2.育成を目指す資質・能力と個別最適な学び・協働的な学び

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(3) 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実

 令和3年答申では、目指すべき新しい時代の学校教育の姿として「全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現」が提言されました。 [脚注1]

 新たに学校教育における基盤的なツールとなるICTを活用することで、これまでにない量・質のデータを収集・蓄積・分析・活用し、個々の特性等にあった多様な方法で児童生徒が学習を進めることができる可能性が高まります。また、時間的・空間的制約を超えて音声・画像・データ等を蓄積・送受信し、今までにない方法で、多様な人たちと協働しながら学習を行うことができる可能性が高まります。同時に、AI技術が高度に発達するSociety 5.0時代にこそ、様々な場面でリアルな体験を通じて学ぶことの重要性もより一層高まります。

 学習指導要領では学校教育を通じて児童生徒が「何ができるようになるか」という各教科等において育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」、「思考力、判断力、表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱に整理しています。 [脚注2]

 未来の社会を見据え、児童生徒の資質・能力を育成するに当たっては、このような学習指導要領の趣旨を踏まえ、「個別最適な学び」「協働的な学び」という観点から学習活動の充実の方向性を改めて捉え直し、これまで培われてきた工夫とともに、ICTの新たな可能性を指導に生かすことで、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につなげていくことが重要と考えられます。

脚注

  • [1]令和3年答申p.19
  • [2]小学校学習指導要領(平成29年告示)第1章の第1の3,中学校学習指導要領(平成29年告示)第1章の第1の3,高等学校学習指導要領(平成30年告示)第1章第1款の3