非行防止教室等プログラム事例集

表紙写真

平成17年1月
文部科学省・警察庁

まえがき

 昨今、重大な少年犯罪の発生や少年非行の凶悪化・粗暴化の傾向が見られるなど、少年による犯罪は、依然として深刻な状況が続いております。また、少年が加害者となるだけでなく、犯罪被害者となるような事件も多数発生しているなど、少年を取り巻く犯罪の状況は憂慮すべき状況にあり、このことに対しては社会全体として取組みを進めることが急務となっています。
 こうした状況を踏まえ、政府では「青少年育成施策大綱」や「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」等において、非行防止教室の取組みの推進を唱えてきたところです。
 今回、文部科学省では、子ども達に社会のルールや自分の行動に責任を持つこと等の規範意識の醸成を図るとともに、犯罪に巻き込まれないようなスキル等を育成するため、警察庁や関係機関と連携しながら「非行防止教室等プログラム事例集」を作成し、これにより、学校内外において非行防止の推進に努めるとともに、少年の犯罪被害の実情に鑑み、犯罪被害防止についてもあわせて取り上げることとしました。本事例集は、これら非行防止教室等に関わる先進的な取組事例を収集し、紹介するとともに、その実施の際の計画・指導上のポイント等をまとめたものです。
 各教育委員会や学校においては、関係機関と連携しつつ、各学校内外で様々な非行防止教室等が開催されるよう、本事例集を効果的に活用して下さい。

平成17年1月
文部科学省初等中等教育局児童生徒課長 坪田 眞明

 昨今の少年非行情勢を見ると、少年が刑法犯の検挙人員の3~4割、街頭犯罪では6~7割を占めるほか、小学生による同級生殺害事件など衝撃的な事件も発生しています。他方、少年が被害者となる児童虐待事件や児童買春事件が増加しており、少年問題は、少年の非行、被害の両面において、厳しい情勢にあります。
 この背景には、家庭の養育機能の低下、地域社会の少年育成機能の低下、「大人」社会における規範意識の低下など、様々な要因が複雑に絡み合っていると考えられます。
 そこで、社会全体での総合的な取組みが必要との認識の下、学校・警察が連携して各種の取組みを進めているところですが、とりわけ、非行防止教室は、少年の規範意識の向上を図り、非行防止に資する観点やソーシャルスキルを身に付ける観点等からも、その重要度を増しているところです。
 今般、文部科学省と共同で作成したこのプログラム事例集が、非行防止教室の円滑かつ効果的な開催や感銘力溢れる学習推進の一助となり、学校と警察、さらには保護者を含む地域社会の少年非行の防止に向けた連携が一層深まることを切望いたします。

平成17年1月
警察庁生活安全局少年課長 大木 高仁

目次

1.総論編

1.総論編  (PDF:63KB) PDF
1 非行防止教室等の必要性
2 非行防止教室等の現状等

2.実践編

2.実践編  (PDF:211KB) PDF
1 学校
(1)実施計画上のポイント
 A 非行防止教室等のねらいの明確化
 B 警察等関係機関との連携
 C 教育課程への位置づけ
 D 学校内における指導体制
(2)指導上のポイント
 A 児童生徒への対し方に関する基本的な方針及び個々の事例の取扱い
 B 非行行為への誘惑や勧誘を「断る勇気」の育成
 C 非行防止教室等における指導形態の創意工夫
 D 道徳教育等との関連や法令等に関する指導
 E 非行防止教室等を通じた児童生徒の生活習慣の改善
(3)非行防止教室等の評価
2 教育委員会
3 警察関係
(1)実施計画上のポイント
(2)指導上のポイント
(3)各テーマに応じた指導内容の例
4 保護者や地域との連携

3.事例編

4.参考資料

4.参考資料  (PDF:79KB) PDF
(1)非行防止教室等に関する提言
 ・青少年育成施策大綱(平成15年12月):青少年育成推進本部
 ・犯罪に強い社会の実現のための行動計画(平成15年12月):犯罪対策閣僚会議
 ・薬物乱用防止新五か年戦略(平成15年7月):薬物乱用対策推進本部
 ・「児童生徒の問題行動対策重点プログラム(最終まとめ)」(平成16年10月):文部科学省
(2)学校が日頃から連携を行うことが望ましい主な関係機関
(3)少年事件の手続きの流れ

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

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