複合化公立学校施設PFI事業のための手引書 第3章 複合化公立学校施設PFI事業の進め方1(4)4)


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4) 特定事業の選定・公表

1 特定事業の選定
 特定事業の選定とは、実施方針を定めた事業についてPFI事業として実施することを決定することで、PFI事業として行うことにより、効率的・効果的にサービスの提供が可能かどうかを確認します。
 選定の基準は、1「公共サービスが同一の水準である場合において、事業期間を通じた財政負担が軽減できること」、又は2「財政負担が同一の水準である場合には、公共サービス水準の向上が期待できること」となります。
 具体的には、PFI導入可能性調査で実施したVFM評価をもとに、実施方針の公表や民間事業者からの質問に対する回答、意見の受付等を通じて事業の前提条件を精査し、再度VFMを評価します。特定事業の選定においては、公共と民間事業者のリスク分担の明確化を踏まえたリスクの定量化(貨幣換算)や定量化が困難な事項(サービス水準の向上など)についての定性的評価も加味して、総合的なVFM評価を行います。

2 特定事業の選定の公表
 特定事業の選定を行ったときは、その判断の結果を評価の内容とあわせて、民間事業者の選定、その他公共施設等の整備等への影響に配慮しつつ、速やかに公表することとされています8。この場合、公共負担額の見込み額は原則として公表することとされていますが、その後の入札等において正当な競争が阻害されるおそれがある場合等においては、公共負担額の縮減額又は割合の見込みのみを示すことも差し支えないとされています9

3 債務負担行為の設定
 PFI事業として締結される契約は、複数年度にわたる契約となるため、公共において債務負担行為の設定が必要であり、議会の議決を得なければなりません。債務負担行為は総合評価一般競争入札方式の場合は、原則として入札公告前に設定します。また、公募型プロポーザル方式の場合にもこれに準ずることが望ましいと考えられます。
 債務負担行為の設定における限度額は、特定事業選定の際のVFM評価で算出されたPFI事業費の総額が基礎となります。なお、この場合、現在価値に割り引きした額ではなく、実際の支払予定額となります。
限度設定に当たっては、物価や金利など将来変動する要素を加味する必要があります。

8   PFI法第8条、民間資金等の活用による公共施設等の整備等に関する事業の実施に関する基本方針一-3-(4)
9   プロセスに関するガイドライン3-2-(1)

複合化公立学校施設PFI事業の留意事項
併設施設に係る補助制度等の確認
 公立学校施設の建築に要する経費については、PFIを導入する場合であっても従来型手法と同様に国庫補助の対象とされていますが(参照ページはこちら)、併設施設に係る補助金の取り扱いについて関係行政機関に確認をする必要があります。

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-- 登録:平成21年以前 --