2 実践編 4 保護者や地域との連携

家庭、保護者へのアプローチ

 家庭での親子関係の中ではぐくまれる家庭教育はすべての教育の出発点であり、基本的倫理観や社会的なマナー、自制心や自立心などを育成する上で重要な役割を果たす。できるだけ多くの非行防止教室等及び関連する学校内外の取組において、保護者が広く参加できるよう配慮することが求められる。非行防止教室等を開催する学校等は、積極的に子どもの保護者などの家庭に非行防止教室等の成果や課題を周知するとともに、各家庭に「自分の子どもの問題、自分自身の問題」と受け止めてもらい、適切な指導の在り方について共に考えてもらうよう呼びかけることが重要である。
 なお、授業参観や学校開放時、地域で実施している啓発運動等と連携した非行防止教室等を開催することも効果的である。

家庭や地域の取組との積極的な連携

 非行防止教室等の開催にあわせて、関係機関や地域住民、教員と保護者が、地域懇談会や保護者会等を通じて、情報交換や意見交換を行う場や機会を設定することも重要である。学校と保護者等との情報交換、意見交換の場において提起された、地域の犯罪・非行に対する実情や問題意識を適切に把握し、今後の非行防止教室等の取組内容にフィードバックすることが望ましい。また、こうした場を活用して、学校等が自らの取組を保護者や地域社会に積極的に周知し、また、保護者や地域社会からも意見や要望を聞くなど、地域との連携を一層深める観点から取組を進めていくことが重要である。

非行防止教室等の開催に関する積極的な情報提供

 各学校において非行防止教室等の場や機会の充実を図ることは、特色ある教育活動の推進や地域に開かれた学校づくりの大きな契機や柱となり、学校の教育目標や運営の方針、教職員等の組織、保護者や地域との関係など学校改善に広くかかわるものである。非行防止教室等の成果や取組状況に関する評価を、このような学校運営の観点からの学校の自己点検・評価の中に位置付けることも大切である。
 特に、非行防止教室等に参画した関係機関等の外部講師に対しては、指導による成果や課題をフィードバックしていくことが、講師の指導力の向上や、学校と関係機関等の一層の共通理解を図るためにも重要である。こうした情報交換を通じて、非行防止教室等の取組が継続・発展していく機運が醸成されることが期待される。

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初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成21年以前 --