6. 学齢児童生徒が国外に転出した場合における学齢簿や学籍の取扱いについて

Q 学齢児童生徒が国外に転出した場合における学齢簿や学籍の取扱いについてどのようなことに留意すればよいでしょうか。

A
   学齢児童生徒が国外転出する場合、基本的には、
1.あらかじめ1年以上転出することが分かっているときには、市町村に住民基本台帳法に基づく転出届を提出することにより住民票が消除され、それに伴い学齢簿も消除されることとなります。その際、学校からは除籍されることとなります。
 
2.国外転出期間があらかじめ1年未満であることが分かっているときには、国内に住所を有するものとして処理されることとなるので、学齢簿上においても引き続き当該児童生徒の在学関係を変更する必要はありません。この場合、学齢児童生徒は指導要録上(長期)欠席の取扱いとすることが適当です。
 
   ここで、学齢児童生徒が住民基本台帳法に基づく転出届を出さずに、国外に転出した場合についてですが、その場合には住民票が残るため、それに伴い学齢簿も残ることとなります。
このため、可能な限り予め学齢児童生徒の保護者に国外転出の期間が1年以上であるか否かを確認し、1年以上の場合には子の転出届を出してもらうよう、促すことが適当です。転出届が提出されると、住民基本台帳上の記録は消除され、それに伴い学齢簿も消除されることとなります。学校からは除籍されることとなります。

  一方、保護者に国外転出の期間について確認ができない場合、転出してから1年までは欠席として、1年を超えた場合には、居所が1年以上不明であるときと同様、在学しないものと同様に取り扱い、学齢簿には、居所が不明である旨、異動事項欄に記入し、就学義務の猶予又は免除のあった者と同様に別に簿冊を編製する(簿冊に相当するもの(電子ファイル・データベース等であって1年以上居所不明者が抽出・検索できる仕組みになっているもの)を含む。)こととし、指導要録は別に整理して保存することとなります。

  また、国外への転出期間と国内における中学校の卒業時期が重なったり、日本の高等学校に進学するために海外から帰国したりする場合は、保護者や受験生は下記のどの資格をもとに受験・進学するか検討しておくことが望まれます。

 

~トピック~ 高校入学資格
高等学校入学資格は、以下のいずれかに該当する場合に認められます。

1.中学校、特別支援学校の中学部、義務教育学校を卒業した者、又は中等教育学校の前期課程を修了した者(学校教育法第57条)
2.外国において、学校教育における9年の課程を修了した者(学校教育法施行規則第95条第1項)
3.在外教育施設(中学校と同等であると指定された課程)を修了した者(学校教育法施行規則第95条第2項)
4.文部科学大臣の指定した者 (学校教育法施行規則第95条第3項)
→昭和23年文部省告示第58号(学校教育法施行規則第63条に規定する高等学校入学に関して中学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められる者)
5.就学義務猶予免除者等の中学校卒業程度認定規則(昭和41年文部省令第36号)により、中学校を卒業した者と同等以上の学力があると認定された者 (学校教育法施行規則第95条第4項)
6.その他高等学校において、中学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者(学校教育法施行規則第95条第5項)

高等学校入学資格 Q&A(リンク)
高等学校への編入学について(リンク)

 

Q  親が一時的な出張のため転出届を提出せずに住民票を消除することなく国外転出し、子(学齢児童生徒)もそれに伴い転出しましたが、そのまま長期にわたり帰国しなかった場合、どのように考えればよいでしょうか。

A
   一時的な海外滞在の場合は、原則として学齢児童生徒の在学関係は変更せず、学齢児童生徒は、指導要録上、海外渡航のため欠席の取扱いとすることが適当です。しかしこの場合のように、学齢児童生徒が一時的に海外渡航するとしたまま日本に戻らず、連絡がとれなくなり、居所不明になる場合があります。その際には、前の問いの回答(上記)で述べた、転出届を出さないまま国外に転出してしまい、保護者に転出の期間について確認できない場合と同様に、転出してから1年までは欠席として、1年を超えた場合には、居所が1年以上居所不明になっている学齢児童生徒と同様に取り扱うのが適当です。

 具体的には、学齢簿を編製された学齢児童生徒の居所が1年以上不明であるときは、住民基本台帳上の記録がなくなるまでの間、1年以上不明である旨を異動事項欄に記入し、学齢簿の編製上は、就学義務の猶予又は免除のあった者と同様に別に簿冊(簿冊に相当するもの(電子ファイル・データベース等であって1年以上居所不明者が抽出・検索できる仕組みになっているもの)を含む。)を編製することになります。

〔参考通知〕
学齢簿および指導要録の取扱について(通達)(昭和32年2月)(※国立国会図書館ホームページへリンク) 別ウィンドウで開きます

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初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)