ボランティアパスポート等ボランティア活動を奨励・支援するツールの活用方策について

はじめに

  青少年が豊かな人間性や社会性を培っていくためには、その成長段階等に応じて様々な奉仕活動・体験活動を行うことが極めて有意義であります。とりわけ、ボランティア活動など社会奉仕体験活動を行うことは、社会に役立つ活動に主体的に取り組む人間に成長していく基盤にもなると期待されています。また、大人にとっても、このような活動に取り組むことは、個人が社会の一員であることを自覚し互いに支え合う、よりよく生き、よりよい社会を創る上で大きな力となるものであります。
このような認識の下、文部科学省では、平成13年の社会教育法及び学校教育法の改正や中央教育審議会答申「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」(平成14年7月)等を踏まえ、国・地方公共団体に「体験活動ボランティア活動支援センター」等の整備・充実を図るほか、全国フォーラムの開催など、関連施策の推進に努めているところです。

  個人が日常的にボランティア活動に取り組むことができるようになるためには、個人の能力や経験、興味や関心に応じて身近に参加できる多彩なプログラム等が用意されるとともに、生涯にわたってボランティア活動を行うことが社会的に奨励され、こうした活動が持続的に行われる仕組みが整備される必要があります。前述の中教審答申では、このような奨励・支援策の一つとして、ボランティア活動等の実績等を記録・証明できる「ボランティアパスポート(仮称)」の取組が提起されています。

  本調査研究では、この「ボランティアパスポート(仮称)」のように活動の実績等を記録・証明できるもの(カード、手帳、パスポート、地域通貨、表彰等)を「ボランティア活動活性化ツール」と位置づけ、その実態を明らかにするとともに、導入・活用のあり方について検討し、提言として取りまとめました。
  本調査研究の結果からは、「ボランティア活動活性化ツール」の活用により、参加者数が増加したり参加者の意欲が高まるだけでなく、参加者同士のコミュニケーションの活性化や、地域や教職員の理解・協力が得られるなどの成果があることも明らかになっています。
体験活動ボランティア活動支援センターコーディネーターや、各学校のボランティア担当者、ボランティア団体の方々におかれては、ボランティア活動の活性化に向けた取組を企画・実施する際にはぜひ本書を参考としていただき、「ボランティア活動活性化ツール」を活用した創意工夫ある取組が展開され、活動の充実が図られることを期待しています。

  最後になりましたが、この調査研究の実施に当たり御協力いただいた方々に、心から感謝申し上げます。

文部科学省生涯学習政策局社会教育課

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