲で、活動ができる。その楽しさを確認し合い、自信を持ってから、口コミで広げて、段階的に拡大していくのがよいのではないかと考える。

6.まず使ってみて、改善を考えよう

  地域通貨を計画する団体は、実施にあまり慎重にならずに、まず地域通貨を使ってみることが大切だろう。使って初めて見えてくる課題もある。そこで、根気強く活用して、問題の解決や課題などを楽しみながら、改善していくことが大切であると考える。

2)第二ステップ(仲間を広げるために)

1.ツールとインセンティブを工夫しよう

  地域通貨には、割引やチケットの優先購入、ボランティア団体等への寄附、携帯電話・インターネットを使ったポイント管理システム等の参加者にとって嬉しいインセンティブや機能をつけているものがある。それらの付加や工夫・変更は、参加者や支援団体、企業等の十分な理解と協力を得て、みんなが使いたくなる地域通貨となるよう工夫することが大切であると考える。

2.コミュニケーションの場をつくろう

  地域通貨は、日頃は個人的な助け合い活動であるが、みんなが顔を合わせて、交流し合う場があれば、信頼関係を増すとともに、自分たちの地域通貨の情報交換の場にもなり、流通を促進することにつながるだろう。このような、参加者同士がコミュニケーションを持てる交流の場を持つことが必要であると考える。

3.コーディネーターの設置は、団体で考えよう

  コーディネーターは、参加者のプライバシーの守秘義務を守りながら、できることを探してあげたり、参加者の能力を十分に活かすようにマッチングを行い、地域通貨が活発に流通するように働きかけたりする役割だが、コーディネーターを置かず自主運営にまかせている団体も多い。自分たちで設置の必要性を検討し、決定することが大切であると考える。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

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