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4‐2 「21世紀における国民健康づくり運動」におけるヘルスプロモーション(財団法人健康・体力づくり事業財団)

4‐2‐1 活動の背景、目的、概要等

  1986年にWHOの提案した「ヘルスプロモーション」という概念について、健康日本21(財団法人健康・体力づくり事業財団)では、以下のように紹介されている。

図表 4_5 ヘルスプロモーションとは

  ヘルスプロモーションは、1986年、WHO がカナダのオタワで開催した第1回ヘルスプロモーション会議の中で示された新しい考え方です。これに関する宣言文がまとめられたオタワ憲章の中で、ヘルスプロモーションとは「人々が自らの健康をコントロールし、改善できるようにするプロセスである」と定義されています。続いて宣言文の中では、健康は生きる目的ではなくて毎日の生活のための資源であること、単なる肉体的な能力以上の積極的な概念であることが述べられてます。
  この活動を展開していくうえでは、人々の主体性が発揮されるよう各個人の能力をつけていくこと、政治や経済、文化、環境等も含めた広い範囲で健康のための条件を整えていくよう唱導していくこと、保健分野を越えた社会の広い分野の活動や関心を調整していくことが必要であるとされています。 また、これらのことが平和、住居、教育、社会的正義等を基盤にしていることは言うまでもありません。
ヘルスプロモーションは、「健康的な公共政策づくり」「健康を支援する環境づくり」「地域活動の強化」「個人技術の強化」「ヘルスサービスの方向転換」を柱としています。
  ヘルスプロモーション活動の大きな特徴は、住民や当事者の主体性を重視していること、各個人がよりよい健康のための行動をとることができるような政策等も含めた環境を整えることに重点がおかれています。地方計画策定にあたっては、トップダウン型のアプローチや個人の責任だけを強調する計画にならないように留意しましょう。すべての政策にヘルスプロモーションの視点が必要であり、すべての政策をヘルスプロモーションの視点から見直すことが望ましいのです。

  出所: 健康日本21ホームページ「地域における 健康日本21実践の手引き」(※3)より
  (下線部は三井情報開発編集)

  ※3 http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/intro/index_menu1.html

  ヘルスプロモーションを推進するには、人的資源だけではなく、図表 4_6のように、健康づくりを支える社会・労働環境の整備や、自然環境の保全や生活環境の整備を社会全体で推進することが重要となる。

図表 4_6 ヘルスプロモーションの概念図

図表 4_6 ヘルスプロモーションの概念図
  出所:健康日本21ホームページ「地域における 健康日本21実践の手引き」(※4)より
  (下線部は三井情報開発編集)

  ※4 http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/jissen/index.html

4‐2‐2 プロモーション活動の内容

  前述の背景を踏まえ、財団法人健康・体力づくり事業財団では様々な活動を行っているが、その中から新しい社会的プロモーションとなるものについて、概要をまとめた。

(1)新しい健康観の普及(全国老人クラブ連合会)

  全国老人クラブ連合会では、平成14年から5年計画で、第6次「健康をすすめる運動」をスタートした。この運動の中で、「高齢者の世紀」にふさわしい健康観を普及することを提案している。

  (参考)社団法人日本WHOのホームページでは、健康観に関する新しい視点として、以下の7つを取り上げている。

図表 4_7 WHOの提案する健康観に関する新しい視点(※5)

  • (1)病気の変容‐感染症(急性期)→生活習慣病(慢性期)
  • (2)健康の関心‐健康診断→健康(自己)管理→健康(増進)投資
  • (3)健康と寿命‐平均寿命→健康寿命<地域格差>
  • (4)健康と情報‐カルテ開示→ヘルス(ケア)・インフォマティクス
  • (5)健康と生活‐ライフ・コントロール→ヘルスケア・コミュニティ
  • (6)健康と安全‐セィフティ・ネット→サポート・システム<保障制度>
  • (7)健康と教育‐市民啓発→地域(生涯)学習

