実際の学校における授業づくりに当たっては、「個別最適な学び」と「協働的な学び」の要素が組み合わさって実現されていくことが多いと考えられます。例えば授業の中で「個別最適な学び」の成果を「協働的な学び」に生かし、更にその成果を「個別最適な学び」に還元するなど、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実していくことが大切です。 [脚注1]
その際には、児童生徒の資質・能力育成のため、各教科等の特質に応じ、地域・学校や児童生徒の実情を踏まえながら、ICTを活用した新たな教材や学習活動等も積極的に取り入れつつ、それにより実現される新しい学習活動について、「個別最適な学び」や「協働的な学び」の充実に効果を上げているか確認しながら、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につなげていくことが期待されます。このことを通じて学習指導要領前文に記載されている「一人一人の児童(生徒)が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の創り手となることができるよう」に育成していくことが求められています。
また、資質・能力の三つの柱との関係では「学びに向かう力、人間性等」との関連性が強いことから、本資料では学びに向かう力、人間性等を育成する教育の充実(4.(1)③)、主体的に学習に取り組む態度の評価(4.(2))について後述しています。