事務連絡
令和6年12月25日
各都道府県教育委員会指導事務主管課
各指定都市教育委員会指導事務主管課
各都道府県私立学校主管課
附属学校を置く各国立大学法人担当課
附属学校を置く各公立大学法人担当課 御中
小中高等学校を設置する学校設置会社を
所轄する構造改革特別区域法第12条
第1項の認定を受けた各地方公共団体の担当課
文部科学省初等中等教育局児童生徒課
いじめ防止対策の更なる強化等について
平素より、文部科学行政に対する御理解・御協力を賜り、誠にありがとうございます。
「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果及びこれを踏まえた対応の充実について(通知)」(令和6年10月31日付け6初児生第12号文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知)においても周知させていただいたとおり、今回の調査において、国立、公立、私立の小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数が約73万3千件、重大事態の発生件数が1,306件とそれぞれ過去最多となる等の結果が明らかになりました。
これらを踏まえ、下記の事項について周知します。
都道府県・指定都市教育委員会にあっては所管の学校及び域内の市区町村教育委員会等に対して、都道府県にあっては所轄の学校法人及び私立学校に対して、附属学校を置く国立大学法人及び附属学校を置く公立大学法人にあっては附属学校に対して、構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体にあっては認可した学校に対して、周知を図るよう、特段の御配慮をお願いします。
今後とも、児童生徒のいじめの防止・不登校児童生徒への支援等に関する取組について御尽力いただきますよう、よろしくお願いします。
記
1.いじめ対策の更なる強化について
令和6年11月8日に、いじめ防止対策に関する関係省庁連絡会議が開催され、「いじめ防止対策の更なる強化について」が決定された。
本方針は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「法」という。)、いじめの防止等のための基本的な方針(平成25年10月11日文部科学大臣決定。以下「基本方針」という。)等に基づく国の取組のうち、当面、特に重点を置いて検討・実施していく事項を整理しているものである。(別添資料1)
地方公共団体・学校の実施する取組の具体的内容は、以下の通りである。
〇「いじめ防止対策の更なる強化について」(抄)
(地方公共団体・学校の実施する取組の充実)
⑦学校・教育委員会等の重大事態対応に関する平時からの備えの徹底
・学校いじめ対策組織を中心とした対応や関係部局・職能団体等との連携体制 構築のため、国で作成したチェックシートを用いた点検を実施。
⑧重大事態対応等に関する教育委員会
・首長部局等への助言 ・改訂「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」を周知徹底するため、 研修会等を実施。
・重大事態調査に関する地方公共団体等への助言を行ういじめ調査アドバイザ ーの積極的活用促進。
・国のサポートチーム派遣による教育委員会・首長部局担当者等への取組改善 に関する助言や、教育委員会・首長部局等からの求めに応じて重大事態対応 に係る相談を実施。
(1)「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」(平成29年3月文部科学省作成、令和6年8月改訂)チェックリストを用いた、平時からの備えの実施状況の点検について
「いじめの重大事態調査のガイドラインの改訂について(通知)」(令和6年8月30日付け6文科初第1137号文部科学省初等中等教育局長、総合教育政策局長、高等教育局長通知)において、各学校等に対して、国が示したチェックリストを活用し、重大事態ガイドラインの改訂内容を踏まえた平時からの備え及び重大事態の調査の実施を依頼している。
学校及びその設置者におかれては、今回の「いじめ防止対策の更なる強化について」の内容を踏まえ、改めて、チェックリストを活用し、学校いじめ対策組織の組織体制整備等の平時からの備えについて、適切に実施できているか等の点検の実施を進めること。
なお、本点検の実施状況について、来年度、調査を実施する予定であるため、教育委員会におかれては、所管の学校の取組状況について把握すること。
(参考)
「いじめの重大事態の調査に関するガイドラインの改訂について(通知)」(令和6年8月30日付け6文科初第1137号文部科学省初等中等教育局長、総合教育政策局長、高等教育局長通知)
(2)いじめ防止及び不登校対策に係る関係機関(地域、学校、教育委員会等)との連携について
「いじめ防止対策の更なる強化及び地域における不登校のこどもへの切れ目のない支援等について」(令和6年12月25日付けこども家庭庁支援局総務課事務連絡)において、「3.いじめ防止等に係る地域と学校及び教育委員会との連携について」を周知している。
子供達を巡る環境が変化する中で、いじめ防止や不登校対策について、教育委員会等が福祉部局等と連携することは重要であることから、積極的にこども政策担当部局や福祉部局等と連携することが必要である。
また、いじめ問題対策連絡協議会の活用、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)や地域学校協働活動の一体的な取組の推進等により、学校や地域が抱える課題等について関係者と共有・協議し、地域ぐるみで対応する仕組み作りを推進することも重要である。
このような取組を通じ、地域の関係機関等と連携するとともに地域住民の協力を得つつ、地域ぐるみでのいじめ防止や不登校対策にあたること。
さらに、犯罪として取り扱うべきと認められる事案や学校のみで対応するか判断に迷う事案においては、警察に相談・通報を行い、適切に援助を求めるとともに、学校警察連絡協議会の活用や学校・警察連絡員の指定の徹底等、警察との日常的な情報共有体制の構築による連携強化を図ること。なお、学校・警察連絡員の指定状況等については、令和6年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」において改めて調査を実施する予定であることを申し添える。
(3)いじめの重大事態の調査に関する研修やいじめ調査アドバイザーの活用について
「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」は、重大事態調査を行う各学校等並びに調査委員等が法や基本方針の趣旨を踏まえつつ、適切に調査を行えるよう、これまでの重大事態調査の実施状況を踏まえ、「いじめ防止対策協議会」での議論を受けて調査の基本的な進め方や留意事項等をまとめたものである。このため、教育委員会等におかれては、重大事態ガイドラインの理解を目的とした研修を行うよう努めること。
さらに、各学校において、例えば、年度初めの職員会議や教員研修等の実施により、学校いじめ防止基本方針はもとより、法、基本方針、生徒指導提要(改訂版)等の理解を深めるなど、平時から、実効的な取組を行うよう努めること。
また、いじめの重大事態調査については、例えば、自治体によっては調査経験がなく、調査の立ち上げに苦慮したり、委員決定までに時間を要したりするなどの課題が指摘されていることから、「第三者性(中立性、公平性)の確保」の観点から、委員の人選に関する助言や、中立・公平性のある調査方法等について助言を行う「いじめ調査アドバイザー」がこども家庭庁に設置されているため、各学校や教育委員会等におかれては積極的に利用すること。
【添付資料】
別添資料1 いじめ防止対策の更なる強化について(令和6年11月8日 いじめ防止対策に係る関係省庁連絡会議決定)(PDF170KB)
別添資料2 いじめの重大事態の調査に関するガイドライン チェックリスト(【チェックリスト①】いじめ重大事態に対する平時からの備え 抜粋)(PDF601KB)
別添資料3 「いじめ防止対策の更なる強化及び地域における不登校のこどもへの切れ目ない支援等について(周知)」(令和6年12月25日付けこども家庭庁支援局総務課事務連絡)(PDF1068 KB)
【生徒指導提要(改訂版)】
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1404008_00001.htm
初等中等教育局児童生徒課