(2)「ヘルスサポーター21」事業の実施(日本食生活協会)

  「ヘルスサポーター21」事業(※6)は、健康日本21の趣旨をふまえ、中学生から高齢者までのすべての住民が、自分の健康指標に基づいて自己実現を目指すマンパワーの活動である。この活動の目標は、ヘルスサポーターと呼ばれる健康づくりの仲間を育て、全国で3年間に100万人の仲間づくりをすすめることにある。なお、ヘルスサポーターとは、都道府県と市町村の食生活改善推進員協議会が開催する講習会を修了した人のことを指す。
  講習会では、運動・休養・食事・アルコール・たばこなど健康に関わる分野に関心のある人たちを、市町村の広報誌などで希望者を募集し、5~10時間の講習を行っている(講習内容は図表 4_8参照)。
  講習会を修了し、ヘルスサポーターとなることにより、「ヘルスサポーター21登録証」が授与され、健康に関連する情報を掲載した同協会発行の機関誌「ヘルスサポーターだより」が配信されるようになる。また、「ヘルスサポーターの会」と呼ばれる地域のヘルスサポーターとの交流会で運動会等の活動に参加することにより、仲間と一緒に健康づくりを行うことができる。(※7)

図表 4_8 ヘルスサポーター21のプログラム例(一般成人用の1日コース)(※8)

プログラム内容 時間
1:ヘルスサポーターとは?(趣旨説明、オリエンテーション等) 1
2:『健康日本21』って何?(健康・体力づくり財団パンフレット使用)
3:実行しましょう!(BMI、体脂肪のチェック) 1
4:肥満の原因が見つかったらその対策を
5:食塩は意識して薄味に(1日10gをめざした食生活) 2
6:調理実習 -おいしく楽しい食卓を-
7:まとめ「私の改善点と目標」 1
8:閉講式/登録証の授与

  ※5 http://www.japan-who.or.jp/pdf/on_who_and_health.pdfより引用
  ※6 http://www.shokuseikatsu.or.jp/hsp_01.htmlより引用
  ※7 平成15年1月現在、全国で51の「ヘルスサポーターの会」が設立されている(設立予定を含む)
  ※8 http://www.shokuseikatsu.or.jp/hsp_02.htmlより引用

(3)全国各地を移動しながらのウォーキングイベントの開催(日本ウォーキング協会)

  日本ウォーキング協会(※9)が力を入れている「寅さんウォーク」は、人気シリーズ『男はつらいよ』で足の向くまま気の向くまま、日本中をひょうひょうと旅した寅さんのように自由に楽しく歩こうというユニークなイベントである。(※10)このイベントは、全国各地で1日ないしは2日かけて数十キロをウォーキングするものである。2001年8月にはじめて実施された長野県小諸市を皮切りに、東京都葛飾区、大阪府和泉市、群馬県高崎市等で実施されている。
  日本ウォーキング協会の以前の活動は、単発のウォーキングイベントを開催していたが、健康日本21の開始後、地域住民へのアピールと個人の活動を兼ね合わせたプロモーションを実施するようになった。また、同協会では10万人のウォーキング指導員を育成することを目指している。

  ※9 2000年までの「歩け歩け協会」を名称変更
  ※10 健康日本21HPでは、下記URLで紹介している。
  http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/katsudo/jirei/dantai/k1528.html

4‐2‐3 「21世紀における国民健康づくり運動」における社会的プロモーション手法の整理

  図表 4_9(PDF:301KB)は「21世紀における国民健康づくり運動」における社会的プロモーション手法をAIDMAと併せて整理したものである。
  これを見ると、より多くの人が身近に感じる活動などが多いこと、興味・関心・要求の喚起(知識の普及・学びの場の提供)や日常に参加要求の強化(直接的巻き込み)に関する事例が多いことが分かる。

お問合せ先

生涯学習政策局社会教育課

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